塩撒き
誰かは知らないが、唐突に外から叫び声が聞こえる。
「誰か、誰かっ」
誰かを呼ぶ声。
それからすぐに静かになって、周りが騒がしくなった。
翌日に何が起こったかははっきりとわかった。
警察がうぞうぞといて、消防や救急車も駆けつけていた。
誰かが火をつけた、という噂が流れたものの日は見当たらなかった。
分かったのは、殺人事件が起きたということだった。
さらにしばらくして、その家は解体されることとなった。
売主は塩撒きをしっかりとして、平たく言えばお祓いをしたうえで、事故物件として売りに出しらようだ。
誰かが買うかどうかはわからないが、相場よりも安ければ買う人は出てくるだろう。
それがいつになるかはわからない。