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琴陵姉妹の異世界日記if  作者: ガンバル。
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神社建設


 木材が手に入り、私とイスハパンに町の男衆で本格的な神社を建設を始めた。

 ある程度建設が進んだところで、指揮権をイスハパンに渡し、私は天照大御神様とアベル夫婦像を作る作業に入った。

 不埒者は威力増し増しで天罰を落とすように仕掛けをしてある。

 紅唐白べにとうきよちゃんの鱗が活躍している。

「本殿には天照大御神様、拝殿にアベル夫婦を祀るか。」

 ガリガリゴリゴリと像を作る姿は異様だろう。

 うっかり私を呼びに来たリオンが固まっていた。

「何やリオンか。何の用や?」

 私の問い掛けにハっと気が付くリオン。

「レンが神社の建設はどれぐらい時間が掛るか聞いて来いって言われてな。」

「そうやね。本殿と拝殿、神楽殿、祈祷場を合わせたら突貫工事で10日やね。丁度その頃にはアベル夫婦と天照大御神様の像が完成しているわ。てか、何お使いしてんねん。お前、未来の帝国の皇帝やで!庶民王子を返上せんと…アベルに教育を強化させるか……」

 姉の使いっパシリをしている事に疑問を持てと主張するも目の前の庶民王子は

「別に伝言ぐらい別に良くないか?」

と言ってきた。

 アベルの教育強化も嫌そうな顔をしている。

「伝言ならゲルドのおっさんにでも言づければ良え話やろ。リオン、あんたを旗にして戦う事になるんや。旗が下の者に使われるなんてあり得へん。姉にも十分注意しとくけどお前も自分が御旗であるって自覚をしろ。アンタの手を汚す事は絶対にせえへんから安心し。旗は潔白であらへんとな。」

 リオンはまだまだ庶民王子を卒業するには結構な時間を掛ける事になるんやろうなぁ…と思った。

 矯正出来るところは矯正せんと!

「まぁ、休憩がてらに私から姉に報告しに行くわ。あんたは町をブラブラして人気取りしに行き。」

「人気取りって身も蓋も無いな。」

「あんな、民意が王族の命を左右するねんぞ。王族なんて道を踏み外せば民にクーデター起こされて物理的に首が飛ぶわ。まぁ、今回は見捨てられた第三王子が奮起して内乱平定というシナリオやさかいな。両隣も領主に対してクーデター起こして貰うさかい…ふふ」

 私はリオンを置いて姉の元に向かった。






「姉、伝言の返事やで。10日前後で像含め出来るわ。落成祝いしてからやし雨ごいは15日後で良えんとちゃう?」

「結構、時間掛るんやなぁ。もうちょっと早くならへん?」

「無理やな。空いてる時間にブートキャンプでもしといてや。両隣の奴等からの嫉妬も出て来るやろうしな。雨ごいが終わったら町民全員のスキル鑑定してや。良えスキルがある者は囲い込みしたいからな。」

 私の身も蓋もない言葉に姉は

「別に良えけど…新兵にするんか?」

げんなりとした顔をした。

「新兵にするかは本人のやる気次第やな。鶴でも恩返しはするやろ。鶴でもするんやから人間な奴等も恩返しして貰わんとな。」

 此処の奴等も頑張って恩返しとしてリオンに仕えて貰わんとなぁという私の考えを読んだ姉は凄く嫌な顔をされた。

 失礼な奴だな。

「雨ごいになったら姉と紅唐白べにとうきよちゃんがメインに頑張って貰うからな。」

 私はアイテムボックスから幻の日本酒『橘』を取出して姉に渡した。

「これは……もしかして幻の橘!?松尾大社にしか奉納されないという!どこで手に入れたん!?」

 マシンガントークになった姉に

「ん、地球に戻った時に参拝しに行ったんや。で、参拝してたら二十歳ぐらいの姉ちゃんが私が挿してた簪を見初めてん。売り物やないから断ったんやけど、姉ちゃんが自宅で造っている酒と交換して欲しいと言い出したんや。酒の味で決めるって言って美味かったから交換してん。新しい簪が出来たら定期的に交換する約束してんで。紅唐白べにとうきよちゃんは、酒は飲めへんから雨降らせたら姉が飲んで良えで。」

 手に入れた経緯を簡単に説明した。

 姉は私の言葉を聞いているのか、目の前にある酒に大喜びしているのである。

「雨ごいが終わったら忙しくなるで。その辺は大丈夫なんか?」

「あぁ、大丈夫や。ブートキャンプもボチボチやっとるしな。」

「なら良えけどな。あと、殿下を使いっパシリにすんな。」

 私の忠告に姉はしまった!という顔で

「悪い。気を付けるわ。」

反省したようだ。

 抱っこ紐で姉の腹に密着している紅唐白べにとうきよちゃんがチロっと私を見て威嚇してきたので

紅唐白べにとうきよちゃんをもうちょい躾せんと紅唐白べにとうきよちゃんの飯をサイエス飯にチェンジするさかいな。」

私はバッサリと忠告しておいた。

 最近、紅唐白べにとうきよちゃんは、機嫌が悪いと私に八つ当たりしてくるので教育的指導をしたいと思っていたところだ。

 私を良い的だと思ってるんじゃないだろうな!?

「私は像の作成に入るさかい、書類仕事が入ったら三人娘の誰かに渡しといて。後で目を通すわ。」

 私は姉にそれだけ告げて像作成に戻るのであった。 



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