グランマリン攻略③
美形三人衆ことアーサー、ロベルド、リチャードの三人は大変疲れていた。
報酬が一人当たり金貨100枚に釣られてこの仕事を了承したが、デブスの上に性格の悪いババアの相手をする事になるとは思わなかった。特盛厚化粧で肌はガサガサしているし、皺も目立つ。金貨100枚でなければ相手もしたくない。
留美生様に渡された防音君を展開させて俺達は情報交換をする。
「ババアからどれだけ情報を搾り取れたか確認するか…」
アーサーの言葉に
「じゃあ、俺からで良いか?」
ロベルドが右手を上げた。
「頼む。」
「おう、俺が聞いた話だと前領主のキング・グランマリンだが女狐に暗殺されている。あと前領主の娘ディーネ・グランマリンは奴隷の身分に落とされ売られたらしいが、奴隷商から脱走して行方不明だ。」
ロベルドの報告にリチャードが溜息を吐いて
「あのゴブリナは俺にも自慢気に何度も同じ話をしてたぜ。確か侍女から国外に脱出したと聞いたけどな。裏取りは出来ないが、その辺はゲルド様が何とかされるんじゃないか?」
情報がポロポロと落ちてくる。
アーサーが呆れたように
「お前…侍女にも手を出したのか?」
ボソっと呟けば
「あっちから言い寄って来たんだ。ゴブリナの世話をしているだけあって横領など色々としてる奴だし、それもちゃんと今報告してるさ。」
リチャードがさらっと言うので纏め役のアーサーは頭が痛いとばかりに頭に手を当てるのだった。
「俺はこの屋敷の使用人にディーネ様派とゴブリナとゴブリン共の派閥があるようだ。ディーネ様派は下働きが多いな。ゴブリナ派は侍女や執事などが多いが筆頭執事はディーネ様派だ。実質彼がグランマリン領を運営しているから何とか持っている状態だしなぁ。」
アーサーの言葉に
「今後の方針として不正している証拠など片っ端からかき集めるって感じか?」
ロベルドが質問をする。
「あぁ、それに平行して外部に貢いで貰った物を横流ししていく。あちらさんも軍資金がいるだろう。今はギリギリ纏まっているとはいえ、軍資金も厳しいらしいからな。」
アーサーの提案をロベルド、リチャードは頷き
「「頑張る(よ・さ)」」
応えるのだった。
こうして美形三人衆は情報と証拠を集めつつゲルドに情報と金品を横流ししつつゴブリナを相手にしながら王子の到着を待っていたのだが、ゴブリナとにゃんにゃん(嘔吐)している最中に雇い主のレンに爆睡君を投げつけられて気絶し、不味い気付け薬で強制的に起こされ扱使われるのであった。




