表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

富江

作者: やまだ

今日面白いことがおこった。

太郎君が包丁で隣の席の富江ちゃんを刺し殺した。何回も何回も富江ちゃんの体に包丁が突き刺さった。

教室に富江ちゃんが撒き散らされた。

先生は富江ちゃんをミンチにした太郎くんに何も言わなかった。

先生は教室の隅のゴミ箱で吐いていた。

僕は、さっきまで算数の授業をしていたのにこんなことになったのは変だなあと思った。

太郎くんも算数の授業の前は普通に僕たちと昨日のタイガースの結果についてぎろんしていたのだ。

富江ちゃんをミンチにしていた太郎くんは僕は殺人鬼ですという目をしていた。

じゃあ、給食当番めんどいよなって僕に言った太郎くんや、かけっこで1等になってブイサインをした太郎くんはどこにいったんだろう?。


包丁をもって富江ちゃんを

漫画やインターネットでよく見るグロ画像にしている太郎くんは普段の太郎くんと違った。

富江ちゃんが太郎くんにバラバラにされてるあいだ、みんな机に座って大人しく見守っていた。みんな、動いたら太郎くんに殺されるかもしれない。と思っていたのかもしれない。

警察呼ぶよ!と太郎君に言った、女子の学級委員長が実際に首を切られた。学級委員長はひいと叫んで教室を出て行った。太郎君はそれを追いかけていった。


「富江ちゃん好きだったのになあ。」

隣の席の加藤くんが教壇の上でめちゃくちゃになってる富江ちゃんを見ていった。

富江ちゃんの血液が教室の床や壁を真っ赤に塗りたくっていて、教室はサスペンスドラマの舞台みたいになっていた。

所々内臓とか、骨?みたいなのがあった。

「富江ちゃん可愛かったのにもったいないよな。」加藤くんは僕にそういって、立ち上がった。

ちょっと、動いたら太郎君に殺されちゃうよ。と僕が言った。「教室のドアみとけ。太郎が戻ってきたら俺に言えよ、ダッシュで戻ってくるから。」

と加藤くんは血溜まりを跨いで、富江ちゃんのミンチへ向かった。

加藤くんはグジャグジャになった血と内臓の固まりをかきまわして、富江ちゃんの頭らしき部分を見つけ出した。

「太郎のやつ顔だけは傷つけられなかったみたいだな。」

加藤くんは真っ赤な固まりをぎゅっと抱きしめた。

「俺、実は富江のこと好きだったんだ。あいつすごい可愛いもん。」うっとりした感じで血まみれの加藤くんが言った。

「俺も実は好きだったんだ。」

前から3番目の竹下くんが加藤くんにそういって富江ちゃんのミンチに向かった。

「富江美人だったよな。でも顔の部分加藤が取ったのか。仕方ない、指もってかえろう。」

竹下くんは富江ちゃんのミンチの中から指の部分を探し始めた。

男子が続々と立ち上がった。みんな富江ちゃんが好きだったみたいだ。女子は算数の教科書を見たり、下をむいたりして見てみぬふりをしていた。

男子はミンチの中から

「俺膵臓。」

「俺大腸。」

「俺胃袋。」

といった要領で次々と富江ちゃんの体を採っていった。

僕は、自分の席に座って、赤く染まった男子たちが肉片を手にして万歳しているようすをみていた。

加藤くんが僕に小さな丸い玉を投げてよこした。

富江ちゃんの眼球だった。

僕はそれを口に入れて舐めた。

僕も富江ちゃんが好きだったのだ。富江ちゃんを口の中で溶かすといい味がした。おいしかった。

あいしてるよ、あいしてるよ富江ちゃん。ようやく君に告白できたよ、君が返事ができないのは少し哀しいけど。

僕はいますごく嬉しい。

もごもごと口のなかでそんなことをいうと、勝手に目から涙がでてきた。なので僕は目を閉じた。

救急車の音が聞こえた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ