私達の食事事情
姉がゲルドのおっさんのブートキャンプをしている最中、私は三人娘を鍛え上げるのであった。
「こっちは順調やわぁ。」
何かしら特技持ちの彼女達は、勉強するほどグングンと知識を吸収していってくれた。
「留美生様、二つ作戦が浮かんだんですけどどっちが有効だと思いますか?」
アリスが地図置かれた駒を見て手を挙げる。
「じゃあ、駒を動かしてみぃ。」
「はい!騎馬兵を森から進行させつつ、歩兵で中央を切り離し、分離された歩兵と騎馬兵を森から進軍している騎馬兵で挟み撃ちにするのはどうでしょう!?」
「挟み撃ちは良えけど、距離を取って魔導弓兵で騎馬兵と歩兵を削ってからの方が良えで。」
「では、一旦全戦を後退して、囲い込みにするのは如何ですか!?」
駒を並べ直すアリスに
「さっきよりは悪くないで。包囲網を逆に突破された時にこっちが不利になるからな。もしもの時の作戦も考えておこな。」
助言を出しておく。
色々と教え込んではいるが吸収が良い。
帝国の歴史や地図、軍関係をゲルドに教えて貰ったのを元に戦略シュミレーションをしているのだ。
三人娘でリオンチームと愚兄1と愚兄2の三つ巴の対戦シュミレーションとかしている。
彼女達の順応能力は高く、自軍を勝利する為に徹底的にえげつない手を打ってくるのだ。
まぁ…そう仕込んだのは私なんだけどね。日本の特攻隊に目を付けて自爆部隊を作るとか勝利には凄い執念を燃やしている。
勝利した子がご飯のリクエスト権を貰える為か、彼女達の対戦シュミレーションは白熱した戦いになるのであった。
ところ変わって紅唐白ちゃんのご飯に纏わるetc
紅唐白ちゃんの壺が空っぽになったと姉から報告された。出汁巻き卵と同じようにシナシナのコーンフレークを作って欲しいと言われたので、フルーツミックスおからコーンフレークを作ってやった。
私の出汁巻き卵はパクパクと食べているのに対し、紅唐白ちゃんは一口食べてそっぽを向いた。
「妹よ、キヨちゃんが食わへんねんけど?」
紅唐白ちゃんの口元にスプーンを持っていくも顔を背ける紅唐白ちゃん。
「キヨちゃん、ご飯やで。」
宥め透かし、ご機嫌を取る姉に紅唐白ちゃんはプイっと顔を背けるのであった。
「作り直してくれへん?」
姉の言葉に私はカッチーンとし、姉からスプーンを強奪し、紅唐白ちゃんの口を抉じ開けコーンフレークを突っ込んだ。吐き出さないように口をガッチリと閉じたらピシャーン、ピシャーンと雷を落としてくる。
姉が焦ったように
「ちょっと、キヨちゃんは神使やねんで!!アンタ、もっとキヨちゃんを敬いーやっ!!」
私から紅唐白ちゃんを奪還しようとした。
私は姉を睨み付け
「お前が躾ちゃんとせぇーへんから紅唐白ちゃんは甘えたなんや!好き嫌いとお残しは絶対に許しませんで!!」
紅唐白ちゃんの首根っこを掴み嫌々する紅唐白ちゃんの口の中に問答無用でコーンフレークを放り込み、無理矢理完食させた。
途中、多大な抵抗に遇い意識が一瞬遠のきかけたが、私の食に対する意地で意識を繋ぎ留めたのだ。
姉に鬼、悪魔と色々罵られたが、姉と紅唐白ちゃんの飯をサイエス飯にチェンジすんぞと言えば大人しくなった。
一度は紅唐白ちゃんにサイエス飯を食わせた方が良えな、と私は思い夕飯サイエスの離乳食を買って姉に完食させるように命令する。
姉はご飯がサイエス飯になるのを嫌がって紅唐白ちゃんに頑張って餌をあげようとするも全力で嫌がる紅唐白ちゃんに涙目であった。しかし今後のご飯がサイエス飯になってしまうのを理解している姉は紅唐白ちゃんの口を開いた瞬間に無理矢理口の中にサイエス飯を突っ込むのである。
サイエス飯の不味さにのた打ち回る紅唐白ちゃんもベソベソと泣きながら何とか完食したのであった。
その後、紅唐白ちゃんは出された食事はきちんと完食する癖が付くのである。
とっても良い話だなぁ……




