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琴陵姉妹の異世界日記if  作者: ガンバル。
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巫女の耳飾


 新しく仲間になったパンジー。体力馬鹿である。

「顔は綺麗なんやけど、死んでるさかいなぁ。」

 顔は私の好みである。マネキンをさせるには打って付けなのだ。アンナさんやイザベラも美人さんで着飾るのが楽しいが、イザベラの趣味の悪さがなぁ……

 朝食を作りながら私は思案する。体力馬鹿なら売り子をぶっ通しでも大丈夫やろうし、実体化せんかなぁって思う。

 この時、私はパンジーが地縛霊だという事を頭から抜けていたのだった。

 一通り飯の準備が出来たんでリビングでゴロゴロしている奴等に

「飯が出来たから持ってって!!」

声を掛けた。ワラワラと各自、自分の分を持って適当にダイニングテーブルに座った。

 私も自分の分を持ってテーブルに座ると姉が

「合掌、頂きます」

「「「「頂きます」」」」

ご飯を食べ始める。一応、幽霊も飯食うのか分からんかったので、パンジーの分も作っておいた。食えへんのやったら他の奴等が食うから問題はない。

「姉よ、パンジーの実体化をスキル取得してーな。」

 ダメ元で頼む。

「実体化して何するん?」

「屋敷の掃除とかもさせたいし、ふよふよされるだけだと勿体ないやろ?」

「OK。」

 姉はパンジーのステータス画面を出して彼女に実体化のスキルを取得させた。

「これで実体化出来るで!」

「パンジー実体化してみてーな。」

「はい!やってみます!!ふんぬーーーーーーー」

 何か違う感じで気合を入れるパンジー。一応、実体化出来たようだが、もっとましな感じで実体化して欲しいと思う。

「あ、出来ました!」

 頬を染めテレテレするパンジーの姿は可愛いが、気合の入れ方が残念である。

「あのぉ、このご飯って食べても良いんでしょうか?」

 姉に向かってパンジーの目の前に置かれている食事を食べて良いか確認する彼女。

「ええよ、お代わりするなら留美生るみなに聞きや。」

「ありがとうございます!頂きます。」

 スプーンでオムライスを掬って一口

「美味しいです!こんなに美味しい料理は初めてですv」

美味しい、美味しいと言いながらガツガツと食べるパンジーに新人の通過儀礼になってないか?と私は思った。

 一通り食事も終わった所で姉が

「イザベラになバッドステータスが凄いねん。不幸666やねん。不幸値が高くてなぁ、何とかするアイテム作ってくれへん?」

イザベラを残念な子を見る目でアイテム要求してきた。

「無茶ぶり振んな!!」

 作れるかも分からへんアイテムを作れって鬼ですか?私、アンタのドラ●もんじゃないんですけど!!?

「好きな素材使って良えから宜しくなぁ」

 と問題を放り投げられてしまった。鬼だ。

「へいへい」

 どうせ逆らったら素材あげへんとか言い出すんだろうし、こうなったら素材でレア度の高い奴を使いまくったる!






 食事が済んだ後、洗い物などはパンジーに任せた。私はティムカルテットを連れてアトリエに引っ込んだ。

 現在幸運値が一番高いのは紅白こうはくなので、現在の幸運値平均化が出来るアイテムがあれば、パンジーを筆頭に私達も恩恵に肖れるという物である。

<アンタ等がコソコソと私の素材パクって物作ってるんは知ってるんやからな。さて、ティムカルテットに相談なんやけど、運を相手に渡すアイテムを作りたいねん。何か良え案あるか?>

<う~ん、素材見てもなぁ>

<使えそうなのないですのぉ~>

<せやね、大体相手に運を渡すアイテムってあるん?>

「シャ???」

 各々反応ありがとう。無謀って分かってるんや!!でもな、現実問題としてイザベラの不運を幸運に転嫁させへんと後々厄介事を引き起こされそうやねん。

「ん~、巫女の耳飾を作成してみるか!」

 成功するかは分からんけど、丁度素材もあるしmyカスタムしても良えやろ。

 自分自身、阿迦留姫命に使えている似非巫女やからなぁ。てか神官やのに巫女にジョブチェンジした覚えあらへんねんけどな。

 耳飾りはワウルだけ別デザインにして、他は統一で良えやろう。

 素材の黄金の羽根と魂の護符、ピンクの魔石、慰霊の願糸と楽白(らくはく)ちゃんの糸。

先ずは魔石を研磨・スキルカットする。続いて魂の護符と慰霊の願糸を溶かし楽白(らくはく)ちゃんの液体で、黄金の羽根に塗りたくった。

 楽白(らくはく)ちゃんの糸でレース編みし、強度を硬に変え、黄金の羽根に添える。レースに研磨・スキルカットしたピンクの魔石をビジューのように配置した。

 ワウルの分は魂の護符と慰霊の願糸を溶かし、スキルカットしたピンクの魔石を包み鈴を作り、黄金の羽根に添えた。

「ステータス確認してみるか…」

 私は品物のステータスを確認した。物防25700 魔防31000 スキル:豪運+1000

「完璧に失敗作やな。姉に売りに出して貰うか。」

 私の呟きに

<良え感じに出来てるのに失敗なんか?>

赤白せきはくが突っ込みを入れた。

<うん、うちが作りたいんはアンタ等の運を分けるアイテムが欲しいんよ。だからこれは失敗作になるん。>

<世知辛いですのぉ~>

<ならわし等の革使ったらどうや?>

 面白い物が出来そうと提案する紅白こうはく

<せやな、わしもサクラ達も幸運値高いしな。皆の身体の一部を混ぜるんはどうや?>

<良えアイディアや!早速作ってみよう!>

 ティムカルテットとあーでもない、こーでもないと言い合いしながら完成させた巫女の耳飾り改のステータスはスキル:会心+60%・運共有化・バッドステータス無効化・回避+50%・電光石火(移動加速)・バーストストリーム(20連撃)・冥府の癒し手(HPとMP全回復/永続)と激鬼仕様になった。運共有化が欲しかったのであって、その他に付随したチートスキルを見て私は固まった。絶対に怒られる物件である。

 しかしこれ以上の物を作れるか?って問われると無理なので姉にはゴリ押しで納得して貰おう。

 全員分の巫女の耳飾を持参して姉に渡したら、姉は発狂し、アンナさんは金勘定をし始め混沌とした。



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