死者が続出したようですが、構わず裏ボスとしてチーター狩りを続けます
「エリス？ めっちゃ暴走してるやん」
「あ、えと、これは、その……」
やばい。ばれた。流石にやりすぎたか？
……いやそりゃあばれるわ。スローライフ野郎の居た世界がビッグバンで消えて、その時の死者は直接協会に送りつけたんだった。
いじめがいのある転生者共、その他諸々は私のところに送りつけたのだ。例えばさっきの勇者と魔王とか。
【天界転生協会】
ここでは、死者が天国か地獄、あるいは即座に転生するか見定められる。
「こっち今大変なんだけど？」
「そ、それはごもっともで」
今頃協会は大渋滞のはずだわ。
「めちゃくちゃ天界の掟を破ってるよ、エリス君」
「私にはこのチケットが……」
「それはいつでも転生者の元へと会いにいけるチケット」
「はい……」
「星を割ったり、人をどついたり殺したりできる物じゃあないんだよ」
くそ、このジジイ。いちいちうるせーよ。
こっちはいつもチーター共には飽き飽きさせられてんだ！
星の一つや二つ割りたくなるほどストレス溜まっててもいーだろーが！
「ジジイ──」
「ん？」
「か、会長」
「今ジジイって言わなかった？」
「とんでもない！ あの、掟を破った私はどうなるのですか？」
「処刑」
「そんな！？ どうしてですか！？」
「いやだから、掟破ったから」
【天界の掟】
掟を破ったら、その女神は堕女神として処刑。
「くっそが！ ちょっとやそっと掟破りたくなることぐらいあるだろぉ！？」
「いや無いよ！？ その掟と言うのも、下界の者を殴ったり殺したりしたらいけないという普通の人なら犯すことのないものだよ」
「ふぅ、そういうことね。今の私は堕女神だと……」
「わしもお主のことは殺したく無い。今すぐに自首すればわしが取り持つこともできるやもしれぬ」
そんなこと言われても、私の中のチーター達への怒りは収まらない。なので、
「トンズラだー！」
「ちょ、エリス、待たんかー！」
「待てと言われて待つバカがどこに居るぅ」
「ちょ、待って、ちょ──マジで疲れた」
【天界転生協会会長】
力は弱い。権力はある。エリスには一際信頼を寄せている。
「ジジイ、悪いわね。私にはまだまだやらなくちゃいけない者達がいるの」
「エリス……はぁ、はぁ、ジジイと言うなと、何度言ったら分かるんじゃ」
「会長なんて堅い呼び方、吐き気がするわ！ ジジイの方が落ち着くの」
「はぁ、はぁ、」
「もう走らないで。体弱いんだから」
「ダメ、じゃ……。ワシは、お主を、つか、まえ──」
「仕方ないわね」
ゲートにジジイを放り込んで、天界へと返す。
そのまま私は水晶を見る。
決めたわ！ 次の相手はこいつよ！
次のチーターは、スライム。男。
この男は日本でスライムを飲み込んで、窒息死した。転生するとスライムになっていて、色々スキルをゲットして無双している。
例に漏れず、コイツもぶっ潰してやるわ！
