姉が奴隷を買ってきた
私はひな祭りの神社行事をアンナに伝え、準備するように指示を出した。アンナよりベリックとミレイアに伝言を託すのも忘れない。
アンナの手腕だったら大成功を収めてくれるだろう。
私は必要な物をフォルダに突っ込んでおいた。値段設定も任せる所存である。
神社の件が済んだので、私は戻って来た姉を捕まえに行ったら何かおまけが付いてきた。
「ゴルァアアアアアアアアア!!」
私は右ストレートを放ち、姉はモロに顔面で受け止め吹っ飛んだ。ゴロゴロと転びひんひんと痛いとのた打ち回る姉に
「どういう事かちゃんと説明して貰うからな!どういう事や!?」
ギンっと殺気を込めて睨むとヒィっと悲鳴を上げる姉。
姉がソロソロと後退して、逃げ出そうとしたので私は錫杖を大地にぶっ刺し
「ほぅ…2/3殺しにすんで、私のヒールでちゃんと回復したるわ。」
と言えば
「お前のへっぽこヒールで回復せんわっ!」
と暴言を吐いたのでハリセンで往復ビンタしてやった。
「痛いィイイイイイイイイイ」
酷い、酷いと喚く姉に絶対零度の眼で
「早く、私の納得のいく説明せいや!!」
説明と云う名の弁明を促した。
姉はベソベソと泣きながら
「無駄遣いはしてへんで!軍師が必要やと思って奴隷を買ったんや。」
弁解し始める。
私は額に青筋を浮かべ
「ゲルドのおっさんに軍師の事は頼んである!」
ギャオウっと吠えた。
姉はヒィイっと怯みつつも
「ゲルドのおっさんが連れてきた軍師が使える奴か分からへんやん。だから保険として奴隷買って教育しようと思ったん。」
必死に私の怒りを収めようとする。
「茶苦茶文句言ったよな?で、いくら散財したんや?」
「金貨20枚やけど…地球で500万。あんたより少ないやん!しかも自腹やで!!」
「嘘こけ、今は自腹やけど後で交渉してお金戻すつもりやろうーがっ!私は騙されへんからな!!」
指摘してやると姉は明後日の方向を向いて口笛を吹いていた。
図星やないけっ!
「…あ、あの……私達はどうすれば??」
勇気を出して今後の処遇を聞いてきた奴隷1に私は
「安心して良えで、あんた等は折角買った勉強道具を元に頑張って勉強して欲しい。衣食住はこっちで負担するからな。あと戦争になることは教えて貰ってるか?」
と聞けば、戦争の文字を聞いて姉を凝視していた。どうやら姉は何の説明もしてないようだ。
「……何も聞いてませんが……戦争だと私達は兵士でしょうか?」
奴隷達は自分が先兵になると思っているようなので
「それはない。姉もさっき言ってたやろ。軍師や。戦略を作って貰う正軍師と副軍師になって貰う予定や。身を守る為、ある程度は自衛の意味も兼ねて強化合宿するけど、本命は軍略を主に学んで貰う事にある。勿論、私も軍略を叩き込んであげるわ。私以下なら正直軍師は不要やしな。な~に、大丈夫や!私より優秀になってくれれば安泰やで!給与も出すしな。」
安心してな!って言えばドン引きされた。解せぬ。
私は姉に
「ちゃんど奴隷に何で軍師教育するんか理由を説明したり。あと給与のことも手抜きせんとな!私のゲームにアークエイジって戦争シュミレーションゲームがあるから手始めにそれやらせてみたらどうや?初心者からでも出来るしな。」
提案したら
「兵法・歴史の書籍と戦略ゲーム買ってあるで!囲碁と将棋も用意したし、バッチリや。」
デデーンと胸を張る姉。
「確かに役に立つかもしれんけどな、私が推奨したアークエイジは根っからの戦略ゲームやで。対戦型やから数千・数万の人間とAI対戦出来る代物や。先ずは兵法と歴史書籍を元にアークエイジに挑戦させや。慣れたら平行して戦略ゲームしていけば良えやん。囲碁と将棋って私しかしいひんやん。皆に仕込むで!姉も打てるようになれ!」
私の命令に姉は冷や汗を掻きながら
「え、私は囲碁と将棋は遠慮しておくわぁ…」
と脱兎の如く逃げたのであった。
囲碁と将棋に何かトラウマでもあるのだろうか?
姉は逃げたので、取敢えず私は彼等を家に招いたのであった。




