アベル君、教師になる
本当にアベル君を説得してきた姉。どんな手段を使ったんだ!?と凄く気になるがリオンの王教育をするに相応しいのでお口チャックする。
「ふむ、わしの教えを請いたいというのはお前か?名は?」
えっへんと偉そうなアベル君。祖国の地で布教を頑張れよ、と思う者の出張して態々リオンの教育係になるとは…。
「アトラマント帝国が第三子リオン・フォン・アトラマント。勉学の神であらせられるアベル様に指南して頂ける事を光栄に思います。」
キチっと王子然とした態度でアベル君と対峙しているリオンに、私はリオン大虎被ってんなぁと思った。
「アトラマント帝国か、懐かしい。昔、留学した事がある。良い、わしが直々に王について扱いてやろう。」
ハッハッハと高笑いするアベル君と顔が引き攣っているリオンに私は合掌するのであった。
リオンの事は片付いたので、私はゲルドのおっさんに軍師候補は用意出来たのか確認したところ
「留美生様以上の知略を持った方なんていませんよぉー!!」
思いっきり逆切れされた。解せぬ。
「何でや?私みたいな素人軍師より頭の良え奴沢山おるやろ!?臨機応変に駒を動かせる鋼の心臓を持った軍師候補の一人ぐらい用意出来んのか!?」
「あんな鬼畜な戦術で敵を殲滅する軍師なんていませんって!!貴女はオリハルコンの心臓じゃないですか!!」
「失礼やな!時間と人を削った作戦や!こっちの軍勢なんてたかが知れてんねんで!相手の戦力を削ぎつつ吸収していかんのに笑顔で鬼も逃げ出す戦略を捻り出せる軍師候補を寄越せ!」
「無理ですって!探しても三人娘の足元にも及びませんよ!」
絶叫するゲルドのおっさんに私は
「どんだけ無能やねん!」
と叫んだ。ゲルドのおっさんは憮然とした顔で
「大体、基準が留美生様っていう時点で無理ですよ。敵同士を視覚操作残像魔法で同士討ちさせるってどんな鬼ですか!?しかも幻影部隊を出せるのは留美生様だけなんですよ!?しかも三人娘も特攻隊で敵陣で自爆とか、どんな地獄ですか!?」
ギャオウと吠えられた。
特攻隊の部分で私はちょっと可哀想になった。そうやね、そんな過激な戦術を歴史から学んで活用しようとする三人娘。何が何でも勝利に執着してとるからなぁ…
「それは、悪いと思ってんで?駒は消耗品やさかい大事に扱うように言い聞かせるさかい。このままやと姉に私が正軍師やなくても副軍師に就かされるんや!何とか頑張って軍師候補探してくれ!」
私はワイバーンに乗って戦場を駆けたいねんと言えば、ゲルドのおっさんは白い目で私を見ていた。解せぬ…




