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メイド

 目を覚ますと微かに酒の匂いが漂っていた。

 しかし、飲んだお酒は適量だったため目覚めは良い。


「おはようございます。ご主人様」


 フィーナは、いつもより少し勢い良くキスをすると、いつもより少し弾んだ声で挨拶をしてきた。


「今日はごきげんだな」

「昨日はいいことがあったんです」

「いいこととは何だ?」

「内緒です」


 彼女は、口に手を当ててクスクスと笑った。

 まあ、内緒と言っても予想はつく。

 こんなに喜んでくれるならたまに『好き』と言うのは悪くない。

 ただし、たまににしておこう、頻繁に言って価値が下がってはもったいない。


「ご主人様。おはよう」


 リゼットは酒臭さを残したまま少し青白い顔でキスをしてきた。


「昨日は先に寝てしまってすいませんでした」


 丁寧に布団の上に正座して頭を下げた。


「いやいい。たまにはハメを外すのも必要だろう。しかし、リゼットは酔うと甘えん坊になるんだな」


 思い出して笑みがこぼれてしまう。

 彼女は顔を赤く染めると今度は勢い良く頭を下げた。


「人の前でご主人様に恥ずかしい思いをさせて申し訳ありません。しかも、抱えて運んでもらいましたよね?」

「覚えてたのか。まあ、人前ではちょっと恥ずかしかったが、甘えるリゼットはかわいかったぞ」


 赤い顔がさらに耳まで赤く染まった。


「きっ、昨日のことは忘れて下さい」

「家の中でなら甘えてもらいたいな。たまにはお酒を飲んでくれないか?」

「恥ずかしいから嫌です。……でも、ご主人様がどうしてもというなら」

「じゃあ、今度飲んでもらおうかな。

 今日は、一日ゆっくりとしようと思う。

 最近、依頼をサボり気味だが、せっかく買ったメイド服とエプロンを使わないのはもったいないからな」

「メイド服を着て良いんですか?」

「ああ、早速着てくれ」


 てっきりヘンタイとか言われると思ったが、部屋から出て着替えると嬉しそうに戻って来た。


「ふふ、これでご主人様の召使、いえメイドですね」

「そうね。名実ともにご主人様のメイドね」


 二人共メイドになれたことを喜んでいる様だ。

 体を動かしてメイド服の動きやすさや見た目を楽しいでいる。


「前も言ったが、お前たちは召使でもメイドでもない。その服はかわいいから着てもらうだけだ」

「それは、嬉しいですが複雑でもあります。私たちはご主人様に尽くせるのが嬉しいんです」


 尽くしたいという思いは確かに嬉しい。

 二人に近づいて一緒に抱きかかえる。


「二人共似合ってるぞ」

「ありがとうございます」

「恥ずかしいわね」


 メイド服は黒い服に白いフリルのエプロンがついてるエプロンドレスだ。

 フィーナの場合、大きい胸がより強調されながら細い腰もキュッと締まっていてメリハリがある。

 リゼットは、ゴスロリの様な雰囲気で、頭にリボンをつけてあげたら、もっとかわいさが増しそうだ。

 強調されているがゆえどうしてもフィーナの胸に目線が行ってしまう。


 と言うか触りたい。

 触ってしまおう。


 フィーナの後ろに回りこむと大きく張り出された胸を服の上からわしづかむ。

 そのまま、グニグニと柔らかい感触を楽しむと、首筋に顔を埋めて香りを楽しむ。

 しばらくそうやって感触を楽しんでると段々と欲情してきてしまった。


「あ、すまない。かわいさのあまり我を忘れてしまった」


 パッと手を離して表情を伺うが、姿勢を正して並んでいる。


「私はご主人様のメイドですので、どうぞお好きなようにして下さい」


 メイド服を着ることで従順さが増しているらしい。


「いや、しかし、これから家事をしなくてはいけないだろう?」

「そんなことは気にしないでいいですよ? それに、我慢するのはカラダに毒です」


 フィーナは勢い良く振り返ると俺の手をとって胸に導いた。

 そんな行動をされては、我慢するのも馬鹿らしい。

 と言うか、そんな事をされては我慢が出来るわけがない。


「リゼット、すまないが先に家事をやっておいてくれないか?」

「わかりました」


 リゼットは少しばかり残念そうな顔をして部屋を出ようとした。


「あー。あとで呼ぶから、あまり汚れないように気をつけてくれ」


 俺が言うと、今度は嬉しそうな顔になって部屋から出て行った。

 さて、フィーナをどうやって料理しよう。

 まずは、軽くキスをするとベッドに寝かせる。


「あの、メイド服は脱がなくて良いのですか?」

「せっかくのかわいい服を脱がしてはもったいないだろう?」


 メイド服を来たまま胸をはだけさせパンツを剥ぎとって行為を行う。

 服従感が半端無くいつも以上に激しいことになってしまった。

 終わった時には、フィーナも荒い息をさせていた。


 リゼットも同様にメイド服は着せたままだが少し違う。

 服従感もあるか、更に背徳感もプラスされる。

 四つ這いにさせて、パンツをずり下げると後ろから様子を伺う。

 下腹部の大事な部分がすべて赤裸々になっている姿を眺めていると、何もされない事を不思議に思ったリゼットが振り向いた。


「ご主人様……? えっ! やだっ!」


 従順な態度をとっていたリゼットも自分の痴態に気づき、羞恥心から手で隠してしまう。

 覆いかぶさるように後ろから抱きつくと、恥ずかしさで顔を隠しながらも受け入れてくれた。


 済んだ後は家事をしてもらう。

 手伝うと言ったが、「ご主人様に家事をしてもらうなんて恥です」という事なので、暇になってしまった。

 仕方ないので、居間で二人のかわいいメイドを眺めながら今後について考えることにした。


 考えると言っても、難関なダンジョンや強力なモンスターのことではない。

 女性関連についてだ。

 まさか、異世界で女性について悩む事になるとは思いもよらなかった。

 俺が抱える問題として、クラリーヌ、ジョジゼル、ジョゼットの三人の女性がいる。

 クラリーヌは二回目のデートの約束をしてしまった。

 しかも、どこへいくかは俺が決めないといけない。

 人生で一度もまともなデートをしたことが無い俺が、だ。

 そして、ジョジゼルは裸を見て抱きしめてしまったがゆえに責任を取らないといけないらしい。

 一体どうやって責任を取るのかは謎だが、そのままにするわけにも行かないだろう。

 最後にジョゼットだ。

 彼女の場合は、酒場で酔っ払った時に交わした約束なので無効なのかもしれない。

 そもそも、覚えていない可能性もある。


 そんなことを考えていたら来客が来た。

 ここにくる来客なんて、領主の遣いかクラリーヌぐらいしか思いつかない。

 と、思っていたらやってきたのはジョゼットだった。


 昨日と違って鎧ではなく、シャツに革のジャケット、そしてズボンという姿は、ボーイッシュな顔立ちと相まって男のように見えてしまう。

 ただし、彼女は決定的に男とは違うという主張があった。

 胸である。

 俺より少し低いという背が高めな彼女はフィーナに勝るとも劣らない胸を持っていた。


「おはよう」

「おはようございます。よく場所がわかりましたね」

「クラリーヌから聞いたんだ」

「そうでしたか、それで今日はどうしたんですか?」

「やだなー。昨日酒場で約束したじゃない」


 ジョゼットは、頭を掻きつつも手をひらひらさせて笑った。


「冒険者は約束を翌日に果たすという決まりでも有るんでしょうか?」

「なに? それ? 冗談? そんな決まりはないけど、善は急げって言うでしょ?」

「なら良かった。今日は用事がありまして、また後日でいいですか?」

「明日なら大丈夫?」


 今日は二人と一緒に過ごすと決めている。

 しかし、先々の予定なんて全然ないから明日でも構わない。


「わかりました。では、明日行きましょう。どこか行きたいところはありますか?」

「うーん。ショッピングって柄でもないし」

「いつも、依頼のない日は何をしているんでしょうか?」

「そうね。バルパスと模擬戦か剣の練習場に行ってるわね」

「なら、二人でモンスター退治に行くとかはどうでしょうか?」

「いいね。お金も稼げるしユウキの戦いぶりを近くで見てみたいし」

「では、明日一緒にモンスターを狩りに行きましょう」

「わかった。じゃあ、明日の朝にまた来るから」


 約束すると、手を振りながら勢い良く走り去っていった。

 部屋に戻るとリゼットがジト目で見てくる。


「また、デートの約束?」

「昨日、酔った勢いで約束してしまったんだ。明日出かけるよ」

「ご主人様はモテますね。かっこいいから当然ですけど」


 俺は深いため息を付きながら椅子に座る。

 ジョゼットも結局デートに行くことになってしまった。

 ハーレムは男のロマンではあるが、今はフィーナとリゼットの二人がいれば満足だ。


「ご主人様は断ることが苦手ね。

 優しいのもいいけど、優しすぎるのも問題あるわ。

 そのうち痛い目を見ないと良いけど」

「気をつけよう。ところで、ジョゼットについては何も言わないのか?」

「彼女は素直でいい子ね」

「はい、そう思います」


 クラリーヌもモンスター退治デートにするか?

 いや、彼女の場合は嫌がるかな。

 ジョジゼルも下手なことをするより、剣を合わせたほうが喜ぶかもしれないな。

 そんなことをしばらく考えた。


 かわいいメイドたちの午前中の家事が終わり買い物に行くことにする。

 洋服に着替え街に出かける。


 まずはアクセサリーショップに行きフィーナを待たせるとリゼットと二人きりなった。

 フィーナに聞こえないことを確認して話しかける。


「ちょっと聞きたいんだが、指輪をあげるのにはなにか意味があるのか?」

「婚約をするときに指輪をあげたりするわね」


 やはりか。

 以前、魔法の指輪を二つフィーナに渡したが、今も大事そうに左右の薬指につけている。


「それは装備品でもか?」

「ああ、フィーナがつけてる指輪のことね?

 彼女は思い込みが激しいから勘違いしちゃったのかもね」


 さすがに装備品で、そういう意味に取らないのが普通らしい。

 フィーナは勘違いしたままにするのも問題だし、リゼットには何もあげていないから不公平になってしまう。

 色々悩んだすえに同じシンプルなデザインの銀の指輪を3つ買うことにした。

 ついでに、二人に似合うようなリボンなどの髪飾りも買う。

 アクセサリーショップを出ると改まって二人に話しかける。


「まず、フィーナの持っている硬化の指輪を返して欲しい」


 フィーナはすごく残念そうな顔をするが仕方がない。

 リゼットは自分で持っている精神の指輪がある。

 装備品としての指輪は一人一個というわけだ。


「その代わり、この指輪を二人にあげよう。

 これは俺のチームメンバーの証として右手の薬指につけてくれ」


 そう言って銀の指輪を二人に渡し自分も指輪をつける。


「ありがとうございます」

「ありがとう」


 リゼットは素直に受け取ると指輪をつけた。

 さっき相談したにもかかわらずリゼットは太陽の光を指輪に当てて嬉しそうに眺める。

 フィーナは一瞬嬉しそうだったが、右手と聞いてやや複雑な表情になる。

 でも、リゼットと同様に右手につけると指輪を眺めて大切そうに撫でる。


「では、食料を買いに行くか」


 歩き出した出会い頭に走ってきた人とぶつかってしまう。

 俺は仰向けに倒れると、女の子が俺にまたがる形になった。


「にゃー! ごめんにゃ、大丈夫かにゃ?」


 猫耳の女の子は、俺の顔を触りつつ自分の顔を近づけてきた。

 ムニ。

 そういう効果音がなりそうな重量のある柔らかい物が俺の胸に乗ってくる。

 目線を下に向けると、彼女はかなり大きな胸をしており、法衣に包まれたそれは二人に挟まれて潰れたボールのように形を変えていた。


「おい、そいつを捕まえてくれ!」


 遠くの方から声が聞こえると、女の子の猫耳がピコピコと向きを変える。

 フィーナが捕まえようと動くが、彼女は女性らしい肉付きの良い体からは考えられないような機敏な動きで俺の上からはねのくと、柔軟な動きでフィーナの手をかわしつつ走り出した。


「ごめんにゃ、急いでいるからまた今度あった時にお詫びするにゃ」


 茶色の長い髪を振り乱しあっという間に見えなくなってしまう。


「ちくしょう逃げられたか」 


 荒い息を吐きながら法衣の男が数名やってやってきた。


「どうかしたんですか?」

「お前たちには関係ない!」


 苛ついた声で言い放つとすぐに走り去った。


「失礼な連中ね」

「ご主人様、大丈夫ですか?」


 フィーナが心配そうに差し出した手を取り立ち上がった。


「ああ、別に怪我はない。服装から見るにギルダル教団の連中らしいな」

「あたしが倒しちゃった連中ね」


 服から土を払うと騒がしい連中はすでに姿がない。

 苦笑しつつも買い物の続きをして家に帰る。


 買ってきたのは、食材と強めのお酒だ。

 リゼットはお酒なんて要らないといったが、俺が飲ませたいのだから買う。


「さて、エプロンを着てもらうわけだが、エプロンには作法が有る」


 エプロンを二着持ちながら、学校の教授のような雰囲気を醸し出して二人のメイドを前に解説する。

 二人共背筋をピンと伸ばしメイドらしい立ち姿だ。


「俺の前世の記憶には裸でエプロンを付けるという風習が有る。これは結婚したての夫婦の妻が、旦那に対して衣服を着ないことによって絶対の信頼があると言う意思表示をするのだ。逆に裸でエプロンを付けてもらえないのは、夫としての不甲斐なさが有るためより強い男になるように努力しなければならない」

「そうなんですか。私がご主人様を信頼しているので当然着ます」

「ウソよね?」


 フィーナは目をキラキラさせて俺の話を聞いていたが、リゼットはジト目で俺を見るとはっきりと言い切った。


「はい、ウソです」


 リゼットの眼力にはかなわないので素直に認める。


「ウソなんですか?」

「いや、完全にウソというわけではない。

 男の憧れだし、妻にしてもらえる男は信頼されているというのは本当だ。

 できればして欲しいのだが……」

「恥ずかしいですが、ご主人様が喜ぶならやります」

「ご主人様が言い訳しなくても、やってほしいと言うならやるわよ」


 リゼットも別にやりたくないわけではなく、俺が変な言い訳をしているのにご立腹らしい。

 すぐに寝室に行くとエプロンだけを着ていそいそと出てきた。


 フィーナの大きな胸はエプロンから飛び出しそうな危うさを感じた。

 歩くたびに胸が零れ落ちそうなハラハラ感と期待感にドキドキする。

 リゼットの小さな体はエプロンにすっぽりと収まるも、そのかわいらしい姿と一枚しか着ていないというギャップが俺の心を刺激する。

 後ろ姿は丸見えのため、恥ずかしいから料理している姿は見ないで欲しいとお願いされた。

 残念な気持ちもあるが、後ろから見るのは邪道という俺の美学から料理ができるまでは大人しく待っている。

 美味しい料理と、かわいらしい二人のエプロン姿に大満足だ。

 後片付けを二人に任して寝室で待っていると、すぐに終えて入ってくる。

 二人は並んで俺の前に立つと声を揃えて言った。


「「ご主人様。どうぞ私達をお召し上がり下さい」」


 その言葉に俺のテンションは一気にMAXになった。

 半分ぐらい意識が飛びそうになるほど興奮した俺は二人を召し上がった。

 それはもう、余すことなく残さず隅から隅まで味あわせて貰った。


---


 すべての体力を使い果たし満足した俺は、まどろみの中で二人の会話を聞いた。

 二人は俺を挟んだ位置で体を起こすと顔を近づけて小声で話す。


「ご主人様はお休みになったようね」


 リゼットが俺の髪を撫でながら愛おしそうに言った。


「こんなに喜んでくれるとは思いませんでした」

「そうね。こんなに喜んでくれるなら私達から積極的にアピールするのもいいわね」

「あまりやると、ご主人様の体力が持たないかもしれないですね」


 フィーナがクスクスと嬉しそうに笑うのが聞こえる。


「ご主人様は体力があるから大丈夫よ。それよりあたしのほうがヘトヘトだわ」

「でも、リゼットの体は小さいからご主人様はすごく気を使ってるみたい」

「ええ、ご主人様はすごくエッチだけどわたしの体は優しく扱ってくれるわ。

 それより、フィーナはかなり激しくされてるみたいだけど大丈夫なの?」

「私は体が丈夫ですから。

 それに、激しくしても決して痛くないように気をつけてくれてるし、痛い時にはすぐに気づいてくれてるの」

「羨ましいわね。私も、もうちょっと大きな体なら激しくされても大丈夫なのに」


 リゼットの寂しそうな声と共にペタペタと身体を触っている音が聞こえる。


「そんなことないですよ。私だってリゼットみたいに優しく扱われたいです。

 リゼットはご主人様に優しくされている時にはすごくうっとりとしてますよ」

「もう、からかわないの」


 リゼットは恥ずかしそうに言う。


「ごめんなさ~い」


 そんな会話を聞きながら、たまにはフィーナに優しく、リゼットには激しくしてあげようと思い眠りについた。


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