貴族版神社を建設してみた
マイクを神薙の服に設置して、私は歌い踊り狂った。
因みに踊りは神楽舞である。祝詞の合間にオーロラヒールの連発、ウギャーとかグギャアアアアアアアなどのバックミュージックは無視して歌う歌う。
最後はイーリンとジャックのエキストラルヒールで留めを刺した。それぞれ巫女と神薙の衣装である。
「ふっ、終わったわ。」
悪霊退散するって名目で天照大御神神社から出動した私等。見物人が沢山おる中でのパフォーマンスや!!
お銭々(おぜぜ)で解決します!瘴気噴出する元も綺麗サッパリと消したので、後は屋敷内に入ってパッパとお祓いするだけである。まぁ、お祓いってまでもないが生き残りはシブトイので武器でタコ殴りにして昇天させるで!!
「イーリン、ジャック、部屋の中を見て回って来てや。ヤバそうなのおったらコレをぶっ掛ければ良えで!」
二人は勢い良く屋敷の中にサッサと入っていった。他に付いてきている巫女や神薙達に四方に酒を撒くさかい御神酒持ってきてなぁと言いながら屋敷の四方を酒撒いて歩き回った。
ゾロゾロと見物人も引き連れて神事お祓いverをやったのであった。
さて綺麗綺麗された屋敷には、Cremaから派遣された大人達と孤児院の子供達で屋敷の修復作業を行っている。
神社は除霊の依頼が殺到しているらしい。除霊出来るレベルのは、適任の神薙や巫女に任せるが、難しい場合はお断りを入れるようにしてある。だって人手が足りないし、いつも私が出動出来るってわけじゃないからね。
神社でも手に余る物件は孤児院に回ってくるようになっているが、私が此処を離れる前にイーリンかジャックにオーロラヒールを覚えて貰おうと思っている。
神社で働きたいと面接に来る人々も多くなり、素養持ちを雇い入れし留美生式ブードキャンプを行った。
貴族出身であろうが容赦はしない。筆頭神薙や巫女になればその辺の上級侍女よりも給与は高い。またお祓い任務を受けたら危険手当が付くので今や王都での人気職の一つに伸し上がっていた。特に貴族の三男、四男あたりは就活に必死なんだそうな。
貴族風の神社に仕立て上げ、お守りとかは一般と同じにし、お布施は金貨1枚から貰うのだ!お布施のお礼に香水のサンプルを渡す。勿論付与付きである。男性は5種、女性10種とそれぞれ違う効果を出す物である。これはCremaの新商品先行販売の物であるという事も言付けしてある。
「留美生様、御神体は何処に置きましょうか?」
「せやねぇ、ベリック。一番最初の部屋にするわ。どうせ欲塗れの豚共が吹っ飛ばされるんを見る良え機会やろうしなぁ。」
ニヤっとケケケと笑う私にベリックは
「盛大に吹っ飛ばされたら良いんです。出禁の二文字は貴族界でも恥になりますからね。」
いつも吹っ飛ばされている貴族・豪族を見て笑っている猛者である。
「ベリック、此処の神主として活躍してなぁ。アホゥほざく奴が居ったらプライド事ズタズタにしたりぃ。叩いて伸ばすんが良い育成方法やで!下町の方はミレイアが後任として着くさかい安心して良えで!」
「彼女なら安心ですね!貴族側でも豆撒きとかしますか?」
下町向けの行事ですし、と尋ねるベリックに
「一応、行事やしね!鳩さんに流しとくわ。別にこっちに一般人が来ても問題はないさかい余った分を下町に回しても良えで!その辺はミレイアと相談してや。ま、行事の成功するのを楽しみにしてるわ!」
「景気が良くなりますねぇ。」
人畜無害そうに笑うベリックが一番が一番敏腕なのであった。
こうして私は貴族版神社を建設に成功したのであった。




