カメレオン
唄えば産まれたばかりの赤子を抱っこ
青い空に浮かぶ熱気球に揺られ
父と母の意味もまだ分からなくて
それでも分かる心地良さ
泣くのが仕事
泣かねば心配される
小さな仕草が大きな合図
見えないけど観てくれている
安心感
長針と短針がグルグル回り続ける
「よくできました。」
「上手になってきたね。」
「次はこれをやってみよう。」
「しょうがないね。」
「まだ出来ないの?」
「もう少し上手く出来ない?」
「これもやらなきゃいけないんだからね。」
「どうしようもないな。」
「早くして。」
「まだ出来ないの?」
「それ終わったら次もやっておいて。」
「もう知らないから。」
あれ……親代わった?