炊き出し企画
自分の人材が確保出来たので暫くは問題ない。
ソファーに寝ころびスマートフォンをピコピコしながらゲームをして楽しんでいる。
「株式会社Cremaもオープンしたし、早いとこ落ち着いて欲しいわぁ」
落ち着いたらまた新しいの出したいと思うし、姉に経営は丸投げするので後は何とかなるんじゃないか?
姉とアンナは頭を合わせて経営の話をしていた。
「花令、留守番組は放っておくん? もう結構日数経ってるし暇してるんとちゃうかな? こっちの時間とサイエスの時間は流れが違うさかいアレやけど。うちもノルマ達成してるし、向こうへ行ってレベリングしてきて良えか? てか、あのウザイ奴等はどう対応するん? きっと繋がり欲しがって纏わり付いてくるで!?」
あのバルドのおっさんチーム凄く粘着しているしなぁ。クレクレキチ集団の相手は任せた!次に会ったら姉に直接話せって言っておこう。姉が処理するやろう。
「…そうやね、一度ちゃんと考えへんとな……てかアンタが厄介事を持って来なければこんなに悩まんですんだんやで!?」
キーキー煩い姉に
「あんな再会があるとは思わへんやん。後ろ盾とかあれば、また話は別になるんやろうけど……頑張れ!」
と励ましたらハリセンでしばかれた。痛い。
「取り敢えずはアンタはサイエスに行ってレベリングしてきて良えよ。しかし! 絶対に変なトラブルに巻き込まれんなよ!」
トラブルが私に絡んでくるんや!私からトラブルに突っ込みに行った覚えないで!!と言いたかったが、姉は私を無視してアンナと仕事の話を再開させた。
何とか無理矢理一段落付けた姉と共に私達はサイエスと戻った。
「めっちゃ久しぶりの感覚やわぁ!」
久しぶりに会ったサイエス組に挨拶し、私はレベリング表を作ることにした。一応均等にレベル上げをしているが、今の所はおっさんチームが突出してレベルが高くなった。まぁ、色々と連れ回したもんな。
「目指せレベル100!調理のレパートリーも欲しいし、女全員に料理をパンジーに仕込んでもらうか!?」
料理スキルが無くても、そこそこ料理が出来れば野営する時に私が料理しなくて済むしな。
「そうと決まれば…姉ぇ!!炊き出しして良えか!?」
姉はギンっと私を睨み
「何厄介事をしようとしてんねん!!」
チョップしてきた。痛い、何すんねんこのババア!!
「ちょ、人の話を聞けやクソババア!!」
「誰がクソババアや!お前の話聞いても1円の特にもならんやろ!?」
「何で最初から全否定なん!?」
ギャーギャーと姉と喧嘩したらスパーンとアンナにスリッパで叩かれた。私の頭は高いんやで!?
頭文字Gと一緒にせんといて!!
「お二人共落ち着いてください。先ずはレン様、頭ごなしに全否定されては留美生様が暴走されて迷惑の倍率が上がります!」
ぎゃふん!アンナ酷い!ブーブーと抗議したら鼻で笑われた。
「次に留美生様、どうして考えが炊き出しに至ったんですか!?」
事と次第によっては許しませんよ!と牽制してくるアンナに
「姉は化粧品のレシピ売るんやろ?こっちの世界の料理って正直不味いやん。うちのダラ飯でも美味しいと感じるんやで!?だったら料理レシピ売ったらお金になるやん!?でも見た事も食べた事もない料理に金出して食べたいって思うか?ってなると尻込みすると思うねん。なら炊き出しで出して、料理レシピ売ってるってことにすれば良えと思わへん?」
料理の修行にもなるし、材料だって自分らで賄えるやん。だったら炊き出しを兼ねて新作料理のレシピを売ってるって宣伝すれば良えやんって説明したらアンナが考え出した。
損得を考えてるんやろうなぁ。
「バザー感覚でクッキー10枚セット銅貨3枚でどうや?炊き出しと並行して菓子売ったら儲かるで!?菓子のレシピは秘密な!貴族の反応が楽しみやわぁw」
「まぁ、悪くありませんね。料理素材は男性陣に集めてもらいましょう。調理は留美生様筆頭に頑張って下さいね!」
言い出しっぺですから逃げたらダメですよ!と釘を刺された。
大々的に主導権が私からアンナに切り替わっている。私の提案をサクっと持っていき話を大きくしたアンナにギリィとなって羨む私であった。




