紅唐白(べにとうきよ)ちゃんの食事事情
帝国が滅びそうになっている原因が分かり、ガックリしている留美生です。
しかも姉がティムしているイザベラも関係していたようで、面倒臭いったらこの上ない。
私は取敢えず様子見として面倒事は姉に丸っと投げ飛ばす事にした。頑張って精霊の相手をしてくれ。
姉が彼等の相手をしている頃、私はご飯の用意の時間になったのでご飯を作りに席を外した。
材料をざっと見ると手作りコーンフレークが無くなっている。出汁巻き卵のご飯も肉を入れて作ろうと思ってたし丁度良かった。
紅唐白ちゃんのご飯は姉が作るようにお願いしよう。ついでに自分のご飯も作らせるのも良いだろう。
私は手の空いている女子供に声を掛け、ご飯の準備をすると伝えた。
今日のご飯はぺたんこ牛肉のデミグラスシチューにライスにゴロゴロ野菜スープにベリーマーブルレアチーズケーキである。
「じゃあ、子供達は材料を水洗いしてな。女性陣は三人一組になって材料を切っていってくれ。」
私も材料を切っていく。
きっと腹を空かせた野獣共が飯に殺到するだろう。少し大目に作ろうと思う。
<姉、今日からアンタと紅唐白ちゃんのご飯は姉が作ってや。>
<何でやねん!!絶対嫌やで!?コンフレークあるやろ!?>
<コンフレークはもうないで。出汁巻き卵も丁度ご飯を切り替えするところやったし、紅唐白ちゃんもママの作ったご飯の方が良えやろ。紅唐白ちゃんの分と一緒に自分のご飯も作りぃや。>
<そんなん無理や!ただでさえ、私のご飯は不評なんやで!?>
<一度作ってダメなら考えれば良えやん。一度は作り!今日の分からしな。>
私は念話を一方的に切って作業に取り掛かった。
チビ共も手伝いに慣れたのか、姉よりも手際良くなっている。
私は灰汁を取りつつ、味を調整していく。たまに子供達が味見を強請るぐらいであった。
ご飯を作り終え、姉の方も話が一段落したようなので夕食の配給を始めた。
固形物が食べれるようになった彼等は、何故か食に凄く執着しているように思う。男はおかず、女子供はデザートの取り合いをしている事が多数あった。
しかし、ご飯とデザートが残る事は無かったのである。
その内、飯炊き班から料理スキルのある者に炊き出しの責任者を選出しようと思う。料理のレシピも数種渡しておけば大丈夫だろう。
ご飯の配給が終わった後、私は仲間の分のご飯を作る事にした。勿論、姉と紅唐白ちゃんの分はない。
私が食べたかった鶏肉ときのこのフリカッセと甘酒パン、彩り野菜のモロッカンスープ、黒ゴマプリンの用意をする。
<留美生、私と紅唐白ちゃんの分も作ってるやんな!?>
姉からの念話に
<作ってへんで。紅唐白ちゃんもママのご飯が食べたいやろうし、頑張れ!私は皆のご飯を作るんで忙しいねん。>
<作らへんかったらティムから外すで!!>
<外しても良えけど、軍師も育ってへんのに困るんはアンタ等やで?>
<ぐっ……>
<出来合い物に手を付けたら殺す!ちゃんと材料があるんやから自炊せい!!>
私はまた姉からの念話をブッチと切り捨て、ご飯を作るのに没頭した。
姉も渋々と台所にやってきてご飯を作っている。才能ないのに料理スキル取って斜め上に爆発すれば良えねん。
私が作っているご飯を覗き込んで羨ましいという目をする姉を無視して、私はご飯を作った。
ついでに紅唐白ちゃんの為に飴玉を作っておく。一応、姉の手料理が失敗した時の為の物だ。
「ご飯出来たで!!」
私の合図に仲間達が席に着席した。
「アベルとアンディーン様、グノーム様はご飯食べれるん?食べれるなら用意するけどどうなん?」
姉に聞けば
「嗜好品して食べれるで。」
食べれると聞いて、私は三人のご飯も用意した。
姉も自分の作ったご飯を自分の席に用意して座っている。凄く嫌そうな顔だ。
「合掌」
「「「頂きます」」」
合図と共にご飯をガツガツと食べる彼等。
おかずの争奪戦は何時もの事である。
『あら、美味しいわね。』
『そうだな。このスープが好きだ。』
『わたしは仄かに甘いパンが良い。ワインに合いそうだ。』
何やらアベルと精霊達でご飯を楽しんでいるようで何よりである。
一方、姉は紅唐白ちゃんに手料理を食べさせようと奮闘していた。
「キヨちゃん、ママが頑張って作ったご飯やで~」
紅唐白ちゃんはプイっと顔を背けるばかりであった。しかし、姉に出された料理は食べるという約束をしているので姉は紅唐白ちゃんの口に手料理を突っ込んだ。
悶絶する紅唐白ちゃん。
紅唐白ちゃんの口端から泡が出ていた。
姉よ、お前の料理はどんだけ威力があるんだ!?
「サクラちゃん、紅唐白ちゃんにヒールや!姉、紅唐白ちゃんに水を飲ませえ!!」
私の言葉に姉はいそいそと紅唐白ちゃんに水を飲ませる。
紅唐白ちゃんは、少しして気を取り戻した途端、姉に向かって最大出力の雷を落とすのであった。
アババとなって白目を剥く姉の腹の上でドッスンバッタンする紅唐白ちゃん。
私達にも雷をピシャーンピシャーンと落とすので、黒胡麻プリンを紅唐白ちゃんの口の中に突っ込む。
紅唐白ちゃん的に口に合ったのか、黒胡麻プリンを食べ尽くす勢いで踊り食いし始めた。
「デザートは違うのを出すわ。黒胡麻プリンは紅唐白ちゃんにあげてな。」
私は呆気に取られながら変更したデザートことフルーツゼリーを人数分配るのであった。
姉が土下座してご飯を作って欲しいと頼み込むのは、気絶から立ち直った時の話になるのであった。




