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未来が見える男

掲載日:2025/10/14

勢いで書きました。設定とかも色々怪しいですが温かい目で見てください。

前に投稿した、未来予知を良い人が持った世界線です。

「かわいそうに」男がそう言った5秒後だろうか。


アイスクリームを持ち走っていた女の子が盛大に転んだ。後輩が驚いて男を見た時にはすでに、男は財布を持ち席を立っていた。そのままアイスクリーム屋に向かい、迷うことなく女の子が持っていたアイスクリームを買い、静かに微笑みながら女の子にそれを渡した。女の子は驚いた後、すぐに感謝を伝えようとしたが、うまく声が出せずただ口をぱくぱくとしていた。


「相変わらず、すごい力ですね。」感心したように後輩は言う。


男は特に表情を変えることなく首を横に振った。

「前にも言っただろ、俺の能力は『完璧な未来予知』。未来が見えたところで絶対に変えることはできない。例えるならば、常に映画のネタバレをされているようなものだよ。」


男の能力はその名に反して非常につまらないものであった。自分から未来を見えるわけではなく、ある時勝手に脳に送られてくる。それを見た時点で結末を変えることはできず、何か行動しても過程が変わるだけ。


後輩は首を傾げながら言った。

「そうですかね?変えられないとしても自分だけ未来が見えてるって、なんかカッコいい気がします。いらないならくださいよ、その能力。」


「できたらな。」

今度は少し微笑みながら男は言った。


自分にもこんな時期があったなと懐かしく思う。

どんな些細なことでも未来が見えたら周りに言いふらし、その度に口々に「お前はすごい」「かっこいい」と崇められ、自分は選ばれた人間なのだと思う頃もあった。しかし、予知をしてもそれを変えることはできない。心無い人間に「疫病神め」と罵られることもあった。それ以来、男は予言の内容を口にすることは、ほとんどなくなった。


わかっているのに何もできない自分に腹が立ち、男は警察官になった。生まれつきの真面目すぎる性格と、正義感感のおかげで、地元でも有名な警察官になった。予知の能力は、結果は変えられないとしても捜査には役立った。新手の詐欺や、新薬を使った殺人事件などもその能力で解決した。なにより、自分が誰かの役に立っていることが嬉しかった。



「それで今日はどうしたんですか。急に呼び出して。」

後輩が問いかける。


「僕は引退させてもらう。もう上には伝えているんだ。正式に発表されるのはまだだが、先に伝えておきたくてな。今までありがとう。」


「そ、そんな、なんでいきなり、、、何かあったんですか!?」


「いや別に問題はないよ。もうやり切ったと思ってな。決断を変える気はない。」


急に呼び出してすまなかった。そう伝えた後、金を渡し男は店を出た。


問題はあった。男の未来予知がだんだん曖昧になってきたのだ。今までは、人の顔まで見えていたので捜査に使えたが、最近はぼやけて人影しか見えなくなってしまった。うんざりしていた能力と離れられて嬉しいが、今までのように事件が解決できなくなってしまうことは、悲しく思えた。


いきなり呼び出して、いきなり帰ってしまったのは申し訳なかったが、正直に伝えていらぬ不安を抱かせたくはなかった。一般の警察官として続ける選択肢もあったが、中途半端なことはしないのが一番大切だと思う。十分頑張ったさ。など言い訳のようなことを考えながら歩いていると、急に頭に閃光が走った。


燃え崩れる建物の中に人が倒れている。男か女か、子供か大人か,わからないが建物の構造からすぐ近くのアパートだと分かった。


これは予言だ。考えるより先に足が動いていた。変えられる変えられないじゃない、行かなければいけない。


「ここか!」


建物に着いた途端、4階の窓が吹き飛んだ。

すぐに消防に連絡し救助を待った。見かけの割に中はそうでもないようで、ゲホゲホと咳き込みながら、住人が脱出してきた。周りの家の人も流石に気づいたようで、自分の家の消化器や水バケツを持ってきている。全員脱出した?いやそんなわけない確かに見たんだ。


「まだ中に子供が!」


聞きたくない言葉だった。少しだけ期待してしまっていた。あやふやな今の能力なら、外れているかもしれないと。


「くそが!」


吐き捨てるように叫んだ後、近くにいたやつの水バケツを奪いかぶった後、建物に突っ込む。後ろからやめろ死ぬぞと声が聞こえる。知ったものか。何もわからない人にはこの気持ちはわかるまい。


熱い、熱い熱い熱い熱い熱い熱い。水をかぶったからなんだ。燃えてるんだぞ当たり前だ。それでもやるしかない。階段を駆け上がり進む。中はそれほどでもないと言ったがあれは間違いだ。今にも床は崩れそうで、時間がない。微かに聞こえる声を頼りに部屋に入る。いた子供だ。


「こっちだ!」


子供を連れてもときた道を戻ろうとする時、ガラガラと床が崩れ落ちた。

「窓から降りろ!」

住民の声が聞こえる。

そうかその手があったか。走って窓に向かう。その時窓の近くが崩れ始めた。

咄嗟に子供を投げる。人もたくさんいるし、落ちてもそう被害はないだろう。

窓の近くは完全に崩れた。


ーーーーーー倒れていたのは俺だったのか。


男の予言で倒れていたのは、最初から自分だったのか、

それとも最後の最後で未来を変えたのかは、誰にもわからない。


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