ワウルの受難再び
ゲルドのおっさんを荷物付きで送りだしてから自体は大きく動いた。
先に向こうでワウルが地盤を固めていたお陰でスムーズにゲルドのおっさんが受け入れられたようだ。
パナコッタ領主に反旗を翻した300名の元奴隷達の士気も高く、レベルもそれなりになっていた。
<姐さん、そろそろ仕掛けますか?>
ワウルの言葉に
<せやね。こっちも地図を見て指示するさかい行動は迅速にしてや。>
私はワウルに色々と指示を出す。用意が揃ったらワウルから連絡が来るのでそれを待つのだ。
パナコッタ領では着実に領主離れをしている奴隷達がいる。王子の威光もあるが、自由を勝ち取りたいという気持ちと、他国に奴隷出荷されるという危機感が募っているようだ。
私はパナコッタ領の地図を見て作戦を練ることにした。
SIDE ワウル
姐さんは俺の胃を崩壊させる気だろうか?
王子代理として送られてきたゲルドは少々頼りなく見えた。一応、彼付きの護衛がいるので自分が守る必要はないが……
「あんたがゲルドさんか、俺はワウルだ。準備が出来次第、計画を開始する。アンタの役目は何があっても動揺せずに構えているだけで良い。」
俺の言葉に若干引き攣った顔をするゲルドを見て見ぬふりをした。
敵陣に偽情報を送っていたサスケとカスミが戻ってきた。
サスケとカスミからは王子の助けが来た事と、このままでは諸外国に奴隷として出荷される旨を流言したらしい。また、王子が勝利した場合、奴隷制度の廃止と職を斡旋するという噂を流したようだ。
噂は効果抜群のようで、パナコッタ領主だけは好戦的だが、領民になった奴隷達は、この内乱に対し王子軍と敵対する事に相手の軍は難色を示しているらしい。
「う~ん、プロパガンダでも流すか…」
開戦前にもう一押し欲しいと思う俺。
プロパガンダと言っても以前作った物ではないやつが良い。
俺は姐さんに念話でプロパガンダの話をするも、王子がスコッティ領にいるため難しいと返事が来た。
姐さんと一緒にインパクトのある物を作るという事で話が付いたので、出来次第戦争開始になるだろう。




