お断りな再会
ティムカルテット+私+おっさんズ。
私達だけで逃亡します。合掌!
「こないだはコモドドラゴン狩ってレベル旨かったしなぁ…今度はダンジョンの近くにある死の森でレベリングしよか!」
と合流してサクラたん達をハスハスする留美生です。
私の言葉に絶望するボブ。他二人はフーンとばかりに興味ナッシング。
「ボブよ、安心しな!今日は最凶のスケットがおるさかいな!」
ティムカルテットを見せたら
「蛇2匹と蜘蛛とスライムじゃないですかぁ!?」
わーんと泣き喚くボブに
「アホか!!四匹揃えば姉より遥かに強いんだぞ!それが護衛してくれると思えば全然怖ないやろーがっ」
ビシっとハリセンでどつき倒し、私達は死の森へとピクニックしに行った。
流石、死の森。雰囲気が出てるわぁ!!
「姉さん、怖いっすよぉお!!」
私の後ろに引っ付くように付いてくるボブに
「お前は前に出ろや!!」
回し蹴りで前に押し出した。
森を進むこと30分、敵と遭遇しない。
「姉さん、何も出てきませんねぇ。」
「留美生さん、どうするんですか?」
「そうだな、このまま手ぶらっていうのは嬢ちゃんが怒られるやろう?」
ボブ、ジョン、イスハパンの順でそれぞれ言ってくるので
「しゃーない、コレ使うわ。」
モンスターを集める薬登場させるとボブの顔色が悪くなった。
「ほーら出てこい!!」
独特な匂いを放つポーションに釣られて出てきたモンスター達をボブ、ジョン、イスハパンで迎え撃つ。
ボブだけは超半泣きで嫌やあああと泣き言を言ってたが、私は丸っとスルーした。
私も肉球の斧でモンスターを始末していく。
「皆、頭下げやー」
私の掛け声に合わせて、三人共即座に頭を下げた。その上を肉球の斧が通過していく。
<サクラちゃん、ヒールで三馬鹿を回復したって!>
<はぁい~ですのぉ。エリアヒールぅ~>
三馬鹿がサクラのヒールで体力を回復させていった。
そろそろボスが出ても良い頃なんだけどなぁ。
続々と湧いて出る雑魚モンスターを薙ぎ倒していく。続ける事1時間弱、やっとエリアボスが出現した。
「獲物が出てきた♡」
如何にもなアンデットとは違い、死臭を纏った妖艶の美女メモリアが手下を連れてやってきたのだ。
<サクラちゃん、三馬鹿をこまめに回復してやって>
<分かりました!ですの~>
私は肉球の斧を担ぎ、最前線に出た。
「皆ぁ!気ぃ引き締めて行くでぇ!!」
肉球の斧で相手の攻撃を薙ぎ倒しつつ
「キュアヒール」
敵の顔面目掛けてキュアヒールをぶつけまくった。途中、ギャーとかイヤーとか聞こえたが気にしない。
モンスターが怯んだ隙に三人もボスの従者を倒していく。一人だけ、怖いぃと悲鳴を上げてるが、無視した。
「大分相手のHPも良い感じに削れてるし、一気に畳み込むかぁ……オーロラヒール!」
手加減なしのオーロラヒールを間近で喰らってメモリアが昇天した。
こんな神聖魔法で敗れた事に屈辱と思ってるのか、メモリアはギョロっと涙目に私を睨んで消えた。
「やー皆、お手柄やで!今日は錦鯉で酒盛りや!!」
いそいそとドロップアイテムをアイテムボックスに放り込みつつ祝杯やでって言えば、三馬鹿は喜んだ。
が、喜びの束の間で、チームバルドが絡んできた。
「久しぶりじゃないか!?ルミナ、あれから随分と探したんだぞ。」
私は苦虫を潰したような顔をしているであろう。
「久しぶりです、ガルガさん。他の皆さんも。」
凄く嬉しくない再会。
「ルミナさん、やっぱり私達のパーティに入りませんか?さっきの戦いぶりも凄かったです。」
聖魔導士のテレサの言葉にプッツンしそうになる。
セブールで散々断ったのにしつこいな。しかも私以外は眼中にないって上から目線で言い切っている。
確かに私の方がレベルが彼等よりも高いが三馬鹿達もお前等よりレベル高けぇわっ!!
「遠慮します。てか嫌です。」
お誘いをバッサリ切り捨てると魔導士のリリアナが
「じゃあ、化粧品とか融通して欲しいんだ。あの化粧品凄く使いやすくって、もう無くなったんだよね。買いに行こうとしても売り切れ状態だし、何とか頼むよ!な!?」
化粧品をたかりだした。最悪である。こういう時は姉に任せよう。
「相談は姉にして下さい。」
私は相手の返事を待たずにさっさとおっさんズを連れて帰った。




