姉が龍の子を産んだ
姉が龍を産みよった!!人の枠を超えたのか、ババア。
白龍を引き連れてリビングに来た姉、既に朝食を食べている面々と出くわした。
「レン様、遅かったですね」
「卵が孵化したからな」
アンナに指摘に私の視線は白龍に固定された。
「ギャァァアア! むっちゃ可愛いやん。見た感じ龍に見えるんやけど」
ジリジリと白龍に近付こうとしたら雷を落とされた。痛い。でもめげない!
「ギャーッ!! いた…痛いっ…。可愛い見た目に反して、むっちゃ狂暴やん」
「その子は天照大御神様の神使見習いやからな。んで、私の息子たんなのですよ。名前は紅唐白です。キヨちゃんと呼んであげて」
雷に打たれながらも、キヨちゃんを抱きしめて頬擦りする。あぁすべすべのツルツルで気持ち良えわぁ。
姉が私の脳天にハリセンを落とし、私からキヨちゃんを奪いやがった!!鬼めっ!
「神様からの預かりものやから、粗相せんようにな。後、留美生うざいから止めい」
「私も日本に帰れば良かった!! そしたらキヨちゃんは、私の子になったかもしれんのにぃ」
紅白以外は全部姉に分捕られたのだ。私だって子龍の親になりたいわ!!
「いや、それは無いと思うで。大体、お前神託のスキル持ってないやん」
「それは、花令が取らせてくれんからやん」
「必要なスキルは取らせてるやろう。前衛ポンコツヒーラーが何言っとんじゃ」
誰がポンコツヒーラーやねん。ちょっと前衛的なだけや!パシコンと二度目のハリセンで引っ叩かれたので渋々、席に着く。
「キヨちゃんのご飯は、これな」
姉は壺を取出し、蓋を開けてみると水あめっぽい感じの物をひと掬いし、紅唐白の口元に持っていくとパクッと食いつきしゃぶっている。
超可愛え。マジ癒し♡
「は~、神様の使いを使役するなんて流石レン様ですね」
姉に向けるイーリンの羨望の眼差しに、私は嫉妬した。私だって!いつかは!!と思ってると
「使役じゃなく預かっているだけやから。信仰心が深ければ、声くらいは聞こえると思うで。イーリンには、伸びしろがあるし。留美生よりもな」
容赦なくフラグを圧し折ってくる姉。
「キヨちゃんも、皆と仲良くしいや。留美生はええけど、留美生以外に無暗に雷落としたらあかんで」
そんな入れ知恵したら私に雷落とすやんかっ!ブーブーと文句を言っても姉はスルーした。
「新しい仲間も加わったことやし、新年はパ~っとやろうな!」
姉の盛大にお祝いする宣言し、アンナは金勘定に走り、私はどんな企画にしようかとイスパハン達と騒いだ。
こうして紅唐白のお披露目はあっという間に終わったのであった。




