大型免許を取りたいらしい
姉が急遽運転免許を取ると宣言した。
運転免許証を取得するため、取得可能な人は全員参加(強制)を決めた姉。一気に行うのは危険と判断して3班に分けて行うこととしたらしい。
1班は、ヘレン・ニック・レナ・ハンス・アンナ。
2班は、ジョン・マリー・イスパハン・姉。
3班は。ボブ・キャロル・ルーシー・私。
順番に交代で合宿に行って貰い免許取得することが、新年初の課題である。
無事免許取得出来た者には、毎月特別手当が加算される。
資格取得の補助として、免許取得に必要な費用は全て会社の経費で落ちるようにした。
「じゃあ、アンナの班から行って貰おうかな。全員大型免許取得目指すで!」
超面倒臭いって顔をする私に
「アンナ班が終わったら、留美生班が行って貰うしな。最後は私の班や」
「まあ、ええけど。全員に運転免許証を取得させても意味なくね?」
誰か1人、2人取得でええやんと言えば
「チッチッチ! 全員車の免許が取れれば、車買えるやん。そしたら、大勢での移動も可能になるやん。これ、結構重要やで? 移動が楽になるし、運転疲れしたら交代も出来るしな」
指を横に振りながら、ドヤ顔で答える姉を蛆虫を見るような目で見た。
「言いたいことは分かった。要は、大移動出来るように楽したいんやな」
姉の言い分を簡潔にまとめたら合っていたのか、うんうんと姉は頷いている。
「こっち(サイエス)とあっち(地球)の行き来は、パンジーがスペアキーを持ってるからパンジーに開けて貰って」
「分かりました。準備が出来次第、出発します」
「頼むわ。何かあったら、携帯に電話して。留美生は、今日どうすんの? お守りも結構順調に売り上げてるんやろ?」
神社は大盛況ににぎわっている。治癒院も兼ねているし、そちらも繁盛しているのは報告してない。鑑定とお守り目当てで参拝する者も多いので、此方も特に問題視する必要もない。
お守りなどは全完売なので毎日の補充を怠らないように頑張っている所である。
「まあな。付与師が育ってきてるから、量産も可能やけど求める人が多すぎて追いつかへん状態やな」
マーライオンもウザいし、勢力削るなら
「その問題については、ハルモニア王国全土に神社建て捲って解消するしかないな。各領の主都に神社を建てればええんとちゃう?」
「ご神体に天罰下され取る貴族の領には置かん方向で進めた方が良くないか?」
「せやね。罰当たりな事をした領主として、領民から恨み買えば面白いな」
お守り完売も軽減されるだろう。
「今日は、キヨちゃん連れて神社を視察するわ。留美生はどうするん?」
「リオン達連れて不用品回収や」
不用品という名のお宝を回収しまくっている。
若手の細工師や鍛冶師の卵に、アレンジを加えて売りに出している。
全ての品にCremaの文字を入れている。
流石に留美生印は入れる事は出来ないが。
それでも元が良いものなので、結構な値段で売買されている。
見習い諸君には、衣食住+給与が与えられている。
見習いなので普通の人よりは安いが、散財しなければ貯蓄できるくらいの額は渡している。
将来独り立ちするもよし、Cremaの正規従業員になるも良し。
それは、本人に任せている。
「問題が起きそうなら念話してや」
「了解」
こうして私はリサイクル品として出された屋敷を神主として浄化する事になるのであった。




