穢らわしい! こんの、おめがみどもがあああ!!
──────。
早速来たようね。
「あんた達、死ぬよ」
ここは荒野の世界。所謂、何も無い、滅んだ世界。自然も人も動物もいない。
この世界に来て早々、犬共がやってきた。
「きゃははは。あいつなんか言ってたよー」
「そうね、威圧のつもりかしら」
「こーら。貴方達、油断しないことよ。なんてったって、相手は掟破りの堕ちた女神なんだから」
三人か。私も舐められたものね。
「もう一度言うわ。──殺すわよ?」
「きゃは。聞こえないんですけどー?」
「殺すぞ、っって、──言ってんのよおおお!」
「っぐぇあ!?」
瞬きをする間も無く、エリスは一人の首を掴む。
そして、
グシャ。
「マナミ!?」
「貴方、本当に腐り切ってしまったようね。元同胞の首根っこをこうも容易く握り潰せるなんて」
「ふふ。そう、元、ね」
エリスは首を潰した女神を地上に落とす。
「マナミって言うんだこのクソ虫」
「──!? クソ虫はてめえええだろおお!!」
「遅いわね。女神はいつからこんなに弱くなってしまったのかしら」
【堕女神エリス】
数千年前の戦争の際に産み落とされた。母と父は不明。物心ついた頃から鍛え上げられ、《女神闘技会》で優勝を何度も果たした。最強と謳われた元女神。他の女神よりも何倍も生きている。
「は、はや──」
「てめぇが遅いんだよ?」
「避けて! サヤカ!」
エリスの攻撃はもう一人の女神に防がれる。
ふん。雑魚のくせして、もどかしいわね。
たった今始末したヤツは下っ端中の下っ端だったようね。
──もどかしい。うっとおしい。うざい。
「この、汚女神どもがああああ!!」
「「きゃあああ!!」」
少しだけ、本気を出したわ。
女神二人は消し炭となった。
【ジャッジメントアブソリュートブラスト(オブ・ザ・ダークネス)】
エリスの放つ高等魔法。本来なら光のエネルギーを収束し、闇を打ち破る技。現在は闇落ちしているため、光を飲み込み焼き尽くす業火となっている。
「所詮は雑魚。この私を楽しませるに値しないわね」