パナコッタ領の下準備
こんにちは留美生です。
姉がスコッティ領攻略の最中、私はパナコッタ領の下準備をしている。
定期的にワウルから連絡を取り合い、見込の有りそうな奴隷達を集めるように仕向け、かつリオンが奴隷解放に向かっているという噂も流すように指示を出した。
てか奴隷自体が違法である事は指摘しておかないでいる。リオン自ら断罪しに行く必要があるので、自分達で解放活動されたら手柄がなくなる。
支援物資と武器がどの位必要になるかも報告をするように伝えてあるので、こっちも準備に捗っている。
ついでに召喚された時代もあるのか、勉強が全く出来ないサスケとカスミに仕事の傍ら勉強を詰め込んでいるのだ。
地球に戻るならある程度の知識は必要である。地球のCremaに就職になるだろうが、通信制で高校・大学の卒業資格を取得して貰いたい。
Cremaは実力主義だから他にも色々と資格を取得すれば給与が上がる為、基礎の勉強は最低でも頑張って欲しいものである。
「留美生様、今日の分終わりました。」
「あ、俺もです。」
カスミとサスケの勉強分を確認して採点した。飲み込みが早いのか、良い点数を叩き出すのだが小さいミスが多々見受けられた。
「この×が付いてるとこは当てはめる公式が違うで。あとこっちは読み方は同じやけど漢字が違うな。サスケは歴史が苦手っぽいなぁ…日本の歴史って漫画貸したるから二人で読みな。」
私はいくつか指摘し、やり直しを要求。サスケにはイザベラが所有していた筈の漫画本を貸すことを約束しておく。
イザベラの漫画好きがこんな所で役に立つとは!!
それはそうと姉に一応連絡パナコッタ領の事を連絡しておくか。
<姉、今大丈夫か?>
<まぁ、少しなら大丈夫やで>
<パナコッタ領の情報や。領主はトド・ゲス・パナコッタ。こいつは真正の屑やでぇ。領民全員が奴隷になっとる。他の領から流れて来た奴等も奴隷にされてんぞ。あとマーライオンに見目の良い奴隷が流れとる。奴隷は絞り上げられ取るから抵抗する気力も無いわ。そっち解決したら集めた奴隷とうち等で速攻潰すさかいなー。>
<マジか!てか変な名前やなぁ。アーラマンユが絡んでると厄介やないか?>
<いや、全然。逆にマーライオンの力削げるし!あとトドさん暗殺される予定も入ってるらしいで!暗殺されるんが先か、リオンが制圧するんが先かの話やわ。一日あれば無血開城で制圧出来るさかいな!>
<具体的には?>
<リオンが帝国の法律を持って処刑するだけや。マーライオンの間者にはワウル達が行動を制限するように包囲網作ってるさかい逃げられへんよ。トドを〆てマーライオンの間者は死なない程度にボコって口を割らすさかい!てか紅唐白ちゃんそっちにいるんなら鱗クレ!天照大御神様とアベル君像を作るさかい!>
<こないだも皮持って行ったやん!何度もあげられへん。>
ダメダメとぶった切る姉に
<そっか…サイエス飯は嫌やろうって思って腕によりを掛けて作った和食は不要って事やな。残念やわ…町の皆で食べようかな?>
餌をチラつかせば、サイエス飯に飽きた姉が
<ずっこいで!!飯係の癖に!!>
ギャンギャンと喚きだした。
<飯係ちゃうし。嫌ならカプ麺でも食えば良えやん。レトルト食品余ってたやろ?>
缶詰とかカレーなのどレトルト食品はそこそこあったはずだ。私の手料理を食べたくないならレトルトに頼りなさいよ~
<うぅ…分かった!紅唐白ちゃんにお願いしてみる。ダメやったら諦めてーな!?>
姉の言葉に
<ダメやったら紅唐白ちゃん共々サイエス飯で頑張れ!>
元気出せと励ますのであった。
姉は私の事を鬼と罵って念話を切ったのであった。この後、姉と紅唐白ちゃんの間で攻防戦があったらしい。日を追うごとに狂暴にフリーダムになっていく紅唐白ちゃんに姉が涙するのであった。




