♥ 警察署 5 / 取調室 2
セロは相変わらずのゴーイングマイウェイぶりで何処吹く風だなぁ…。
それからも連続強姦魔は、「 ぐぁぁぁあっ 」とか「 ひぎぃぃぃ 」とか「 ふぅぐぅぅぅ 」とか「 ひいぎゃあああ 」とか悲鳴を上げている。
両目に涙を溜めながら、身体をプルプルと震わせている。
血は出てないけど、物凄く痛そうだ。
デスクの上や床の上に剥がれた爪が落ちている。
何か痛々しい…。
連続強姦魔は辛そうだけど、セロに嘘を吐くから爪がベリベリと剥がれていくわけだから、正直に答えない連続強姦魔の自業自得っていうか……。
同情は出来ないんだよなぁ。
本当に20回も嘘を吐くつもりなのかな??
セロフィート
「 爪はランダムで剥ぎ取れるようにしてます。
次は何処の爪が剥ぎ取れるのか楽しみでしょう?
続けましょう 」
セロの質問に誠実に答えれば良いのに、連続強姦魔は懲りてないのか嘘を言ったりノーコメントをしたりする。
…………馬鹿なのか??
コイツ──、何で態々痛い思いをしたがるんだろう??
痛いのが好きなのか?
痛みが快感に変わってるとか??
もしかして、連続強姦魔ってマゾヒスト??
あぁ〜〜〜あ……とうとう最後の爪が剥がれちゃったよ…。
連続強姦魔は痛みで顔が歪んでいる。
マオ
「 セロ──、爪が全部剥げちゃったけど、次はどうするんだ?
未だ質問内容は残ってるんだろ? 」
セロフィート
「 指の関節を折ります 」
マオ
「 は?
関節を折る?? 」
セロフィート
「 片手には14個の間接があります。
嘘を吐いたり、ノーコメントをした場合、右手の関節は右側へ折りますし、左手の関節は左側へ折ります。
両手で28個の間接がありますから、28回も嘘を吐けますね。
続けましょう 」
セロは鬼だな。
連続強姦魔の顔は絶望色に変わって、両目から光が消えた。
地獄が終わったかと思ったら、新しい地獄が追加で投入されたもんだから死んだ目に変わっちゃったよ…。
悲惨な悲劇だぁ…。
セロは全くブレずに笑顔で質問を続けている。
流石の連続強姦魔も心が折れちゃったのか──、関節を折られるのが嫌なのか──、嘘を吐いたりノーコメントを使ったりしないで素直にセロの質問に答えている。
顔が真っ青で今にも魂が抜け出てしまいそうな危険な状態だ。
取り調べ中に気絶とかしないよな??
セロフィート
「 ──では、次の質問です。
君は【 連続強姦魔 】の犯人ですか? 」
マオ
「 はぁ?
ちょっ──、セロ!
今更そんな質問…… 」
連続強姦魔?
「 ……………… 」
セロフィート
「 嘘を吐いても良いですよ 」
マオ
「 セロぉ〜〜 」
連続強姦魔?
「 …………違う!!
オレは犯人じゃない!! 」
セロフィート
「 事実のようですね。
では、次の質問です。
君は【 連続強姦魔 】の関係者ですか? 」
マオ
「 ちょっ──、セロぉ… 」
連続強姦魔?
「 …………ち…違う…… 」
何度か唾を飲み込んだ後に、連続強姦魔はセロに向かって「 関係者じゃない 」発言をした。
その途端、連続強姦魔は今迄よりも大きな声を上げて叫んだ。
然も、あまりの痛さに耐えられなかったのか、椅子から転げ落ちたぁぁぁぁあああああ!!!!
床の上に背中を付けて左右にゴロゴロしてるぅぅぅぅ!!
連続強姦魔が押さえている指を見てみると、セロの言った通り指の関節が逆方向に折れ曲がっていてプラプラしている。
あれは…痛そうだな…。
爪の時もそうだったけど、関節にも見えない力が能いているみたいだ。
鯔のつまり、これがセロの言う “ 手品 ” のタネだったりする。
“ ミエナイチカラ ” ってのは、ガチ怖だよな。
セロフィート
「 何時迄床に寝転がるつもりです?
さっさと椅子に座ってください 」
マオ
「 セロ……鬼だな 」
セロフィート
「 誰が鬼ですか。
ワタシは手品が得意な謎探偵ですけど 」