未来を見据えて
姉の帰還
「姉、何でここにおるん?」
姉がアウトプット町に勝手に戻って来ていた、何やら土地と建物の売買契約の手続きをするためらしい。
「サエルで拠点になる場所を購入したから、手続きのために来ただけや。直ぐ戻るけどな」
「もう手続きは終わったんか?」
「終わったで。これから戻るところ」
姉の返答に私はワウルを所望した。
「ワウルを戻すことは出来んか?」
ワウルを戻すと情報源が減ためか凄い渋い顔をする姉。
「スコッティが終わったら、パナコッタを落とすんやろう。ロッド領の噂は届いていると思うけど、先に下地を作っておいた方が楽ちゃう?」
「時間も限られてるしなぁ。うーん……分かった。ワウルの諜報部隊は撤退させるから、あんたの指示で動かして」
「了解! どれくらいで、片付きそう?」
「1ヵ月以内には片を付ける予定」
姉が一ヶ月っていうなら一ヶ月で終わらせるんやろう。まぁ、奴隷領のパナコッタよりもスコッティ領はスピード解決が必要だしな。民が暴徒化するのも時間の問題やろうし。
「じゃあ、1ヵ月後にはパナコッタ領に着手出来るように手配するわ」
「頼んだ。後、商業ギルドの職員が少ないから四則演算と読み書きできる奴をギルド職員(仮)として雇う手配もお願い。給金は月金貨13枚と諸々の手当付きで宜しく。冒険者ギルドの職員と同じ給金で良いからな。分からんなら、カリーナに聞いてくれ」
「はいはい、じゃあ気を付けてな~」
私は姉を見送って人員を適当に見繕い始めた。
姉の要望通りギルド職員(仮)を雇い配置し、私はワウルと子供達をパナコッタ領へと向かわせた。勿論、情報操作や裏工作と色々と下準備をさせる為である。
期間は一ヶ月と少ないものの、スコッティ領より簡単に終わらせる策がある。無血開城の内部崩壊だ。
ワウルより側近に流言をさり気無く流して貰い、戦力削って勝負する予定である。領主に関しては私達が戦争を吹っ掛ける前に死んでたら良し、死んでなくても疑心暗鬼の私兵という名の奴隷であれば解放を促せれば楽なものだ。
「パナコッタは楽して陥落出来るし、その隣の領はステラ軍港があるんだよなぁ。是非とも抑えておきたい拠点だわ。」
地図を見ながらうふふ~♡と笑う私。
「ステラ軍港は第一王子側やったな。割と裕福みたいやし、食料とお金に流通も抑えられるなんて素敵♡リオンには是非、資金援助集めとして貿易をして貰いたい。」
それにはもっと諜報員が欲しいものである。あの召喚者姉弟のレベル上げと教育を施して頑張って貰わないと。
私は召喚者姉弟の今後のレベリング計画を立てるのであった。




