やっぱり神社と言ったら祭りやで
「アンナー2月の神事をするさかい予算出してー」
姉よりはアンナの方が金を融通してくれるのでアンナに集る事にした。
「神事はどんな事をするんですか?」
「2月の神事は2月1日の初午大祭と2月3日の節分やな。節分は豆撒きして邪気を追い払うんや!初午大祭はお揚げや稲荷寿司を食べて豊穣を祈るって感じやな。でも初午大祭先にしたら3日の節分で豆が余るさかい初午大祭は15日に実施しようと思うとる。巻いた大豆を回収して豆腐や厚揚げ、稲荷寿司にしてお神酒と一緒に振る舞うで!だからコストもそんなに掛からへんし、マーライオンの悔しがる顔が見たい!!」
アンナが少し考えて
「初午大祭には参加費を少なからず取りましょう。参加費銀貨3枚はどうですか?」
金額を提示してきた。
「高い!銀貨1枚や!」
「でも元が取れませんよ?」
「チッチ、食べ物で元を取るんとちゃう。お賽銭とお守りで元取るんや!広告にもなるし、良え宣伝できるで?留美生印のCrema広告代と思えば安いと思わん??豆撒きにはCremaのサンプルを持ち帰り用の豆に混ぜるねん。お試し用な!専用の小さい容器は作ってあるさかい、孤児院の子供達総動員でやるから手間賃要らんで!!」
私のプレゼンにアンナはグラっときたようで
「それは良いですね。ですが一応、レン様に報告しましょう。私も一緒に説得しますので安心して下さい。」
姉に言葉添えしてくれると約束してくれた。
アンナと一緒に姉の所に押し掛けた。
「2月の神事するからお金くれ!あと心理カウンセラー常駐させたいから心療内科の参考書と辞典くれ!勉強させて常駐させる。まぁ、教会の懺悔の進化版やで!!しかも適時にお薬も出せるし、マーライオンが悔しがるわw」
「私からもお願いします。これ見てください。」
アンナが見せた、私のサンプル容器に姉が飛び付いた。
「ギャーーー何この可愛い容器♡」
「2月の行事で留美生様より初午大祭と節分があると聞きました。その際、先に節分をして初午大祭をしたいとの事で、節分の持ち帰り用の豆にCremaのサンプルを入れてCremaの広告にするそうです。初午大祭も節分で使用した豆を使って稲荷寿司や厚揚げ、豆腐やお神酒を銀貨1枚で振る舞う予定です。Cremaの宣伝にもなりますし、此処はお金を出すべきかと思うのですが如何でしょうか?」
「ええで!その代わり留美生はトラベルセットの容器1万セット作ってな!!」
姉の言葉に
「何でやねん!!トラベルセットって誰が使うんや!?無駄やろ!?こっちだって宮司として参加するねんで!作る時間ないわっ!」
滅茶苦茶抵抗するも
「お金出さへんで?」
出資しないって言われたので渋々了承した。クソぅ姉め、足元みやがって!!
「で、出資者としてCrema代表で出て貰うで。あ、王家の方々には来んといてって通達してや。庶民の祭りやし!キラキラしいのが来たら皆ドン引きするさかい。」
「まぁ、それはそうやな。てかCremaの代表って出なあかんの?」
嫌そうにする姉に
「出資者の顔を覚えて貰う良え機会やで!出資者のCremaの奉納のぼり旗はバッチリ作成してあるからな!!Crema以外でも出資したいって所があれば姉が吟味せんとあかんねんで!まぁ、出資しても得は宣伝ぐらいしかないけど。」
バッチリ作成してるからと伝えたら諦めたようだ。
「まぁ祭りは庶民の社交の場やしな。四季折々の行事するんか?」
「まーな。夏になったら浴衣と甚平を普及させるで!浴衣と甚平は地球で量産したのをこっちに持ってくるだけにするわ。特注希望ならお布施の値段が高くなるだけやし♡」
お賽銭や祈祷代、お布施だけでは運営できないのでイベントを増やしつつ、出資者を募るのだ。姉の私の想像を理解しているので此処は文句ないらしい。
「それ良えな。夏になったら従業員全員に浴衣と甚平で接客させても良えわ。」
お銭々(おぜぜ)を数えだした姉に今後のイベントも出資してくれと念押しして私は退散する事にした。後はアンナと姉で相談するだろう。




