デート
朝起きると、すでに日は高い。
昨日はフィーナとリゼットに取り合いされ、満足させたのはもうすぐ日が昇りそうな時間だった。
いつもなら先に起きている美少女たちは満足そうに寝ている。
俺は、二人を起こさないように居間に行くと、静かにタライを準備しお湯を作り始める。
「ごめんなさいご主人様!」
フィーナは急いで俺の近くに寄ってきて、姿勢を正すと頭を下げる。
「ご主人様の後に起きるなんて召使失格です」
「俺の知らないうちにいつ召使になったんだ? 俺は起きる順番なんて気にしないが」
「でも、ご主人様ですし」
「あまりそういうことは気にしなくていい」
今度はリゼットが急いで近くに来ると頭を下げる。
「遅く起きてごめんなさい。ご主人様」
「フィーナにも言ったが、あまりそういうことは気にしなくていい」
「でも、召使失格だわ」
リゼットもか、召使というならいっそメイドの方が嬉しいな。
そうだ、今日はメイド服も買おう。
二人に似合いそうだ。
想像してニヤニヤしてしまう。
不思議そうに見ている二人に気づきハタと現実に戻る。
「二人は俺の召使ではない」
「では何でしょうか?」
フィーナとリゼットがちょっと不安そうな表情だ。
奴隷? ランクが落ちてるじゃないか。
メイド? 召使と変わらない。
冒険者仲間? なんか他人行儀だ。
「二人は……。俺の恋人だ」
言ってみてすごく恥ずかしい気分になった。
二人は顔を真っ赤にしている。
俺も顔から火が出そうだ。
「だっ、だから今日はデートなのだ。さあ早く支度をしよう時間がもったいない」
そう言って、自分の体を拭こうとするが、二人はそれを許さなかった。
恋人同士だと宣言しても、それだけは譲れないらしい。
そして、フィーナの体を拭こうとするが、二人はそれを許さなかった。
恋人同士だと宣言しても、それとこれとは関係無いと言われた。
ちくしょう。
仕方なく部屋を出ながら言った。
「フィーナは白のワンピース、リゼットは白いシャツにピンクのスカートを着ること」
フィーナが動揺している。
「やっぱり着なきゃダメですか?」
「どうしても嫌なら無理にとは言わないが、フィーナには女の子らしい格好をして欲しい」
「わかりました。ご主人様がそこまでい言うのであれば着ます」
「下着は忘れずつけるように」
念のため注意すると、赤い顔をしながらタオルを投げてきた。
俺は逃げるように部屋の外に出る。
親切心で言っているのにひどいやつだ。
二人が指定通りの衣装で部屋から出てきた。
フィーナは、スカートを押さえてもじもじとしている。
リゼットは、両手でスカートの裾をつまみ持ち上げてお辞儀する。
「うむ。かわいいぞ」
「ご主人様恥ずかしいです」
「この格好で外に出るとなると落ち着かないわね」
二人共なれない格好で戸惑っているが、それが逆にかわいさを増している。
フィーナの肩に手を置きキスをする。
ただし、いつもと違い軽いキスをする。
俺がすぐに唇を離すと、「あっ」と小さく残念そうな声を上げると物足りなそうな目を向ける。
「フィーナよ、こういうのは雰囲気が大切なんだぞ」
リゼットにも肩に手をかけて軽くキスをする。
リゼットは濃厚なキスよりも好きらしく、お返しとばかりにちゅっちゅと二回キスをしてきて上目遣いでテレ顔を向けてきた。
リゼットはよくわかっているな。
フィーナが不満そうな顔をしているので、ちゅっちゅと2回軽いキスを追加でしてあげた。
それでもまだ不満そうな顔をしている。
二人の手をとると家の外に出た。
「もうお昼も近いので、食事をしに行こう。今日はちょっとおしゃれなカフェだぞ」
街の中央付近の繁華街の一角に、女性好みの店が立ち並ぶ場所がある。
その中で30人ほどが座れるカフェテラスに向かった。
冒険者ギルドに置いてあった冊子『女性に人気!デートにも使えるおすすめスポット』に書かれてた店だ。
適度に混んでいて、そのほとんどが女性で独特の賑やかさを持っていた。
入るのに多少躊躇したが、意を決して入ると席に座る。
周りにはおしゃれをしている女性が多いが、その中でも二人は格段にかわいかった。
「この店はパスタとデザートが人気らしい、両方頼むと良い」
「私はこういうお店は始めてですのでご主人様と同じ物がいいです」
「あたしもわからないから、ご主人様にお任せするわ」
頼まれても俺も初めてなのでよくわからないのだが、冊子におすすめしてあったオリーブオイルのトマトパスタとパンケーキ、紅茶を頼んだ。
フィーナは落ち着きなさそうに当たりをキョロキョロ見ながら周りの女性達を観察している。
リゼットは逆に落ち着いていて、賑やかな雰囲気を楽しみながら俺を見ていた。
「ご主人様はスキルについてどれくらい知っているのかしら?」
「こんな所でも、スキルの話をするのはリゼットらしいな」
「明日にでもレナルヴェの元に行くのでしょう? だったら早めに話したほうが良いと思って」
「そうだな。知ってるのは魔法と同じく習ったりスクロールで覚えたりすることぐらいか」
「ご主人様は魔法はすべて買ったのかしら?」
「ああ、俺には教えてくれるような知り合いは居ないのでな」
「魔法もそうですけどスキルというのは師匠の元について教えてもらうのが普通です」
「なぜだ? 買ったほうが早いだろう」
「店で買うと高いですし、覚えても能力が足りなくて有効に使えない可能性があるからです」
「なるほど」
「ですので、能力を鍛えつつ教えてもらったほうが確実なんです。その中で自分にあったジョブや上位職も判断できますし」
「覚えれば何でも使える俺は特別ということか」
会話が一区切り着くと、料理が運ばれてきた。
パスタは日本に居た時も好物の1つだったが、この店のパスタもなかなかだった。
「ご主人様、これすごく美味しいです」
フィーナは盗賊団で育ったせいで基本的なマナーを知らない。
口もとを汚しながらパスタを頬張る。
リゼットは、「しょーがないわねー」とか言いながら、パスタソースのついたフィーナの口元をハンカチで拭ってあげている。
見た目は真逆だが母親と子供のようだ。
パスタも食べ終わり、デザートのパンケーキと紅茶を堪能していると、一人の女性が席にやって来て微笑みながら挨拶をしてきた。
「お久しぶりです。ユウキ様」
水色の長い髪をした小柄で可愛らしい女性だ。
その女性をみてフィーナが少しムッとする。
俺は思い出そうとするが記憶に無い。
「失礼ですがどなたでしょうか?」
「風の射手リーダーのクラリーヌです!」
気づかなかった。
以前は革鎧にズボンで髪も後ろにまとめていたし雰囲気もピリッとしていた。
美人ではあるがいわゆる姉御肌というやつだ。
ところが今は柔らかい雰囲気を持つ淑女だ。
「すいません。かわいらしい格好をしているので気づきませんでした」
「かわいらしいなんてそんな」
クラリーヌは頬を赤らめて手で隠す。
俺は服装をかわいいと言ったのだが、何か勘違いされたか?
「偶然ですね」
「ええ、あたしたちは仕事のない日は女性で集まって御茶会をしているんですよ。ここにもよく来ます」
そう言ったクラリーヌの目線の先には、風の射手などの冒険者の女性たちが居た。
目線をやると、軽く手をふってくる。
俺は軽く会釈を返した。
女性ってこういう時にはどう対応したら良いんだろう。
女性との会話とかほとんどしたこと無いからわからない。
とりあえずほめておこう。
「皆さん鎧を着てる時とは見違えるようにかわいらしいですね」
「あら、ユウキ様に言われるなんて、みんな喜ぶと思います」
「ユウキ様と言われるほどの者ではありませんが、皆さんなら貴族たちの目にも止まりそうですね」
「あたし達は、軟弱な貴族なんかより、ユウキ様みたいに男らしい方が好みなんですよ」
好みと言われて照れてしまう。
頭を掻いてごまかす。
「よろしければ今度一緒にお茶をしませんか? 冒険者としての情報共有もしたいですし」
そういえば、冒険者同士のつながりは全く知らない。
こういう機会に顔を広めるのも良いのかもしれないな。
「冒険者の知り合いは少ないので、紹介してくれるとありがたい」
「まあ、嬉しいですわ。では今度お誘いしますね」
俺が自分の住んでいる場所を伝えると、嬉しそうに「ごきげんよう」と言って席に戻っていった。
ふと気づくと、リゼットがジト目で俺のことを見ている。
「どうかしたのか?」
「ご主人様、デートのお誘いだったって気づいてる?」
「え? そうなの?」
「やっぱり気づいてなかったのね」
リゼットは残念そうにため息を付いた。
フィーナのムッとした顔が更に膨れ上がっている。
「じゃ、じゃあ、次の店に行こうか」
カフェを出ていろいろなお店でショッピングを愉しむ。
フィーナは店に置いてあるものすべてが珍しいらしく、商品を指差しては「これ何」と聞いている。
リゼットは呆れながらも楽しそうに教えていた。
欲しいものがあれば買っていいと言ったのだが見ただけで満足したらしい
結局、購入したのは俺の欲しかった、エプロンとメイド服が二着と筋力と、脚力、武器攻撃力をあげる初級付与魔法3つだった。
メイド服については、リゼットの大きさのものが有るか不安だったが、貴族の子供がメイドとして修行することも珍しくないらしく、普通に置いてあった。
そして、俺の中でのメインイベント大衆浴場である。
家庭には風呂がないが、街には大きな浴場が有り、料金が安いため街の人々はわりと頻繁に訪れるらしい。
しかし、俺が利用するのはその中でも高級な個室風呂である。
せっかく風呂に入るのに二人と離れて一人で入るなんて悲しすぎる。
三人で仲良くお風呂をしようと言うわけだ。
俺は久しぶりの風呂に、二人は初めての風呂にウキウキする。
「わー、私お風呂初めてです」
「あたしもお風呂は初めてね」
「二人共俺が洗うからな」
はっきりと宣言する。
俺が風呂に来た大きな理由の1つなのだから、外すことはできない。
「やっぱりですか」
フィーナは恥ずかしそうに、しかし観念した表情だ。
風呂屋に入るとすぐに個室風呂に案内された。
個室風呂の料金は高めで、主に貴族が使うためか店員の対応も過剰に丁寧だった。
二人ともきらびやかなお風呂の内装に感嘆の声を上げる。
「すごい! まるで夢のようです」
「本当にあたしなんかが、こんな高級なお風呂に入っていいのかしら……」
「ああもちろんだ。二人ともよく働いてくれているからな」
と、調子よく言っているが、本当は自分のためだ。
急いで服を脱ぎ風呂場に入ると、まずはリゼットの髪を洗う。
リゼットの髪は1メートルを超える上、長年洗ってないため完全に綺麗にするのに10分以上かかった。
しかし、綺麗な髪がさらさらになることを考えると手を抜こうとも苦労したとも思わない。
続いて、リゼットの背後に座り体を洗う。
石鹸の泡を手につけて直接洗うのだ。
「ご主人様、鼻息が荒いわよ」
諦めたようにため息をついている。
リゼットの肌は白い、日にあたってもほとんど焼けない。
その白くてきめ細やかな肌を丹念に洗っていく。
腕から背中、そして胸へ。
胸は完全に無いというわけではない、膨らみかけという感じだ。
胸を優しく揉みながら洗う。
それに合わせてリゼットの息が多少弾む。
そして、お腹、おしり、足と順に洗っていく。
最後が女性の大切な部分だ。
タオルで毎日拭いているが女性が自分で拭くのには限界があるし、タオルでは丁寧に拭き取ることはできない。
そのため、あまり衛生的とはいえない、
俺は汚れが落ちるように細部に渡り丁寧に洗っていく。
「ご主人様、恥ずかしいです……」
恥ずかしさと快感から顔を両手で隠しイヤイヤをするように頭を振る。
複雑な部分を伸ばし痛くないように気をつけながら丁寧に何度もこする。
リゼットは俺が執拗に洗うため腕を強く握ると体を痙攣させた。
洗い終わった時には、リゼットは脱力状態で俺が離れるとクタッと寝転んでしまった。
リゼットが風邪を引かないように気をつけながら今度はフィーナを洗う。
リゼットの時と同じように後ろに座る。
首筋越しに見える大きな乳房が俺の目を惹きつける。
思わず一番に手をやった。
そのまま、大きな胸を縦横無尽に洗い出す。
俺の手の動きに合わせて柔軟に動き、石鹸が滑るため時折手からこぼれ落ちる。
そんな風に俺が胸の感触を味わっていると。
「ご主人様、もうダメです」
そう言って体を震わせた。
胸でそこまでなるとは思わず驚く。
フィーナは強烈な快感だったらしく力が抜けていた。
休ませようかとも思ったが、そのまま洗うのを続けた。
腕、お腹、お尻、足と順番に洗っていき最後に女性の部分を洗い出す。
フィーナは少しは回復していたがそれでもまだ力は抜けている状態で、刺激を受けて体を震わせていた。
丁寧に細部に渡りこすっていく。
フィーナは快感に耐えられず口に手を当てたり俺の手を握ったりと体をくねらせていた。
洗うのが終わった時には力尽きた感じに倒れた。
二人が力尽きてしまったので、体を自分で洗うことにする。
ところが、二人はぐったりしているにもかかわらず俺が体を洗おうとすると必死に止めようとした。
何がそこまでさせるのかは不明だが、二人に無理させるわけには行かないので、二人の回復を待つことにした。
そして、二人に洗ってもらったのだが、これが大変だった。
お返しとばかりに俺に対して色々やってきた。
極楽と思える反面、鬼気迫るものを感じてちょっと怖かった。
これについては詳しく語ることはやめよう。
誰も得しないし。
三人とも体が綺麗になったところで湯船に浸かる。
両腕に美少女を抱えて入る風呂は最高だ。
横を見れば美少女の顔、その下に目線をやれば美しい裸体が有る。
二人共お風呂に満足したように水に身をまかせて目をつぶっている。
「お風呂って最高ですね」
「本当ね。また来たいわ」
「できるだけ頻繁に来たいな。できれば家にお風呂を用意できると良いのだが」
ふと、フィーナを見ると豊満な胸がお湯に浮かびたゆたっていた。
お湯の波に合わせて動く胸は、見ていて夢のようだ。
俺はわざと波を立てて動くさまを眺めた。
リゼットに冷たい目線を送られていたがあえて無視する。
こんな機会を逃すなんて男として罪な行為だ。
お風呂は大変満足の行くものだった。
もう一度来ようと心に決める。
最後に訪れた店は少し高級なコースの出るレストランである。
場所はもちろん『女性に人気!デートにも使えるおすすめスポット』で決めた。
夕暮れ時の綺麗な景色が見えるお店で、リゼットはうっとりと景色を眺めていた。
フィーナは、景色より食べ物が気に入ったらしくうまい、うまいと言いながら頬張る。
幸いそこまでマナーのうるさい店ではないため三人とも楽しく食事ができた。
食後にはワインを飲む。
この世界に来てから初めてのお酒だ。
フィーナはお酒に弱く少し飲むと今日の疲れが出たらしく眠そうにしていた。
リゼットとは大人の雰囲気でお酒を飲む。
フィーナはお酒を飲んでからはずっと眠そうだった。
二人で支えながらなんとか家について服を脱がせるとすぐにベッドに向かった。
今は、俺の膝枕で眠っている。
「ご主人様、今日はたのしかったわ」
「ああ、俺もだ」
お酒を飲んだリゼットは子供っぽい見た目をしながらも妖艶な大人の雰囲気を醸し出していた。
朝と同じように軽めのキスをする。
リゼットはそのほうが喜ぶと思ったからだ。
しかし、体を離そうとすると、首に腕を回してキスをしてきた。
ぎこちない今までのキスとは違う大人のキス。
髪を撫でる。
洗った髪は猫の毛のように細くさらさらしており手触りが良かった。
フィーナを寝かせ、二人で楽しんだ。
リゼットはいつもの遠慮がちな様子はなく、大人の雰囲気を醸し出していた。
綺麗に洗った長い髪がリゼットの体に絡みつき妖艶さを一層際立たせている。
いつもなら俺がリードしているが、リゼットは歳相応の妖艶さを出し俺をリードしていった。