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琴陵姉妹の異世界日記if  作者: ガンバル。
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出国予定??

「アンナ、暫くハルモニア王国を離れるわ。その間、悪いんやけどCremaくりまの社長代理になってくれん? 勿論、手当は出すし」

 朝食の席で世間話をするよう姉がアンナに頼み事をしよった。一瞬固まったアンナやけど直ぐに解凍され

「行き成り何を言い出すんですか!? 折角軌道に乗り始めたばかりなんですよ」

ギャウっと吠えた。

「一度軌道に乗ってしまえば、後は操縦を誤らなければ大丈夫。それに、化粧品セットの後任は育ってるし問題はないやろう。最悪、念話を使えば万事解決や」

 ズズッと味噌汁を啜りながら、ちらりと私を見る姉。

「あんた、神職のスキルを持ってる人らをある程度育て終わってるやろう。以前からドワーフの洞窟に行きたい言うてたやん。各地に自宅購入しておけば、いつでも行き来できると思うで。それに神社建て捲ったら面白いことになりそうやん?」

「あー……マーライオン嫌いやもんな。マーライオンの威光を潰しつつ、神社を立てて信仰を集める魂胆か。ええんとちゃう? でも、ドワーフの洞窟ってどこにあるか分からんやん。大体、この世界は人間至上主義やし」

「イスパハンなら知っとるんとちゃう?」

 イスパハンに話を振ってみると、

「知っているが、案内となると難しいぞ」

と苦い顔で返された。

 まあ、そうだよね。

 手土産には何が良えかなぁ!?知的好奇心旺盛なドワーフが機械解体しているのが目に浮かぶわぁ。

「人種差別が激しいこの世界で、行き成りドワーフの集落に押し掛けたら警戒されるわな。まあ、その辺りはイスパハンの交渉力にかかっとる。まあ、無理ならサクッと諦めて違うところに行けばええし。基本拠点はここやけど、他にも拠点はあった方が良い。一ヵ所潰れても、崩壊しない基盤をあっちこっちに作ればええだけやしな!」

 慈善事業の延長で作った神社は殊の外成果を上げている。

 特に力作の御神体は身分問わずに無礼者に天罰覿面やからな!姉が何を考えてようと私は全力でマーライオンを潰すだけやで!!

 Cremaクリマの偉業と神社建設に孤児院設立と色々とあったけど、世界に布教させたら楽しい事になりそうや!

「大体、人間至上主義ってのが気に食わんねん。他者と違いがあるのは当然やし、それを攻撃材料として正当化してるのが気に食わん! まあ、この国を出る前に各領を回って神社兼家を建てまくるで。本格的な出国は、もっと先になると思うけどな。どうしても付いてきたいなら、早急に自分の後任を育てることやで。私は、アンナが後任やから!」

「アンナ、諦め。姉は言い出したら聞かん」

 私の言葉に絶望するアンナ。

 しかしアンナは強かった。

「分かりました。早急に、私の代わりを務められる者を探します!」

 姉よ、アンナを甘く見てると思う。きっと短期間で優秀な人材が育つわけがないと高を括ってるんやろうなぁ。アンナは有言実行やさかい後任を見つけてくるで。




 流石アンナやなぁ。約束通り、アンナは自分の後任を見つけてきたで。

 キャロルとルーシーです。

 ルーシーは暗記→完全記憶、キャロルは暗算→演算へスキルが変化していた。

 そして商人のノウハウを叩き込み、2人で一人前と判断し、それぞれに社長代理補佐の肩書を手に入れました。

 此処までするやろうなって検討が付くのに何で姉には見通しが出来へんかったんか不思議やわ。

「これで私も同行出来ますね!(キラッ☆彡)」

と良い笑顔で言われた時の姉の顔が見物やったわ。ざまぁ!!

「あ…うん、ソウダネ」

「アンナも加わるとなると、車で移動出来た方が良いから、車の教習合宿に応募した方が良いかな」

「日本の公道を走るのは、かなり嫌なんやけど。免許があれば車買えるしな。これから移動する時に、使うのも良いと思うで」

 長距離を大勢で移動するならワンボックスカーに乗れたら楽だ。最悪、誰かが大型免許を取ったらトラックかバスを購入して移動したら良えやんと思っている。

「じゃあ、車の免許が取れる年齢の人は全員で免許取りに行くで! チルドルとジャックは連絡係な。こっちで何かあったら即連絡。スラムの若い連中が義勇兵になって巡回しているから、そう面倒なことは起きんと思うけど」

 憲兵は当てにならんので、お金で募集を掛けてみまたら、結構釣れました。

 規定人数より多くの応募があったので、実地訓練と称したブートキャンプを決行し、篩を掛けて残った60名が姉の私兵になっている。

 主にスラム街の治安維持のため、巡回及び荒事の解決をして貰っている。

 姉や私が目にかけている人=出世コースのエリート集団という構造が出来ているらしい。

 まあ、スカウトする殆どが一芸に秀でている者達なので灰汁が強い。

 それを纏めることが出来るアンナは凄いよ。

留美生るみな、孤児院の事はどうするん?」

「リオンがおるから大丈夫やろう。孤児院のまとめ役やし、何かあったら連絡するようにスマホ渡しておいた。1時間で使いこなしてたで。ソーラーパネルの充電器も用意しておいたから大丈夫」

「何で勝手に渡すねん! この世界ではスマホ自体が超文明なんですけど!!」

「ええやん、別に。リオンは私の下僕やし。スマホをどうこう出来る技術はないと思うで。それに構造を知らんとバラしても使えんガラクタや。それを軽々しく扱う人間やないから大丈夫や」

 私の駄目押しに姉はガックリと肩を落とした。

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