年越しと新年と王家の使い
Xmasが終わり、師走の時期や!新年を迎える為にも此処は私がイベントを企画せんと!!
「アンナ、師走の時期やさかい従業員と山田家と孤児院で餅つき大会とお節料理教室するで!」
私は姉を通さずに金の管理をしているアンナに話を通した。
「お餅つきとお節ですか?それは何でしょうか?」
サイエスでは年越しはあまり重要視されてないみたいだ。
「餅は鏡餅を作るねん。お正月に訪れる「歳神様を宿す依代」であって、繁栄や健康を願うという大切な正月飾りなんや。お節料理はな神様に供えたり振舞われた料理を「御節供おせちく」って言ってな、今ではお節料理になってんねん。縁起物でもあるから今から準備しようと思って!うちらには天照大御神様を祭ってるさかいな。あと正月には子供達にはお年玉という名の小遣いをあげるのも習慣や。お年玉は年の神様の心霊でな新たな生命力を得る儀式なんや。まぁ、その一年を平穏無事に生活できるようにとお金を渡すねん。うち等はあげる方やし、あげるあげへんは、その人に任せてる。お年玉と並行して大人も楽しめる新年会をするで!マーライオンに負けないように盛大になっ!マーライオンを叩き潰す意味でな。財力があるってことを見せつけんと!」
徹底的にマーライオン潰すと意気込む私に
「お餅つきとお節料理に関しては問題はありません。ただ人数分となると人手が足りませんので、有志で料理しましょう。あとお節料理を食べるのと一緒に新年会を催しましょう。」
アンナは料理やイベントに対して前向きに考えてくれた。
「う~ん、全員のお節は作れへんと思うで?Xmasみたいに盛大にする予定やさかい。」
「そこは大丈夫です。主催者側と来賓側で区別しますので!問題はアーラマンユの信者や使途ですね。」
「認識阻害魔法をかけるさかいマーライオン系の狂信者は会場すら辿り着けへんようにするさかい万事OKや!」
「なら問題ありませんね。ではスケジュールを作成していきましょう。」
私とアンナでスケジュールを作成したのだった。
餅つき大会と並行してお節料理会は大盛況だった。元旦に食べるお節料理は人数分確保出来たし、鏡餅も新年会用の料理もばっちりだ。
新年会の参加者分のお年玉こと火の中級魔法が発動する猪のチャームを大量生産した。魔法も数回打てばただのチャームになるだけなので特にお金は掛かってない。
準備万端で私達は着物に着替えお正月の新年会を迎えた。
姉とアンナは得意先を回っているようで此処にはいない。私は孤児院の子供と山田家のチビ共にお年玉を上げて酒を飲んだ。美味い!
美味い酒と美味いお節料理を食べてたらおっさんが近寄って来た。
「貴女がレン様でしょうか?」
仕立ての良い服と上品な所作に貴族と思われる。
「私は妹の留美生です。姉に何の御用でしょうか?」
営業用の仮面を被って対応するとおっさんは封筒を私に手渡した。
「これは?」
「王家主催のパーティの招待状になります。是非、御姉妹で参加して頂ければ幸いです。」
王家ですってぇーー!!じゃあ、このおっさんは、王家から遣わされた使者?
ヤバいざます。
「…私の一存では何とも…姉を呼んで参りますので少々お待ち下さい。」
私は無礼講となった会場に姉が何処にいるか分からなかったので姉に念話した。
『姉ちゃん、王家からの使者が来おった!!何でもうちらを王家のパーティに招待したいんやって!』
『何でやねん!?』
『(´・ω・`)知らんがな!今待たせてるから主催者側まで戻って来てや!!』
『分かった。直ぐ戻るから粗相すんなよ!』
数分して姉と合流し、おっさんと対峙する事になった。
「初めまして、私はCremaの総責任者のレンと申します。」
「噂はかねがけ王家にも届いておりますよ。」
ニコニコと何やら不穏な空気が漂ってきたので、私は姉におっさんを押し付けて退散した。
新年明け早々に王家、マーライオン、Cremaの三つ巴になる未来が待っていたのであった。




