エミル発狂事件
その日はエミルのギャン泣きから始まった。
朝早くにギャンギャンと泣き叫ぶエミルの鳴き声に私達は叩き起こされた。
「こんなに朝早くなんねー」
朝一にキンキン声で泣く目覚ましなんて嫌だと呟く私。姉はエミルに近付いて
「エミル、何で泣いてんの?」
と訳を聞くと
「エミルの宝物が無くなったぁああああああああ」
ピギャーと恐竜が泣くかの如くビービーギャンギャンと泣いた。姉は耳元でそれを聞いたので若干目を回している。
「それに鍵がかかってるぅううううううううううう」
うえーと大泣きするエミル。
キラキラが無いと泣き叫ぶエミルに姉は
「あれはエミルのやないで。あれは他の人のやったり、皆の物だったりするんや。エミル勝手に物を持って自分の物にしたら泥棒になるんやで。」
エミルに説明するも
「エーミールぅのぉおおおおおお!!がえじでぇええええええええええ!!!」
ううぉーんと泣くエミル。
姉は困ったように私を見るも私は速攻で視線を逸らした。巻き添えは喰らいたくない!!
ポルターガイストのようにガタガタと物が揺れる中で姉は必至にエミルに言い聞かせるもエミルは姉の言葉は聞かない。
うぉんうぉんと泣き叫ぶエミル。エミルの感情につられて揺れる物。
「留美生ぁ、何とかしてーな!!お前、世話係やろっ!!」
私にエミルを押し付けようとする姉。私はキッパリと
「何言ってんねん!ティムったのは姉やんけっ!子育てせーや!あ、紅唐白みたいにならんようになっ。あんな狂暴なんは却下や!」
腕でバッテンと作り拒否ったら
「行けキヨちゃん!」
紅唐白を嗾けて来た。
バリバリビッシャーンと以前の数倍の威力を増した電撃攻撃を錫杖で電撃を吸い込んでやった。
やけになった紅唐白が体当たりして電撃を流すも残念ながら私の耐電性は上がっている上に地獄級電撃防止の服を着用しているので全く効かない事に紅唐白は手当たり次第に八つ当たりを始めた。
「ギャーッ! キヨちゃん、暴れんといて!!」
憐れ姉、エミルと紅唐白のW攻撃に涙目である。
しゃーねーなと思い私はエミルにランドとシーグッズを差し出してみる。
「エミルこれ欲しいか?」
エミルはキラキラした目で
「欲しい!!」
手を出してきた。
「じゃあ、今度からは勝手に物を持っていかんといてな!?」
私の言葉にキョトンとした顔で
「何でぇ?」
マジトーンで疑問を浮かべるエミル。
「今日みたいにエミルが集めてたのが勝手になくなったら嫌やろ?」
と言い聞かせると
「……うん、やだ…」
何とか納得したので
「良え子やな。じゃあ、これはエミルに上げるわ。もし今後欲しいなって物があったら姉ちゃんに貰って良えか聞くんやで!」
念押ししたら渋々ながら頷いた。
この後、エミルコレクションを返せ返さないの押し問答をした姉は後々エミルから盛大な悪戯をされるのであった。




