株式会社Crema オープン
此方、留美生です。超激戦区に放り出されました!
姉が出した求人広告の後始末で電話回線がパンクしてます。
1~4階が改装工事が終わって無い為、住居である5階で急遽行われることになった。
姉が厳選した人物以外は全員サイエスに送りにされるらしい。
副社長なんやし絶対、私は選ばれるって思ったら除外された!
「私も面接官したい!! 何で私は面接官になれへんの? 副社長やで」
「いや、お前……副社長(笑)やん。お飾りだけの面接官は要らん」
「酷い!!」
私も面接される側からする側を体験したい!姉に面接官やりたいと泣きながら駄々を捏ねたら
「新事業でアパレルとアクセサリーの部門作るんやろう! 私が居ても良いやん。接客業に難があっても、もしかしたら服飾関係の才能がある人が来るかもしれんやん」
面接官に抜擢された。ヒャッホイ!
「今言った人以外は、一旦サイエスの自宅に戻ってな。その間は、休みになるから羽伸ばしといで! 指名された者はお仕事になるけど、特別手当出すし頑張ってな」
「その特別手当、私も出るんか?」
金にケチケチな姉にシュパッと挙手しながら特別手当クレクレした。
「出す予定。私の分も出す!」
「じゃあ、残業代もだ」
私はサービス残業したない!家族やと思ってこき使いおってからに!!ここぞとばかりに意見言わんと絶対に出さんやろ!
「出すわけないやん! お前に残業手当出したら、めっちゃ金かかるもん」
やっぱり姉は出さへんと言い出した。ふざけるな!絶対に自分の分だけ残業代出す花令に
「じゃあ、あんたも残業代なしや!」
「何でやねん!! 馬車馬のように働いてねんから残業代くらいくれよ」
「じゃあ、私にだって権利はある!!」
私の労働力は無料やないで!!
「じゃあ、役職手当やる代わりに残業代はなしな」
「分かった。勿論、お前と同額なんやろうな」
セコイ真似したら物作らへんで、とばかりに姉を睨みつけた。
「ハイハイ、私も同額で良いですよ! だから、これ以上文句言うなよ」
チって舌打ちしたん分かってんねんで!
「分かった」
姉はサクっとサイエスの自宅へ送り返した。
「じゃあ、今言った人は残ってな。それ以外は、サイエスの自宅へ移動して」
リビングで面接について説明を始める姉。
「よし、じゃあ面接について説明すんで。まずは、この場所で赤白・紅白・サクラは身を隠しながら面接に来た人の様子を監視。変な奴が居たら報告な。特にサクラ、見つかったらあかんで!! それから、受付はワウル・キャロル・マリー・ジョン・ニック・イーリンで交代で回すこと。面接の予約の電話対応、面接に来た人から履歴書の回収とお茶出し係な。これがマニュアルになるから、頭に叩き込んでおくこと。ルーシーは、面接に来た人の顔と名前を憶えてな。楽白は、虚偽がないか教えて。主にアンナと私で決める。合否は後日電話で言い渡す。留美生は、鑑定持っているんやから良さそうな人が居たらキープでチェックして報告。今回の募集で落ちても、千葉の工場で働いてくれる人の人員確保出来るしな。千葉の工場が完成するまでの間は、在宅で仕事してもらい給与は歩合制にする。実際に完成したら、引っ越しして貰って住込みで働いて貰うのが条件だけどね。引っ越し代は会社持ちだよ。だから慎重に選びなよ」
「OK。後、市場調査したいからキャロル達を借りるけど良いよね?」
「良いよ。でも、面接のときには戻ってきいや」
「了解」
ミーティングは終了し、私はサクっとイーリンを連れて市場調査に出たのである。
ま、その結果として戦利品の白朱ちゃんをお迎え出来たんだけどね!
眼が回るってこういう事を言うんやろうか!?
毎日分刻みで面接をするうち等。
最初はワクワクしたけど一日で飽きたわ。
終日には欲しい人材を確保出来たから良しとした。
「株式会社Cremaもオープンしたし、早いとこ落ち着いて欲しいわぁ。」
ピコピコとスマホゲームを進めながらアンナと花令の会話を聞いていた。
「工場の方はどうなってるん?」
販売員を導入して1階は忙しく回っているが、工場の方は視察に行けてないらしい。
「半分ほど進んでいますが問題がいくつかありますね。」
「マジか!?あぁ…会社運営すんの面倒臭いわぁ。」
ブツブツと愚痴を零す姉にアンナが
「馬車馬のように働いてくださいね。」
とっても良い笑顔で脱走するなよ、と念を押していた。
「花令、留守番組は放っておくん?もう結構日数経ってるし暇してるんとちゃうかな?こっちの時間とサイエスの時間は流れが違うさかいアレやけど。うちもノルマ達成してるし、向こうへ行ってレベリングしてきて良えか?てか、あのウザイ奴等はどう対応するん?きっと繋がり欲しがって纏わり付いてくるで!?」
もし屋敷がバレたら凸されるに決まっている!相手は話しを聞かへんモンスターみたいなもんやしな。しかもクレクレの基地外や。追いかけ回されるん目に見えてるし、どうすんやろう?
「…そうやね、一度ちゃんと考えへんとな……てかアンタが厄介事を持って来なければこんなに悩まんですんだんやで!?」
ブーブーとヒスる姉に
「あんな再会があるとは思わへんやん。後ろ盾とかあれば、また話は別になるんやろうけど…」
頑張れ!とエールを送ればハリセンでしばかれた。痛い。
「取り敢えずはアンタはサイエスに行ってレベリングしてきて良えよ。しかし!絶対に変なトラブルに巻き込まれんなよ!」
姉の言葉に内心でトラブルは飛んでくるんや、私のせいちゃうで!と言い訳しといた。
私の返事も待たずに姉はアンナと今後のことで色々と話し合いを続けたのであった。




