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第二十八回 祭膳に殺到せし騒ぎ 供膳の道を整えしこと

先日開催された魔界祭は、竜王城に暮らす全ての魔物たちが参加する、かつてない規模の祝祭となった。妖精族とリリナを中心に企画されたこの催しは、ユースケの現代知識に基づき、盆踊りを模した櫓と提灯、屋台、幻想的な照明などが並ぶ華やかなものとなった。


その余韻がまだ冷めぬうち——


魔界祭から数日。宴の成功を喜ぶ空気のなかで、今度はリリナが慌てた様子で厨房へ駆け込んできた。


「ユースケ! 配膳の途中でまた料理が冷めちゃったの! お盆が足りないし、通路が混み合ってるの!」


なるほど、宴席の増設に対して、供膳の動線が整っていなかったらしい。宴が終わった今も、見学客や補給の荷運びで通路が慢性的に渋滞している。


「供膳のトロッコ、導入してみるか」


俺は現代のファミリーレストランで見かけた回転レールや厨房からの自動搬送の仕組みを応用し、トロッコ搬送路を設計した。手押しのワゴンではなく、魔導石の磁力を用いた“浮かぶトレー”だ。


ただし、浮遊魔力は重量に弱いため、コースの傾斜や加重バランスの調整には骨が折れた。ゴーレムの一体を「車庫番」として配置し、定期的にトロッコを整列させる工夫も必要だった。


最初の試運転では、軽すぎてトレーが滑走し、料理ごと壁に激突した。厨房の皆が悲鳴を上げる中、グルメットが怒鳴る。


「料理を空飛ばせたって、食えるかどうかは別問題だろうがぁっ!」


三度目の改良でようやく安定した軌道を描き、料理は温かいまま配膳所へと運ばれるようになった。


魔界の食堂に、物流という概念が芽生えた瞬間だった。



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