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日本国破産?そして再生へ  作者: 黄昏人
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日本、西の守り

読んで頂いてありがとうございます。

 日本は、隣国の韓国がすでに西側を離れ、政治的・軍事的さらに経済的にも完全に中国の影響下に置かれた結果、大陸側を中国、韓国、北朝鮮の3つの敵国に囲まれる結果になった。これは、アメリカ合衆国の承知の上と言うより、彼らの主導の元にそのようになったのだ。


 だから、その代償として日本政府の強い要求の元に、アメリカは改めて日米安保条約の範囲として尖閣列島を含めた日本の実行支配地域に対する防衛を明言し、さらに日本領に対する核攻撃には米軍が反撃する旨を明言した。ただ、アメリカ側も日本に対してより積極的な防衛体制を整えるように要求して、通常戦においては自主的に自己防衛できる程度の武装を求めたのだ。


 その中で、むろん日本側の要求に基づいてではあるが、竹島については日本領であり、韓国が戦後の日本が十分に武装できなかった時期に不当に奪った旨について、米高官のコメントとして発している。これは、すでに敵側陣営になった韓国に対して配慮する必要がないことによるものである。


 結果として、戦後日韓関係に深く係わったアメリカが、竹島の帰属をいわば公式に認めたことになって、竹島領有権の国際的な位置づけがはっきりしたと言えよう。そのコメントを受けて、日本の一部の政治家から武力による奪還という言葉が出るようになった。


 なにしろ、韓国が話し合いによってその帰属を譲る可能性は全くない。またその帰属の根拠に乏しいことは韓国政府自ら自覚しているために、国際裁判所への寄託に応じる可能性もほとんどないし、仮に応じて敗訴しても結果を無視するだろうことはほぼ明らかである。


 今までそれほど真剣にこの問題を受け止めてこなかった日本で、このような政治家からの意見が出るのは、日本海側のメタンハイドレートの採取の技術的目途がほぼついてきたことがある。竹島は、韓国がその帰属権を主張して実効支配している以上、彼らはその領海とその排他的経済水域を主張するようになるのは当然である。


 アメリカが日・韓の関係ににらみを効かせていた間は、韓国もその主張をあからさまにはしなかったが、アメリカから見捨てられた後にはこのことを明言し始めたのだ。


 一方で、日本は憲法をようやく改正して自衛隊の存在を明記したが、その他の条項は変わっていないために、未だに『諸国民の公正と信義に信頼して』という非常識な条文が残って、戦争手段の永久放棄など実戦には無理のある状態のままである。


 ただ、その改正に合わせて96条をも改正したために、国会の2/3以上の賛成が1/2以上になり、その代わりに国民の過半数の賛成が必要になるというように改められた。その意味では、その改正のハードルは大幅に下がったと言えよう。


 その制約の下で、日本と韓国の関係を考えると、韓国人はアメリカから見捨てられた原因を、白政権が責任逃れのために言い立てた“日本がアメリアを焚きつけたため”と信じ込んでいる。また、その結果として、中国経済圏には深くコミットできるようになったが、アメリカをはじめ西側経済圏には露骨に排除され始めた中国と一体視され始めている。


 また、裏でのアメリカの強要に応じた日本の輸出管理の強化に伴って、韓国では最新のDRAMを始め様々なIT関連の部品・材料を入手できなくなった結果、IT関連の生産高がガタ落ちしている。なにより、サラソムなどのそれらの製造を担う世界的な企業が海外に逃げてしまっている。


 韓国はIT製品のみならず様々な工業製品の輸出国であるが、その製品の中核を担う部品は日本からの輸入が非常に多い。組み立てと違って部材の質の選択や製造に長い経験が必要な部品の製造には高い技術が必要なのだ。


 その輸出について、日本は相手をホワイト国から外したものの、短期の審査の厳格化は解除して、しかるべき書類が整えば別に輸出に制限はないようにした。だから、その部分の韓国の輸出は中華経済圏へのものが増えた結果全体としては、ほとんど落ちてはいない。


 とはいえ、アメリカが韓国を去るにあたって、その経済をそのままにするわけはない。IT産業を取り上げるのみならず、日本も巻き込んで金融面での制裁も行っている。この点では、とりわけ資本面で脆弱な韓国経済は、未だ日米の保証の裏づけのもとに国際的な取引が成り立っている。


 具体的には、輸出入の場合の他国との取引の財務保証は韓国の銀行では信用が足りずに、日本の大手銀行がその保証を行っている。だから、日本の輸出管理の強化によって日韓の摩擦が激化した時、その信用状の発行を止めるという話もあったがその場合、韓国の貿易が暫くは止まってしまうことになるのだ。


 日本としては、深刻に恨まれることになるために、実際にはそこまでする気はなかったが、結局はアメリカに強要された形でこのカードを切ることになった。

 このため、暫くの貿易の即時停止によって、2019年から2020年初頭の韓国は官民ともに大変な騒ぎになった。これは、結局は新たな宗主国になった中国に頼り、その信用で切りぬけた結果になり、さらにその首根っこを捕まれることになった。


 そのような事情で、韓国の2019年のGDPは4%減であったが、翌年では7%程度の大幅減にもなって、その後も継続的に2〜3%の減に見舞われている。つまりどんどん貧しくなっている訳であり、韓国の政府の煽動に乗ったマスコミがすべては日本の陰謀と書きたてたこともあって、その恨みは概ね日本に向かっている。


 その結果が、韓国人のビザなし渡航の停止とビザの厳格化、さらに韓国も対抗措置としての同様な規則の改定であり、年間の相互の行き来は数万人に留まっている。だが、実際のところ韓国人の経済状況は海外どころでなくなって、一方では日本人は危なくてとても韓国では出歩けない状態になっており、ビザの必要化は余り意味がないと言われている。


 ちなみに北朝鮮であるが、中国によって金一族を一掃されたのち、完全に中国の一部と化した。これは、中国は、北朝鮮が長く金一族によって世界水準から見て隔絶した施政を続けてきた結果、残された者には効果的な自治をする能力がないと見たのである。その結果、中国の一つの省、朝鮮省として中国人の省長が任命されて努めている。


 韓国についても、中国の中南海では北と一緒にして省にするという話はあったのであるが、IT産業が壊滅的になったとしても、それなりの工業国である韓国の仕組みを壊してしまうのは惜しいという論が強かった。さらには、西側の国として国際的にそれなりの立場を築いている点も、内国化されなかったもう一つの理由である。


 さて軍事的には、韓国は戦車や軍艦など兵器はそれなりに生産しているが、戦闘機はアメリカ製であり、全体としてのシステムもアメリカと共闘することを前提として組まれている。アメリカは、最終的に韓国を見捨てて去ったわけであるが、アメリカの立場からすれば、白大統領体制になって露骨にあらゆる政策に対して裏切ってきた為の当然の措置である。


 いつ軍事的に裏切るか判らない相手は、明らかな敵より危険であるのは常識で、アメリカの措置はある意味当然である。だが、韓国としては様々なアメリカの示唆に従わなかった行為を裏切りという意識はなかった模様で、またいくら意に反する行為をしても、自分の重要性に鑑みれば許されると思っていたようだ。


 さて、アメリカは韓国を見捨てたわけであるが、経済と同様に軍事力に関してもそのままにしておくわけにはいかない。アメリカが管理していた装備はもちろん去って行く際に持ち帰るか破壊しているし、韓国軍との通信リンクは無論切断しているが、韓国軍の運用しているシステムで問題になるのは戦闘機である。


 最新のF-35については、40機販売する契約はしたがずるずる納入が遅れているうちに、アメリカの韓国切り捨てが決まり、結局納入しないままになっている。第1線で働ける機体はF15Kが59機とF16が160機であるが、実稼働する機は半分程度と考えられている上に、今後アメリカから消耗部品を入手できない事を考えるとそれほどの脅威ではない。


 また海ではイージス艦を持っているが、米軍とデータリンクのないものであり、言ってみれば“なんちゃってイージス艦”である。また、このイージス艦を含めた駆逐艦が12隻で、より小型のフリゲート・コルゲット艦を30隻ほど保有しているが、艦齢も新しくそれなりの脅威である。さらに潜水艦も小型が多いが20隻持っているので、その隠密性から警戒すべきである。


 韓国の軍備はこのようにアメリカにとって脅威になるようなものはないが、隣接する日本にとっては厄介なものである。また、韓国軍の装備で最も問題になりうるのはミサイルであり、彼らの持つ玄武ミサイルは800発でその射程は300-800kmに及ぶ。だから、プサンから撃てば楽々福岡には届くのだ。


 このほかに、長年北朝鮮に備えてきただけに徴兵制をひいており、陸軍は戦車1500両、兵員50万人など規模において日本国自衛隊を大きく上回る。とは言え、この陸軍は日本に上陸しない以上は脅威にはなり得ない。


 韓国がいわゆる同盟国であるうちは、戦闘機やミサイルを脅威として考える必要はなかったが、中国圏に入った以上、中国から供与される可能性のある兵器を含めて正面の敵として考える必要が生じた。ちなみに、韓国は今や中国の核の傘に入った格好であるが、中国は韓国に対する攻撃の報復は明言していない。


      ―*-*―*-*―*-*―*-*―*-*―*-*―*-*―*-*―*-*―*-*―*-*-


 風間3尉は矢立山レーダーサイトから、対馬海峡を見下ろしながら、部下の佐川陸曹長に話しかけた。

「佐川さん、大分韓国側はきな臭くなってきましたね」

 防大卒で26歳と若い風間は概ね年齢で2倍の部下の48歳の佐川に話しかける。彼らの間では私的な話は“さん”付けで相手を呼んでいるが、業務上の話は名に階級をつける。


「ああ、風間さん。あの連中はキチガイだな。この前、韓国の大統領府の補佐官がこの対馬が歴史的に韓国のものだと言って、それをマスコミ、国民がはやし立てるのだからなあ。まあ、竹島は元々小さい無人島だからお互いに関心が薄かったせいで文献も少ないから、彼らが言い建てるのも解らなことはない。

 しかし、さすがにこの対馬は山ほど文献もあって、実際に日本人が住んできているのだから、どこをどう言っても日本のものであることは明らかですよ。それを、持ち出す政府は意図があってのことでしょうが、それを検証なしにはやし立てる彼らのマスコミもひどいものです。

 ですがそれ以上にひどいのは、それに迎合する韓国人で、まったくお粗末としか言いようがないですな。流石にこの件では、日本の左巻きのマスコミもだんまりですね」


「うん、あの調子ではこの対馬への攻撃もありうるね。その意味では、この矢立山にレーダーサイトとそれにコントロールされるミサイル基地を周辺に作ったのは有効だな。結構な大工事だったけど計画から2年で完成したのは我が国としてはずいぶん早かったよね」


 そう言って風間は、管理棟から背後の標高約640mの山頂に立つ、直径10mほどもある球形のケーシングに包まれたレーダーを心の中で描き、窓から緑の山腹に曲がりくねった険しい道を刻んでいる侵入道路を見おろす。ミサイル基地は近隣の山地の6カ所に分散されて隠されているが、レーダーはその性質から隠しようがないので、代わりに多くの迎撃ミサイルで守られている。


 このAES-2型レーダーは、日本の近年の情報技術の粋をあつめた最新型であり、走査範囲を絞ることで、800kmまで精度よく探知でき、雨や霧による障害があっても500km程度の探知は可能である。対馬の位置で高さ640mにレーダーを設置できたので、海面上で100kmの視距離を得られる。


 これは、レーダー波は直進するので、100kmまでの距離(大体プサンの距離)であれば、発射の瞬間にそのミサイルを探知できることになり、迎撃も当然より有利である。100kmの距離があれば、短距離弾道ミサイルの速度は発射後の加速が必要なこともあって1㎞/秒以下なので、到達迄100秒程度を要する。


「ええ、有効ではありますが、近いだけに狙われる可能性は高いですな」

 風間の言葉に佐川が応じる。


「確かに、もし韓国軍がこの対馬占領を狙うとすると、まずこのレーダーサイトが第1目標ですな。ただ、混乱を狙って福岡辺りを狙うかも知れない」


「しかし、風間さん。米軍は非公式にですが、韓国軍に対してもし韓国軍が日本領土をミサイルで狙うような行動を起こす、または実際にミサイルを発射したらその発射基地に報復すると宣言していますよね。それでも、実際にミサイルを発射するでしょうか」


「うん、米軍の韓国への非公式通知は有難いね。自衛隊は、憲法の制約で予防的な攻撃を禁じられているし、攻撃されてからミサイルへの迎撃は無条件に許されても、発射地点への反撃は上層部の許可の上だからね。その点を、この近くでは板付の米軍のミサイル基地がカバーしてくれるのだよ。

 ただ、それで韓国が思い留まるどうかは怪しい面がある。いま想定している韓国軍のミサイルだったら、基地の場所も判っているし実際に動きがあると事前にわかる可能性がある。しかし、いま韓国は中国の核の傘に入ると共に様々な機材も供与というか売りつけられる立場にある。

 だから、例えば空母キラーと呼ばれるDF-21何かを供与されていれば、そして使い捨ての基地から発射すれば、有効な打撃を与えられると思っている可能性がある」


「でも、風間さん、仮に相手がDF-21でも落とせるのでしょう?」


「ああ、新型のGZ-882 ならロフテッド軌道で突っ込んで来て、最終速度秒速5kmにもなるDF-21でも落とせるはずだ。あれは広範囲の破片効果で落とすものだから、ジャストポイントで当てる必要はない。そもそも直径わずか60cm足らずで秒速3㎞〜5㎞で突っ込んでくるミサイルを当てて落とすなんで無理だよな。

 でも、韓国軍、いや中国軍もわが自衛隊のGZ-882 の機能は知らないはずだ。だから、自分たちの攻撃が有効と考えて攻撃してくる可能性はある」


「あれと同じですね。そら、戦艦大和のスペックを米軍が知っていれば、開戦はなかったという説があるのと。でも、GZ-882のスペックを公表したら、開戦は遅れるかもしれないが対策されてしまうからしょうがないな」

 そのように言う佐川陸曹長であった。


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