戦え!炊き出し部隊!
こんにちは、試行錯誤して炊き出し部隊結成した留美生です。
一応、ルーシーとキャロルのボディガード(笑)で私、ジョンとイスハパンは貧民街での炊き出しのボディガードをしている。アンナ他は一般層での炊き出しに回って貰った。もし何かあれば念話してくれれば此方から出向くと伝えてあるので大丈夫だろう。
炊き出しはゴミと交換している。不用意なゴロツキは脇に引っ張って行きボコボコにし、沈めて捨てるので問題はない。
「街の清掃にもなって丁度良いわね。でも、食事が回ってない所もあるみたい…」
これには困った。十分、食事は配られるが、巧く行き渡ってない。足腰の上部な者はこれるが、病気の者は無理だった。
「キャロル、今日の残りはどれぐらいある?」
「はい、あと三分の一ほど残っています。」
「そっか、じゃあ移動しながら病人がいたら薬と花令印ポーションとヒールで治して飯食わしたら良いか。」
「え?じゃあ、こっから移動って事ですか?」
ジョンの問いに
「せや!自力で来れへんなら私等から行けば良えねん。一般と違ってこっちは慈善事業やさかいな。」
バッサリと言い切った。
この貧民街に良い人材が転がっていたら私の後継を探そうと思っている。鍛冶に関してはイスハパンが決定しているが、他にもデザインとか色々と学んで欲しいからね。ジュエリー関係なら女の子の方が良えやろうし、早々に引退して楽したいねん。
「さぁ!出発やで!」
私は屋台を引きながら場所を移動していった。所々で病人や怪我人の治療をしつつスラムの事を根掘り葉掘り聞きまくったのである。
そこで新しい出会いがあり、姉に秘密で家を購入し、スラムの子供達を住まわせる事になるのはもう少し先の話である。
炊き出し部隊アンナです。
「回転率をこのまま維持しますよ。」
「「「はい!!」」」
良い返事です。留美生様はスラム街という事もあるので、トラブルに頭突っ込んでないか些か心配ではあります。
炊き出しも匂いに釣られてという方々が多く、安価で炊き出しをしている事が好評のようだ。
「この調子で行けばレシピの売り上げも相当の物になりますね。」
頭の中で金勘定をして金貨を数える。
「一人一杯までです。それ以上は売りません。」
キャロルの苛立った声に視線を向けると
「良いじゃない!レシピを教えてくれって言ってるわけじゃないわ。このスプーンが欲しいのよ。私が買ってあげるって言ってるの!!」
図々しい基地外がいた。
留美生様やレン様からお客様は神様ではなく、神様をお迎えする心構えで接しなさい。ただし、お客様=神様ではないので、無理難題を言われたら速攻お断りして結構です、と言われてましたね。
私達が客を選ぶ立場であるという事を忘れないように接する接客を、と。
「あ、アンナさん。」
「キャロルさん、此処は私に任せて向こうを手伝ってくれるかしら?」
「はい」
キャロルを引っ込めて私が基地外の前に立った。
「Cremaのイベントにご参加頂きありがとうございます。先ほどの者が何か失礼でも? 」
ニコニコと相手の要望を聞き出す。
「このスーベニアのスプーンを買うって言ったら一杯限定とか言うのよ!お金を払うからスプーンだけ寄越してくれって言っても断るの!お客を何だと思ってるわけ!?私は化粧品だって買ってアンタん所に貢献しているのよ。本来なら無料で配るのが筋ってもんでしょう!!」
どんどんとヒートアップしていく要求に
「私が利用しなくても良いわけ!?客足が減っちゃうわよ!」
口コミは怖いのよっと脅してくる女に
「ご利用しなくて結構ですよ。」
「は?」
「ですので、ご利用しなくて結構です。貴女のような方に利用して頂きたいとは思いません。我がCremaの商品は貴女には敷居が高いようですね。また、Cremaのイベントは万人の方に楽しんで私達を知って貰う為の企画でもあります。貴女みたいな自分勝手な方の為の企画ではありません。別に貴女がCremaを使わないと悪し様に言われても、本当に知っている方は知っている物です。ですので、お帰り下さい。」
バッサリ切り捨てればフジコーッコーと盛大に怒り狂ったので呼んだ警邏隊に連れて行かれたのであった。
「この分ですと色々と問題が起きそうですねぇ。」
厄介事が舞い込んで来る気配がします。
アンナの心配も遠からず当たるのであった。




