2024年、東アジア軍事情勢
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2024年、日本の令和所得倍増計画(RIDP)は第1次5カ年計画を終えて順調に推移している。GDPの成長率は目標の名目5%を達成しており、それに応じて企業の業績の向上に応じた税収も順調に伸びて、プライマリー・バランスを達成した。つまりこれ以上の国債総額の増加はなくなるところまで来たのだ。
このように、概ね30年の経済停滞を経て、突然成長を始めた日本経済は世界の注目の的である。そして、その成長がRIDPによることは、世界的にも知らぬものがない状態になっており、経済の停滞に苦しむ国々が多い中で、自国にも取り入れようとして多くの国で深く研究されている。
むろん、隣国になる中国においてもその通りであり、すでに実質経済成長率がマイナスになりつつある中国においては、文字通り自分たちの政治生命どころか命がかかっている。この国は、次々に西側の研究機関やメディアにその経済の実態を暴き立てられて、もはや隠ぺいする意味がなくなり、中国政府は2021年からその真実の年間の経済成長率を発表するようになった。
このことは過去の経済成長が偽りであったことを裏付けるもので、それは現在のGDPが大幅に過大であることを意味している。とは言え、中国政府は流石に2021年時点のGDPの値を訂正することはできなかった。しかし、発表したデータが分析されて、海外の様々な機関やメディアから様々な推測値が発表されて、収拾がつかなくなった。
中には日本より下という推測もあったが、中国は発表値の約16兆ドルに固執した。だが、世界的な評価はその値は大嘘であって、いいところ12兆ドルだろうと言われている。その後は、中国政府の年次の経済成長率の発表は、締めた日の1.5ヵ月後などと言うバカげた早さではなくなり、速報値が3ケ月後、正式な値は半年後に発表されるようになって、概ね実際の集計に必要な期間は確保できていると見做された。
中国には人民の不満を抑えるためには、少なくとも8%の成長が必要という時代があり、その数値を作るための粉飾が長く続けられてきたわけである。それが、2021年に真実の値を発表するようになったわけは、一つには客観的な数字から推測される数値から余りにかけ離れた発表値になって、国際的に揶揄されるようになったことが挙げられる。
そのため、西側経済とどんどん距離を置く中で余り信頼されていなかったものが、ますます信用がなくなってきているのを自覚せざるを得なくなってきた。他の大きな理由は、先述したように国民の監視システムがほぼ完成して、紛争・反乱の頻発を防ぐことができるめどが立ったことが挙げられる。
しかしながら、これは一面で見れば中国という国が、国民の一人一人がほぼ完全に監視され、コントロールされるディストピアと化したことを意味し、中国の国民にとっては大変に不幸なことである。このような社会は、当然において極端な格差社会にならざるを得ない。と言うより特権階級の利権を守るためにそのような監視とコントロールを行うのだ。
しかし、その格差は少し前の汚職による一部の役人とその一党の富の極端な蓄積から権力に移っていった。日本人から考えると、汚職という危険を冒して、一生かけても使いきれない数千億円にも達する蓄財するということは意味が判らないが、それは結局蓄財にしか頼るものがないこと、また自身の国またはシステムを信じていないことを表している。
それが、ほぼ完全な監視社会の完成をもって、選挙というシステムを持たない国における権力を持った側は、今後半永久的に国と社会を自分たちの思うようにコントロールしていくことができると確信した。そして、そうなればもはや過剰な富は意味をなさなくなってくるのだ。
そこで、権力者は最後までタブーであった銀行・財務等の金を巡るシステムの監視も始めるようになったのだ。その時点で、権力にある側の者は自らの過剰蓄財は大部分を国庫等に返還しているが、権力を持たない者の資産は容赦なくほぼ全額ははぎ取って国庫に返上させている。
この結果、中国政府の財政は一気に好転したが、実際のところは余りに悪い財務状況を隠ぺいする必要がなくなったことに留まる。とは言え、このように中国の指導者・権力者は、自らの国民を恐れる必要がなくなった結果、少なくとも経済については、ほとんど正確な情報を出すようになっており、以前よりずっと透明性の高い政策を実施している。
2024年の中国のGDP発表値は16兆ドルであるが、誰も信じる者がおらず、推定値は10兆ドルから12兆ドルであり、アメリカは22.5兆ドルなのでアメリカの半分以下であるが、世界の2位であることは変わらない。
ちなみに日本は3位の7兆ドル(100円/ドル)である。また中国の成長率は若干下がり気味であり、今後大きく伸びる余地はないとみられており、10年以内にその総額は日本に再度抜かれる可能性もあるとみられている。
そのように経済的に化けの皮をはがされた格好の中国であるが、対外的に強気な姿勢は変わっておらず、軍事的に周辺諸国を圧迫する姿勢は相変わらずである。従って、軍事費は大きくは増やすことはなくなったが、2千億ドルを超える水準であり、日本の約8百億ドルを大きく凌いでいる。
一方で、アメリカは中国の経済減速をみて軍事支出を少し減らしているが、それでも約6千億ドルであり、中国の3倍にもなる数値になっている。
中国は、過去5年は宇宙の軍事利用に力を入れており、衛星による監視・通信ネットワークに注力をしている。それは、海軍の艦船及び空軍の航空機、さらに多数の弾道中距離ミサイルの管制を行うネットワーク化を進めており、とりわけ海洋部分では侮れないレベルになっていると言われている。
この中国の動きに触発されて、アメリカも日本、ヨーロッパと共に宇宙への軍事展開を進めており、とりわけこの部分で圧倒的にテクノロジーの先進性があるアメリカは、すでに中国の宇宙部分での優位性を消し去ったと言われる。
その意味では、中国が西側の技術から切り離されたことの影響は、過去5年でどんどん大きくなっており、近いうちに技術的な覇権を握ると言われた中国の通信・制御分野のレベルは、相対的に殆ど進歩を見せていない。むしろ、西側諸国との協力を元に、この分野での研究投資を増やしてきた日本が、一度は凌駕されたといわれたITC生産技術で再度逆転したというのがもっぱらの評価である。
そうは言っても、予算が大きく上回る中国は、日本にとっては大敵であり、しかも未だに尖閣列島及び沖縄諸島に対する圧力を緩めることはない潜在敵国である。しかしアメリカは、自国を上回る経済成長を続けており、TPP加入諸国への投資のアメリカに続く出資者である日本を、最も重要なパートナーと位置づけ中国のみならず世界に対してその旨を公言している。
これは、主として核に対しては日本自身の防衛の努力を求めつつ、それでも足りない部分はアメリカが対処、つまり報復するとの宣言である。ただ、日本の防衛費の増大に応じて、通常戦力に関しては日本が自ら防衛に当たるべきという姿勢に転じており、尖閣列島に対しても防衛に協力するというコメントは出していない。
それもあって、日本本土のアメリカ駐留軍は徐々に削減されつつあるが、その典型的な動きが普天間基地のグアム移転である。ほぼ完成した普天間基地は、地元の要望を汲む形で自衛隊基地になって、増強された自衛隊が配置されて沖縄本島のみならず離島を含めた防衛基地として機能し始めた。
日本の自衛隊に関しては3兆円ほどの予算増となったが、増加した殆どの予算を防衛ミサイル整備に使っている。その結果、日本列島は質量共に圧倒的なミサイル防衛網に覆われることになったが、このことも米軍が駐留軍を削減することになった原因になっている。
軍事的には大国視されてきたロシアであるが、さすがに経済の不振によるその兵器体系の劣化が隠せなくなってきた。この国が大国として遇されてきたのは、主としてソ連時代に整備した膨大な核ミサイル体系の存在があり、弾道弾の数のみとればアメリカを凌駕すると言われてきた。
しかし、近年になってイギリスに亡命したロシア人のミサイル技術者が、8千発を超えるロシアの弾道ミサイルは大半が使い物にならないという点を暴露して、西側諸国の推測を裏付けてしまった。これは予算の不足によるもので、必要なメンテナンスや寿命を超えた部品や重要機器の交換、さらには本体の更新を続けていられなくなったのだ。
電気や機械製品は、必要な潤滑油の注油を続け、薬剤の交換も行いつつ寿命の短い部品を定期的に交換していくことでその機能を保つものである。その意味で、弾道弾などの部分的には極めて高度かつ精密な設備については、頻繁な整備・チェックが欠かせないし、通常は20年を超えると更新する必要のある設備が増える。
しかも、核爆弾は核分裂物質が常時莫大な熱を発しているため、絶え間ない冷却が必要になるうえに、放射線を発するために周辺の部品等の劣化は早く進む。その意味で、核ミサイルの機能を適切に保つための費用は非常に大きなものになるはずである。
なにより、20年から30年の寿命を終えた時の更新費用は極めて大きい。軍事力維持をミサイル体系に絞っても、その負担に1.5億人の人口に対してGDPが僅か1.6兆ドルのロシアが耐えられる訳はないのだ。その結果、ロシアでは、優先順位をつけて機能を保持するものと、廃棄するもの(但し発表はしない)をより分けている。
その亡命したロシアのミサイル技術者は、その廃棄したものと生きているもののリストを持ってきたために、ロシアの生きている弾道弾数は1500発余と知られてしまった。そうは言っても、その数は依然として中国を凌いでいるのでロシアは核大国の地位は保ってはいるが、アメリカに伍してとはいかなくなった。
その経済力を憂いて、ロシアのガリヤーク大統領が日本の阿山首相に北方領土返還をちらつかせて平和条約締結を働きかけたのは、何とか日本をシベリア開発に引き込んで自国の発展を促したかったのだ。それが失敗に終わったのは、両人ともに強欲なロシア人の領土へのこだわりを読み違えていたということだ。
しかし、殆ど停滞しているロシアの経済を考えれば、海外からの資本導入は必須であるが、すでに経済が停滞している中国は頼れず、経済が順調に成長している日本に眼が向くのは当然である。そのためガリヤークに代わったロマノフ大統領が、再度日本に平和条約の締結を呼びかけて来たところである。
その意味では、ロシアは依然として核戦力を持った力のある国であるが、日本に対してはそれほど危険な国でないと言えるであろう。
韓国であるが、韓国は北朝鮮と共に完全に中国の傘下に入った。日本、アメリカ共になかなか付き合いに苦労する朝鮮民族であるが、さすがに2千年余も傘下において支配してきた中国は一味違って、まず脅し付け、甘い顔を見せないことで、意のままに扱っている。
韓国は、中国により深く入り込んものの、一方で半ば西側から切り離されすでに停滞期に入っているために、過去5年間そのGDPは全く伸びていない。しかし、軍事費は中国の指示によって年間5百億ドルを費やして、主として海軍戦力を整備して、中国の北海艦隊の一翼を担う役割を担うようになった。その意味では、日本にとっては対馬海峡と日本海を挟んで、敵性国とにらみ合うようになったわけであり、その方面が軍事的には日本では一番危険な地域になったわけである。
なお、韓国の海軍は仮想敵国であった北朝鮮に対するには如何にも不釣り合いなもので、どう見ても日本を仮想敵国として考えているとしか考えられない構成であった。この点では、かつて韓国空軍はアメリカに対して空中給油機の購入を持ち掛けたのだが、その理由をアメリカに聞かれて『東京を爆撃するため』と答えて断られたことがあると言う。
そのため日本の、壱岐・対馬、隠岐の島及び佐渡島などの島嶼及び日本海側の本土には、針ネズミのようにミサイル網が張り巡らされており、常時衛星に監視されている。そのミサイル部隊には米軍も加わっており、防衛のために韓国・北朝鮮の本土へ先制攻撃が必要になった場合には、彼らが実施することになっている。
これは、憲法改正によってその中身に自衛隊を含めてはいるものの、防衛のためと言えど敵本土の先制攻撃はできないということからの苦肉の策である。なお、韓国の艦隊が加わった北海艦隊が、日本海側の日本領の脅威になることはないと考えられている。
これは、衛星からのコントロールも可能で、速力がマッハ5に達して射程が500㎞にもなる、先述の日本海側のミサイルシステムを潜り抜けられるような艦艇はあり得ないからである。
北朝鮮に関してはその核はすでに失われたが、ノドンなどのミサイル体系は残っており、中国の援助の元に未だ維持はしている。この点は、韓国も射程800kmの短距離弾道ミサイルと1500kmの巡航ミサイルを持っており、日本への危険性は同じことである。これらのミサイルに対してはアメリカがすでに十分なデータを持っていて、迎撃は完全であると自信を持っているので、その情報は日本も持ってすでに迎撃網は完成している。
ちなみに、アジアにおける軍事情勢であるが、対中国ということで国際的なリンクがアメリカ、日本、オーストラリア及びインドの間でできており、それに準ずるのがベトナム、インドネシアとフィリピンである。
日本は、安価な兵器としてインド、ベトナム、インドネシアとフィリピンに対してややグレードを落としたミサイルの配備の援助をしている。軍用艦艇や戦闘機や爆撃機といった軍備は極めて高価であり、その維持も容易ではなくコストも高い。一方でミサイルは携行型のものもあって相対的には極めて安価であり、運用にはそれほどの技術も設備も不要である。
また、性能もセンサー・通信及びそれを受けてのコントロール技術の急激な発達のために、コストが劇的に下がって、一方で精度が極めて高くなっている。
日本の自衛隊がミサイルに注力した理由はそのことを受けてのことであり、防御に徹するなら高価な護衛艦や戦闘機を増やすよりミサイルの配備ヶ所とミサイルの数を増やした方が経済的と読み切ってのことである。
さらにミサイルは、迎撃が適切にできれば戦死・戦傷の可能性が小さいこともこの方針の後押しになっている。




