今後の方針
よろしくお願いします!
前回から遅くなってしまい申し訳ありません!
今回から一章が開始します!ゆっくりと書いていくつもりなので長い目で見ていただけると幸いです!
「それで、これからどうするの?この森からは出た方がいいんだよね?」
共に世界を旅することを決めた二人であったが、決まっているのはむしろそれだけであった。そのため、ハトは早速今後の予定をショウに訪ねることにした。そこに、自分のことを誘ったのだからある程度の予定が決まっているのだろうと期待を込めて。ただ、任せっきりも違う気がしたため、ショウの発言を振り返って話の流れを作った。
「いや、あくまで長居が無用なだけなのだ。それに、むしろ神獣の領域にお主がここまで踏み入ることができているのだから会いに行った方がいいのだ」
しかし、ショウの発言はその真反対を行った。それどころか、ハトにとって先程までの発言と矛盾すらしていると感じられるものだった。よって、思わず大きな声が出てしまった。
「嫌われてるんじゃなかったの!?」
「嫌ってるのはこの森の民なのだ。そもそも、長く生きた神獣であれば森の再生くらい痒いところをかくくらい簡単で、児戯にすら及ばないレベルなのだ。そんな存在がそんなことを気にすると思うのだ?」
ショウはその理由を懇切丁寧に説明すると同時に神獣のすることのスケールの大きさを初めて口にした。その圧倒的な力を聞いたことでハトはさらに動揺を隠すことができなくなる。
「え、えぇ……?さっきと言ってること違くない?僕、別にここにいてもよかったんじゃ……」
ここまでの話からすればここに滞在しても問題がなかったかのように思えてきたハトはそのことをたずねる。
「むぅ?そんなことはないのだ。言ってしまえば、森の民が、まじでやばいのだ。幸い、ここは森の奥。既にバレてる可能性もなくはないのだが…...森の民がお主のことを嗅ぎつける前に森の主に会いに行くのだ!」
ショウはかなり森の民を危険視しているらしく、説明もそこそこにハトへすぐに出発するようにと背中をバシバシと叩いて急かした。
「え?何その不穏な発言……あ、ちょ、叩かないで!?」
そうして、ハトは森の民について気にする間も無くその場から動いたのだった。
「で、どこに向かうの?」
木のてっぺんにいるハトたちは木の下が見えるところまで移動し、今後の動向を話し合っていた。
「まずは、この木の根元に向かうのだ」
「木の根元……?一応、理由を聞いてもいい?」
一番初めに木の根元に行くと言うショウに対してハトは疑問を覚えた。確かに現在地から近い場所でもあり、行くことに対して反対する理由もない。しかし、なぜ根元なのだろうか。龍というくらいなのだから空を飛べるのだろうし、なんならこの木のてっぺんのどこかにいてもおかしくないように思えるからだ。
「うむ、構わないのだ。我らがいるこの木は世界樹と呼ばれ、霊脈から直接霊力を吸い上げて生きているのだ」
「霊脈って?」
「簡単に言うと、この大地の血管なのだ。それが表出している場所を霊地。そして、霊地こそが神獣の復活地点なのだ!だからきっと木の龍もそこにいるはずなのだ!」
この質問に対してショウは明確な理由と自信を持って返答をした。その理由は神獣の生態を根拠としたものであり、かつ、その自信からハトも納得をした。
「なるほど!そういえば、だから僕もここで生まれたんだね!」
そして、ハトは納得すると同時に自分が突然木の上に発生したことの答えに辿り着いた。
「そういうことなのだ!」
その答えはショウによって肯定され、そのことでハトの中でショウの言っている事への信頼が増した。
こうしてひとまずの目的地が決まり双方が納得したことで、次はその方法についての相談が始まった。
「ということはこの木を降りなきゃだね。どうやって降りる?ショウが登ってきたルートを戻っ......て......」
しかし、その話し合いは一歩目でつまづくこととなる。それは、ハトが自分の口にした言葉の中でショウの言っていることの矛盾を見つけたからだ。これにハトはその動揺を隠すことができずに思わず、言葉が詰まる。
ハトの気づいてしまった矛盾に気づかなかったショウは、呑気にもハトの態度にクエスチョンを投げかける。
「むぅ?どうしたのだ?」
ショウのその呑気な様子に、あ、本当に気づいてないんだ……と呆れながら、ハトはその答え合わせを始めた。
「......ねぇ、ショウはさ。どうやってここまできたの?」
そして、答え合わせはこれだけで済んだ。
「むぅ?そんなの、下から登ったに決まっ......て......はっ!?」
そう。下から登ってきたに決まっているのである!
何かに乗って飛んできた可能性もなくはないが、少なくともハトは何度も休憩をしながらやっとの思いで辿り着いた木のてっぺんに来るまでにそれらしきものを見ていない。
つまり!……そういうことである。
「うん、そうだよね。その時に、木の龍は見なかった......?」
「い、いなかったのだ......」
「じゃあ、木の根元に行く必要......なくない?」
「......うむ。ないのだ......」
「......」
「......」
ハトは努めて優しい口調を心掛け、ショウに確認をして、させた。それはまるで、今にも泣き出しそうな子供に対してはなしかけているかのようだった。
しかし、あまりの気まずさに、さしものハトも言葉が続かない。
その空気に耐えかねたのか、それとも恥ずかしさに耐えかねたのか。それともそのどちらもだろうか。目を伏せてプルプルと震えていたショウが突然、爆発したかのように声を上げた。
「……木の龍はなんで世界樹の麓にいないのだ!?こここそが霊脈が表出している霊地なのに!おかしいのだ!?」
自分の考えが間違っていたことに納得がいかなかったのだろう。先程までの自信からしてかなりの有力候補であったようだ。それのあてが外れたことで駄々をこねるように暴れている。
「うん……けどさ、よく考えたら別に復活地点ってだけだよね。それなら、神獣だって生まれた場所にずっと留まるなんてことはなくない?僕だって木の天辺から降りたんだしさ」
「……はっ!?」
それを見ていられなくなったハトは、そもそもの話をしてショウの考えを正した。納得のいく答えがあればおさまるだろうと考えて。
ショウはそれを聞いてハッとした。なんなら声にも出した。おそらく、自分の間違いを理解し、納得することができたのだろう。
「ショウ......何も知らない、わからない、そんな僕が言うのもあれだけど……これから、大丈夫なのかな……?」
「むぅ……!?だ、大丈夫なのだ!!」
さて、このような有り様のショウのことをハトが信用できるだろうか。はっきり言おう。否であると。
ただ、本人に大丈夫かどうかをたずねただけ、ハトは優しいと言えるだろう。出会ったばかりなのだから、見切りをつけられてもショウに文句など言えないのだ。
「……本当は?」
「……予定が狂ってしまったのだぁ……本当は森の民に見つかる前にささっと会って帰るつもりだったのだぁ……」
「Oh……」
見栄を張って大丈夫と豪語するショウだったが、ハトにそれを一瞬で見抜かれるとそれはそれは弱々しい姿を見せた。
ハトは普段出さないような口調で一言だけ発して、それを呆然と眺める。
今度はハトがハッとして、この状況をどうにか好転させようとして他に何か案はないのかとたずねることにした。
「な、なんか、見つける方法のあてはないの?僕なんかだと遠くから見つけられたみたいだから、神獣なら特別な方法とかあるんじゃあ?」
咄嗟に出したものとしてはとても良い質問ではないだろうか。ハトはそう自画自賛をしながらショウの回答を待つ。
ショウはそれを聞くとゆっくり顔を上げ、ハトの目を見ながらボソリと話し始めた。
「……特別な方法は無理なのだ。生まれたばかりの神獣は大量の霊力を所有していてそれなら探知できるのだ。けど、木の龍は既に生まれてから長い時が経っていて、残った霊力もわずかなのだ。まぁ、そのおかげで速くは動けないはずなのだ。多少のあてだってないわけではないのだ」
ショウは話しているうちに段々と頭が回り出したらしく、声もハッキリとしてきた。問題を解決する方へと思考がシフトしたのだろう。実際、くよくよしていても何も解決しないため、ハトの思惑通り、事態は好転したと言えなくはないものとなった。
「例えば?」
「木の多い方に向かう……とか」
「雲行きが怪しすぎない!?」
しかし、他の案があまりに根拠のない苦し紛れのものであったために好転したとは言いづらいのが現実だ。あまりの代案のしょぼさにハトは絶叫ともとれる声をあげる。
そんなハトを誤魔化すかのようにショウはハトの背中を押しながら訳のわからない言葉を並べて煙にまきはじめた。
「ま、まぁ、そんなに動けないってことはこの霊地か周辺にはいるはずなのだ!とりあえず、予定通り木の根元付近へ向かうのだ!動かなきゃ全て机上の空論!ほら、いくのだ!」
「あ、ちょっと待って!?押さないで!!?落ちる〜!!!?」
ハトは本当に落とされかけ、何かものを考える余裕すらなくなるのだった。
ありがとうございました!
もし、面白いと感じたり、これからも読みたいと思ったりしていただけましたら、ぜひこの下にある☆評価やブックマークなどで応援していただけると嬉しいです!




