アンナのアドバイス
B専で姉のストーカーをした男エイドズ・バンズの商会は紅唐白ちゃんの事もあり急速に衰退していった。
その経緯としては、私がアンナにエイドズ・バンズが姉に手を出して紅唐白ちゃんを激怒させたとチクっておいたからである。アンナはエイドスから取引先を奪えると喜々として喜んで、上流階級の方達に噂を流したそうな。その結果、客を分捕ったアンナはほくほくとした顔をしているのであった。
「アンナ鬼やな。」
ポツリと呟いた私の言葉に
「商機を取りに行くのが商人ですよ!というかレン様の貞操は無事ですか?」
凄い爆弾発言をするアンナ。
「貞操は無事やでー私が紅唐白ちゃん嗾けて雷ぶち込んでやったからな!」
えっへんと胸を張ると撃沈していた姉が
「あぁあああああああああああ気持ち悪っ!!」
発狂した。
姉よ、奴はB専やったんや。スッピンコケシがストライクゾーンなゴブ男に纏わりつかれるのが嫌なら化粧をしろよ!
「化粧しろよ、化粧!」
私の主張に
「それも嫌や!顔を塗りたくって気持ち悪いし面倒臭いんやもん!!」
化粧嫌いとばかりに主張する姉。
「だったらゴブ男ぐらい自分で何とか往なせるようにしたら良えやん。」
「そんなん出来へんわっ!あの変出者、ずっと後ろを付いてくんねんで!?拒絶しても全く効いてへんねんからな!」
「それならアイテム作ってくれよ!!」
発狂する姉に私は考えた。前回の失敗作の腕輪の件は絶対に怒られる案件だ。チャラにして貰えるチャンスでは?
「良えで、姉専用のスッピン顔除けのアイテム作ってやるわ。その代わり、この間渡した腕輪の失敗の件はチャラな。」
と提案すれば姉は滅茶苦茶渋い顔をし検討してうんうんと呻り出した。
「貞操と天秤に掛ければ安くないか??」
煽りに煽って姉はとうとうOKを出した。
はぁ、これで怒られたり、材料を取り上げられる事はないだろう。ありがとうゴブ男。
「そう言えばアンナの方は順調なん?」
ふとした疑問にアンナは超良い笑顔で
「無賃の馬が二頭確保出来ましたので♡」
サムズアップした。そうか、無賃の馬の一頭は姉だろう。もう一頭は誰だろう?そう疑問が残る物の突っ込みを入れたら私も馬にされそうなので
「ふーん、繁盛しているのは良えことや。神社関係は上手く回ってるやろうか?手が余ってそうなら数人連れて行きたい所ではあるんやけどなぁ。」
あっちでも巫女部隊は作っているが、まだまだレベルが低い。そして干ばつで魔物も減っている状態である。ブートキャンプをするにしても食料調達部隊に突っ込むしかないという悲惨なものであった。色々と実践したいし、こっちでお祓いを実践させたいと思う。
「あっちの巫女・神薙部隊をこっちに連れてきてお祓いの実践もしたいなーって思ってるんやけど…」
「全員は無理ですけど、一人二人なら大丈夫だと思いますよ。」
アンナの提案に
「ほんま!?だったら扱いてくれるように頼んでくるわ!あっちのは急ごしらえやさかい厳しくして成長して貰わんとな!」
ガブっと噛みつく。あっちは精霊問題で手がいっぱいなのだが、いつか相対するマーライオンのために力を蓄えなければならない。打倒マーライオン!
私は姉のアイテムを作った後、派遣するメンバーを考えるのであった。




