逃亡とルミナ終了のお知らせ
嫌な再会をしたぜ。まさかチームバルドが此処にいるとは思わなかったんだ。
「姉さん、不機嫌を仕舞って下さいよぉおお、鬼怖いんですけどぉおおおお!!」
引き攣った顔は涙で濡れてキモい。
「あいつ等と何かあったんですか!?」
ボブの言葉に
「あ”ぁ”ぁんんん!?」
ガン付けて睨んでしまったではないか!まぁ、ボブだし、良いけどね。てか、姉が怒るだろう。
あんだけストーカーの如く追い回され、上から目線の勧誘に商品クレクレされたら嫌にでもなるわ。
あのチームだけには絶対商品売らんってマジ切れしてたもんなぁ。
「まぁ、急に不機嫌になったことは謝るわ。ごめん、アイツ等な姉と私の逆鱗に触れた大馬鹿者達やねん。あんだけボコボコに凹まされて、まだ付き纏ってくるとは対策考えんとあかんわ。」
怨嗟が籠ったおどろおどろしい私の言葉にビビるボブ。他二人も若干ドン引きしていたが気が付かなかった。
「さて、うちらもサッサと死の森から出て帰るでー!」
ストレス発散の如く、肉球の斧を振り回しながら敵を一人で倒し、おっさん達と一緒に王都へ戻ったのであった。
屋敷に戻ったら般若の姉が仁王立ちになって立っていた。
やばい、逃亡した事がバレてる!!
「あ~ん~たなぁああああああああああああ!!こっの!馬鹿留美生ぁああああああああああ!!」
姉のグーパン右ストレートが炸裂した。痛いよぉ…殴られた衝撃で吹っ飛びゴロゴロゴロと床を転がって壁に衝突した。
そんな私をゴミ虫を見るような眼で
「あんた、何、逃亡してんのっ!ボトル等を量産するように言いつけたよなぁ!?」
ギロっと睨みつけられる。
私は必死に
「だって、だって、耐えられへんもん!向こうでも量産、量産やったやん。」
「私だって交渉してたりして忙しかったの!あんたが代わりに交渉してくれるんか!?」
「出来へんの決まってるやん!酷い!」
「だったら文句言わずにノルマをこなせ!しかもカルテットも連れて行きやがって!」
「良えやん!あいつ等、放っておくと勝手に武器とか作成してんねんもん。最近は活動範囲広くなってるんやで!?」
「監視も仕事の内や!!他に問題起こしてないやろうなぁ!?」
ドスの効いた姉の言葉に私は声を振るわせながらセブールで出会ったチームバルドと再会したと言ったら半死にされる。
プルプルと怯えたように肩を震わせ沈黙するもスッパーンとハリセンが私の側頭部を張り倒した。
「痛ぃ”いいいいいいいいいい」
ピーギャーと泣く私を他所に姉は三馬鹿に事情聴取を開始している。私があのチーム屑と遭遇した事を把握した姉が鬼の形相で、私の胸元をギリギリと締め上げ
「何厄介事を背負ってんねん。殺すぞ……」
「ごめんなさい。糞チームが王都に戻ってるとは思わへんやん!」
「ノルマ1万追加な。それが出来上がるまでは討伐はさせへんからな。」
姉のあんまりな仕打ちに私は
「勘弁してや!!!」
と悲鳴を上げた。
そんな私を残し、姉とアンナは商談の準備があると姉の個人スペースに引きこもったのであった。
私はチームバルドを罵倒しつつアトリエに引っ込み、ボトル等を作成に入った。勿論、鍛冶師であるイスハパンも引っ掴んでだ。




