♥ 警察署 1 / 廊下 1
オレの名前は【 マオ・ユーグナル 】だけど、現在は「 マオ・ワトスン・シンミン 」と名乗っている。
巷をザワザワとザワつかせている「 セロッタ・ホームス・シンミン 」という謎探偵を名乗っている【 セロフィート・シンミン 】の助手をしている16歳だ。
セロとオレは≪ カスティガコ帝国 ≫の中にある≪ アスルーイ ≫にて滞在中だったりする。
警察が両手を上げて、お手上げした様々な難事件や未解決事件を解決させる為に、セロと協力して担当捜査官の1人ティーバン・セラッピド(32)の手伝いをしている。
セラッピド捜査官は、“ オカルト謎探偵 ” と呼ばれているセロが捜査官として事件に関われるようにする為に必要な相棒なんだけど、セロはセラッピド捜査官を好ましく思っていないのか、常に笑顔を向けて柔和な声で話しているのに刺々しさを感じるような塩対応をしている。
「 そんな態度は駄目だ! 」って言ってるのに、セロは「 ワタシの相棒はマオだけです 」って毎回言うんだ。
嬉しいけど、セラッピド捜査官の前で言うのは止めてほしいもんだ。
今、オレはセロと一緒に警察署の中に居る。
別に警察署へ連行されるような事はしていない。
誓って言える。
滞在していた宿屋の宿泊室で今朝の新聞を読んでいた時に、セラッピド捜査官が血相を変えて駆け込んで来たんだ。
詳しい事情を何も話してもらえないまま、セロとオレはセラッピド捜査官と共に警察署へ来たんだけど……。
解決している事件の報酬額が高過ぎるから文句でも言われるのかな…。
う〜〜〜ん、有り得る。
因みに今は、廊下に設置されている長椅子にセロと一緒に横に並んで座っていて、セラッピド捜査官を待っている最中だったりする。
マオ
「 セロ…。
今回は何で警察署に呼ばれたんだろうな?
疑われるような事でもしたかな? 」
セロフィート
「 それなら待たされる事はないです。
有無を言わさず独房行きでしょうし。
今頃は別々の取り調べ室へ連行されてます 」
マオ
「 だよな〜〜。
じゃあさ、解決した事件の報酬額をボリ過ぎてる所為で呼ばれたかな? 」
セロフィート
「 マオ…、戴いている報酬は正当な額です。
警察署に利用されてあげているのですから、文句を言われる筋合いはないです 」
マオ
「 そだな… 」
セロフィート
「 警察署が報酬の支払いを拒否しても、表に出せない裏金から確り戴きます 」
マオ
「 そだな…。
警察署が裏金を隠し持ってたら駄目だもんな 」
セロの取り立ては人間の取り立て屋より恐ろしいんだ。
支払えない奴に明日は来ない。
両手,両足や両腕,眼球,その他の部位だけじゃなくて、健康な臓器を売買して、貸した金額を回収するんだ。
保存状態が良好で新鮮な部位と臓器は高値で取り引きされて売れる売れる。
笑いが止まらないぐらい高額な値段が付くから、たった1つの臓器で何百万Irも稼げてしまうんだ。
セロは借りた金を返さないで、被害者ぶって踏み倒そうとする狡くて汚ない奴を絶対に許さないし、見逃したりしない。
何処に逃げても必ず捕まえちゃうから、セロからは逃げられないんだ。
今迄に何十人の人間が、セロの臓器売買事業の犠牲者になった事か。
本当にセロは人間に対して容赦ない。
?
「 待たせて済まない!
案内するから僕に付いて来てくれ 」
マオ
「 セラッピド捜査官……。
何処に向かうの? 」
◎ 訂正しました。
セラピッド捜査官 ─→ セラッピド捜査官