ルミナ式ブードキャンプ
姉が強制レベリングことぶーどキャンプするで!!と全員に召集をかけた。
王都を出て、魔物除けの薬を散布しつつ歩く事1時間。
索敵を掛けると良い感じに魔物が点在している。
「じゃあ、チーム分けするからな。私チームは、蛇ちゃんズ・チルドル・ジャック・ワウル。留美生チームは、楽白・ボブ・イスパハン・ジョン。アンナチームは、サクラ・ルーシー・キャロル・マリー」
「何で私んとこだけ物理系なん! 野郎ばっかで嫌や~」
野郎と組むなんて嫌でござる!!嫌々と駄々をこねたら姉に、脳天チョップをかまされた。
自分とこは可愛い子約一名とおっさんで固めてんのに!潤いがないと喚くもド突かれるだけだった。
「ギャッ!」
「グダグダ文句言うな。お前、この間の昇級試験で片手斧のスキル取得してたやろう。指導したれや。念のため楽白も付けたやろう」
楽白ちゃんを付けられてもむさ苦しいのが消えるわけでもなし、姉は鬼だ!!
「ルーシーとキャロルは火と土魔法のレベル上げな。マリーは水魔法Ⅰを取得させたから、そのレベル上げや。サクラがおるから大丈夫やで。結界内からバンバン魔法使い。急所を狙うのが一番効率的やし、後大抵のモンスターは口と鼻を塞げば死ぬから安心して戦ってき。んで、チビっ子チームは魔法と槍を覚えて貰うで。大丈夫。あんたら魔力だけはあるから、後は適正が何か探っていきながら戦うで。無難に水魔法取っとこうか。ワウルは片手剣で戦え。お前は壁役させるからな。何かあったら念話すること。じゃあ、3時間後にこの場に集合!」
ポイントを割り振ってチルドルとジャクには水魔法を取得させた。
ボブとワウルは片手剣。
イスパハンは大剣を取得。
マリーは水魔法を取得させておいた。
姉はチビっ子2人とワウルを連れてサッサと移動開始しやがった。
私は残ったボブ・イスパハン・ジョンのスキルを確認する。
---------STATUS---------
名前:イスパハン
種族:ドワーフ
レベル:48
年齢:200歳
体力:1400
魔力:801
筋力:5432
知能:187
速度:129
運 :91
■装備:白シャツ・スラックスパンツ・スリッパ
■スキル:鍛冶ⅨⅡ
■ギフト:なし[メディションホール共有化][全言語能力最適化]
■称号:元王室御用達鍛冶・[レンの従魔(制約魔法試行中)]
■加護:なし[須佐之男命・櫛稲田姫命・櫛稲田姫命]
■pt統合
---------STATUS---------
名前:ジョン
種族:人族[サイエス人]
レベル:15
年齢:29歳
体力:431
魔力:3
筋力:507
知能:72
速度:112
運 :10
■装備:白シャツ・スラックスパンツ・スリッパ
■スキル:芝刈り∞・片手斧ⅥⅩ
■ギフト:[メディションホール共有化][全言語能力最適化]
■称号:なし[レンの従魔(制約魔法試行中)]
■加護:なし[須佐之男命・櫛稲田姫命・櫛稲田姫命]
■pt統合
---------STATUS---------
名前:ボブ
種族:人族[サイエス人]
レベル:3
年齢:21歳
体力:31
魔力:3
筋力:7
知能:7
速度:112
運 :3
■装備:白シャツ・スラックスパンツ・スリッパ
■スキル:生活魔法Ⅰ
■ギフト:なし[メディションホール共有化][全言語能力最適化]
■称号:俊足・[レンの従魔(制約魔法試行中)]
■加護:なし[須佐之男命・櫛稲田姫命・櫛稲田姫命]
■pt統合
全員のステータスを見て一言めっちゃバラバラやな。一番三人の中でレベルが高いのがイスパハン
で一番低いのがボブ。
「最低でもレベル100は目指すで!皆、武器は持ったな!?着とる服は防刃・防魔対応してるから敵を見つけたら私が殺さん程度に痛めつけるから止めさせ!」
そう宣言したら可哀そうな子を見る目をされた。何故や??
ハッピーマンデー!!
敵との遭遇ですわ。オックスベアが5匹出現した。
「楽白ちゃん、操糸で足止!」
「キッシャー」
触手をカタカタと動かしちょこまかとオックスベアの足元をぐるりんちょする楽白ちゃん。
私は肉球の斧を片手にオックスベアの横っ面を持ち手側で張り倒していく。脳震盪を起こしたのを確認し、ボーと突っ立っている三人組に
「さ、こう大きく振りかぶってグサっとやんな!」
イスパハンとジョンは慣れた様子でサクっと仕留めたが、ボブのへっぴり腰は
「目覚めませんよね??」
ビビリながら気絶中のオックスベアを突いていた。
「知るか!早よ、止めさせ!!」
阿保のボブに蹴りを食らわせオックスベアに止めを刺させた。
「これで終わりやないからな。」
ジョンに言い捨てて、私はサクサクと探索を続ける。
何度目かのモンスター遭遇にイスパハンとジョンは楽白ちゃんが活躍する邪魔をせずに自ら攻撃しに行っている。流石鍛冶師と樵である。反対にボブは絶対に安全が保障されない限りは動かないというダメっぷりを発揮した。
「イスパハンとジョンはお疲れさん。ボブお前はダメや。今度の戦闘になった場合、お前一人で戦え。」
「そんな鬼ですか!?俺死にますよ!?」
鬼だ、鬼だと喚くので
「死ぬ前に姉の薬草ぶっかけたるから安心せい。一人で稼げへんと自立した時に困るんはお前やで!山田家の家訓は自分の食い扶持は自分で稼ぐや!分かったら働け!」
私はスタスタとボブを放って先に進み魔物寄せの薬を散布した。数分後にはゴブの集団が集まって来たのでボブ一人で頑張って貰うため、私達は少し離れて高みの見物をすることにした。ちなみに私は周囲に威圧を発動させているので、魔物は寄ってこれない。
「死ぬ!死ぬぅぅうううう!!!」
必死に片手斧を振り回すボブ。
「大丈夫や!死なへん、死なへん。お前の持ってるバカな上、軟弱者でも扱える初心者の斧に任せて体動かせ。」
「嫌ぁあああああああああああああ」
悲鳴を上げるボブを無視して私はイスパハンとジョンに
「武器はどうや?扱い辛いとこはないか?」
問いかける。
「いや、使いやすい。これはどうやって作ったんだ?アンタは鍛冶師なのか?」
イスパハンの興味が斧に注がれている。
「俺も同じです。手にシックリくるので。」
ジョンも特に問題はないようだ。
「一応、鍛冶師ではあるよ。もし良かったらイスパハンも一緒に武器を作って欲しい。これから人も増えるだろうし、新入社員の教育を後々あんた達がする予定だと思うからね。」
良い話をしてる後ろで死ぬ死ぬと連呼しているボブの声が煩い。
戦闘開始から10分経過したので私は痺れ薬極を取り出し
「ボブ息を良いって言うまで息を止めろ!!」
大きく振りかぶってゴブリンの群れに放った。地面に薬瓶が叩き付けられ、割れて痺れ薬極が周囲の空気に混じったようだ。
ゴブリン共がバタバタと倒れ痙攣していく様にボブは青ざめた目で口を塞ぎながら私を見た。その目には恐怖が映っているような気がしたが気のせいだろう。
「ボブ、もう息して良えで!!」
OK出してもボブは顔を青くして首を振った。
仕方なしに私はボブの傍に寄ってボブを張っ倒した。
「ブッフゥ!!ゲホっゲホっ」
鼻水出しながら涙目でゲホゲホしているボブに
「ジョン、イスパハン、悪いけどボブを引き摺って痺れて動けないゴブに止め刺してきてや。」
「分かった。」
「仕方ないなぁ。」
ジョンとイスパハンの目は憐れみを浮かべていた。
ジョンとイスパハンはモブを引っ張りゴブに止めを刺していった。私は彼等のステータスを確認しつつレベルの確認をする。やっぱり敵が弱過ぎな為、ボブ以外はそんなにレベルが上がってなかった。
「これじゃぁ、レベル100は難しいわぁ。エリアボスに出会ってレベル上げたいんやけど、ボブが一発で死にそうやな。」
あのへっぴり腰、何とかならんかな?
私は楽白ちゃんをナデナデと愛でながら次の作戦を考えた。
「ん?もう終わったんか?合流にはまだ時間あるさかいギリギリまでレベル上げるで!!」
私達は魔物が出現している区域に赴いてはボブの尻を蹴っ飛ばし強制レベリングをした。最後の方は半分死んだ目をしていたが、もっと頑張って貰わなぁと激励したら何故か泣いた。解せぬ。




