ご飯はどうしてますか?
イザベラが脳筋戦略しか出来ないと知って傷心中の留美生です。
姉はハルモニア王国に行ってまだ帰って来ないので、私はワウルを使って右隣の領地に流言を流しに行って貰おう。勿論、子供達数名連れて行って貰う予定だ。
実地研修で丁度良いだろうしな。
「と、いうことで右隣の領地に流言を流しに行って来てね。勿論、訓練している子供達数人連れてって!あ、子供達に怪我させるようなヘマはせんでな!一応、身代わり人形とポーションにお守りは持たせるけど、万が一があればワウル……分かってるやろうな?」
私の言葉に顔を顔面蒼白になるワウル。あわあわと何か言ってたが私は聞かなかった事にした。
第一王子フリック、第二王子ヴィクトールの二つの勢力に挟まれているこの領地は、実質不利な場所にあると言っても過言ではない。
だったら領地を乗っ取れば良い話だ。
下種な領主なら首チョンパにして真面そうな奴をリオンを通して指名したら良いだけだしね。
「右隣の領地の名前は、スッコティだったっけ?確か第二王子のヴィクトールを支持しているんだったか…ワウル達だけでも大丈夫だとは思うが、姉達が戻って来るまでにはワウル達も戻ってくるようにしないとね。」
私はある事に気付いた。
姉は紅唐白ちゃんのご飯をどうしているのだろう?
出発してから紅唐白ちゃんの分のご飯を用意してない。
私は姉に直ぐに念話をした。
<姉、あんた紅唐白ちゃんのご飯どうしてるん?作り置き無かったやんな!!?>
<サイエス飯やで。>
ケロっと鬼畜な事を言う姉に
<阿保かお前は!!紅唐白ちゃんは腐ってもカビっても神様の使いやねんで!鬼かお前は!?>
<腐ってもカビってもは余計やっ!もっと紅唐白ちゃんを敬えカス!>
<食べ物で釣られる神の使いなんざ敬えるかっ!もっと神々しくなってからやな。てか、ご飯は今日から作るから先に飴玉でご機嫌取っとけ。お前は絶対に喰うなよ?>
私は姉に念を押してサクっと念話を切った。
私は紅唐白ちゃん専用の飯を大量に作るのであった。紅唐白ちゃんもそろそろ食事を変えても大丈夫だろうし、柔らかい固形物っぽいのを入れたリゾットシリーズにする事にした。
姉の食事は現地で調達するだろうから大丈夫だろう。
深夜、姉から連絡があった。
<紅唐白ちゃんと一緒にリゾット食べたら雷落とされた!何でなん!?>
何てアホな内容なんだ。姉よ、それは紅唐白ちゃんの飯だ。紅唐白ちゃんでさえ理解しているというのに、飼い主のお前が理解出来ないとは…
<それ紅唐白ちゃんのご飯やん。紅唐白ちゃんが怒るのも仕方ないわ。>
<え?私のご飯は?>
姉よ、何故当然にご飯を作って貰えると思っているんだ???
<リオンもいるんだから現地調達すれば良えやん!>
紅唐白ちゃんの事は悪かったかなって思うが、姉よ…お前は別だ!紅唐白ちゃんのご飯が無いなら連絡しろよ!!
<サイエス飯はもう嫌や!!ご飯作ってーな!>
ご飯が不味いと主張する姉に
<貸し一つやからな。>
<分かった。>
釘を刺して私はご飯の余りをタッパーに突っ込んでフォルダに突っ込んでおいた。
こうして姉がハルモニアから戻るまで延々とご飯のリクエストをされブチ切れたのは致し方ない事である。




