スローライフをボコって気持ちが良いので早速次なるお相手、『ヤリチン野郎』を『性欲の魔人』を使って骨抜きにします。
「女神様〜、酷いじゃないですかー」
「黙れモブA」
「モブ!?!?」
少年の名前は『モブA』としました。
わんわん文句を垂れてくるが、勿論聞く耳など立てはしないわ!
「さーてと、次なるお相手は……」
水晶にテキトーな世界を映し出すと、まさに女との『行為』の真っ最中の男が映し出された。
「女神様!? この水晶はAぶ」
「あら、発言権は与えていないはずだけど、またぶっ飛ばすわよ?」
「なんで?! 本当に急にどうしちゃったのですか女神様?」
「どうって……そんなの決まってるでしょ。退屈なのよ! 貴様らが!!」
「きさま!?」
やはり、こんなモブと話していたって生産性がない。
早速次のお相手をボコしに行こう。無論、この水晶の男だ。この男は前世ではかなりのダメ男だったのだ。五十二歳。童貞。ニート。生活をアルバイトで賄っていた。しかし、ある時重度の症状が彼を襲った。癌だ。彼はそのまま誰に助けを求めることもできず、気絶し、数時間後、息を引き取った。
彼は転生する時に誓っていた。来世ではとにかく女とやりまくると。
「モブA、見てなさい。これから面白いことが起きるわよ」
ゲートを開き、歩いていく。
ゲートを抜けると、そこは夜の街だった。
隣に佇む宿屋から、例の転生者の気配を感じる。
「召喚」
「うっふ〜ん♡」
召喚したのは、《サキュバスオーク》。筋肉が非常に太く盛んで、猪に口紅やらアイシャドウを加えた顔をしている。この魔物は非常に性欲が旺盛だ。
まさに性欲の魔人なのよ!
「この男をめちゃくちゃにしてあげて」
オークの頭に手を当てて、目当ての男の情報を流し込む。
「分かったわ、女神様♡」
オークは早速宿屋の中へと入って行く。
中から受付の人の悲鳴が聞こえるが、すぐに収まる。オークの吐息によるものだろう。オークの吐息には相手を眠らせる効力がある。その隙に男達に見るも無惨なことをするのだ。
少し経った後。
「ぎゃああああああ!」
「うふん。楽しみましょう」
あの男の悲鳴が聞こえる。
あのオークは私の召喚したオーク。並大抵のチート野郎には負けはしない!
そして数分後。
オークと男が居る部屋へと入って行く。
「オーク、よくやってくれたわね!」
「うふん。女神様の思し召しのままに」
そう言ってオークは消えていった。
ベッドには萎れた男の姿があった。脈は無い。
「油断したわね。裏ボスの存在露知らずって、ところね」
部屋の隅には仲間と思しき女の子達がビクビクと震えている。男のチートは女の子とヤればヤるほど双方共にレベルが上がっていくというもので、それで強くなって、無自覚にこの世界を救った、というのが背景だ。
この男と女の子達がこの世界で一番強いのだろうが──、
「ぺ!! ぺ!!」
男と女の子に唾を吐きかけて、ゲートを潜っていった。