♥ 警察署 6 / 取調室 3
マオ
「 やっぱりさ、関節を折るのは…やり過ぎだと思うんだけど…… 」
セロフィート
「 マオ、犯罪者に情けを掛けないでください 」
マオ
「 だけどさ…… 」
呆れた様子で連続強姦魔を見詰めているのセロから視線を外したオレは、床に倒れた状態で痛みに耐えている連続強姦魔に手を差し伸べた。
痛々しくて、いたたまれなくて見てられないんだ。
連続強姦魔が椅子に座れるように手を貸すと掠れた声で「 ありがとう… 」と言われた。
痛みで声迄震えている。
あまりにも小さな声だったから、聞き逃してしまいそうになった。
連続強姦魔?
「 助かったよ……マオく──ぎぃやゃあぁぁぁぁああああああッッッッ!!!! 」
オレの名前を呼んだ連続強姦魔が、突如大声を上げて叫んだ。
マオ
「 えっ?!
ちょっ、何事だよ?! 」
椅子に座った途端に連続強姦魔は、左足を押さえてブルブルと身体を震わせている。
セロフィート
「 君の耳は飾りです?
マオの事は “ ワトスン ” と呼ぶように言った筈です。
2度目はないと思いなさい。
次は火傷ではなく壊死させます 」
マオ
「 セロぉ!!
幾らなんでも、オレの名前を呼んだぐらいで火傷させる事はないだろ!
セロフィート
「 何を言いますか。
マオの事を “ マオ ” と呼んで良いのはワタシだけです。
──取り調べを続けます 」
セロは容赦なく連続強姦魔に質問を続ける。
どうやら連続強姦魔は、【 連続強姦魔事件 】の犯人ではないけど、関係者ではあるようだ。
どう関係するのかと言うと、この連続強姦魔──仮にGさんとしよう。
Gさんは、関係者って言うよりも協力者だった。
Gさんが吐いた内容を纏めると、Gさんは連続強姦魔と親しい関係らしい。
連続強姦魔が目を付けて唾を付けた被害者にGさんが近付いて親しくなるらしい。
親しくなった被害者を呼び出して、いけないお薬── 謂わば、薬物の事だ ──を入れた酒を飲ませて泥酔させた後、連続強姦魔が被害者を強姦するらしい。
Gさんは泥酔して意識のない被害者が連続強姦魔に強姦される様を見ていたそうだ。
終わる迄待っていて、連続強姦魔の至福の一時が終わったら、Gさんは連続強姦魔と一緒に被害者の身ぐるみを剥いで、金品を奪ったらトンズラするのが毎度のパターンらしい。
なんて奴等だ。
最低を通り過ぎてクズだ。
マオ
「 セロ──、コイツの●●●●を2度と使えないように壊死させよう! 」
セロフィート
「 マオが言うなら良いですよ 」
連続強姦魔?
「 ちょっ、何でオレの●●●●が壊死されないといけないんだよ!!
オレは何もしてない!! 」
マオ
「 はぁぁぁぁあ?!
『 何もしてない 』わけないだろ!!
お前、犯罪にガッツリ関わってるだろが!! 」
オレはデスクの上を両手でダンッ──と叩いた。
マオ
「 身ぐるみ剥いで金品パクってたんだろ!!
共犯者の分際で被害者ぶんなよ!!
お前はガッツリ加害者なんだからな!! 」
セロフィート
「 マオ、落ち着いてください 」
あまりにもオレがデスクの上をバンバンと叩いてGさんを責めるもんだから、見兼ねたセロに宥められた。
マオ
「 セロ…。
だけど── 」
セロフィート
「 取り敢えずGさんが警察署から逃走出来ないようにします 」
マオ
「 逃走出来ないように??
何をするんだ?
両足の骨でも砕くつもりかよ 」
セロフィート
「 両足,両腕の腱を切ります 」
マオ
「 へ?
腱を切る?? 」
セロフィート
「 本当なら両腕,両足は切断して、部位を売買事業へ回したい所ですけど、此処は警察署の中です。
切断は出来ません 」
マオ
「 だから腱を切るのか? 」
セロフィート
「 そうです 」