ラドバルキンの討伐
三徹して完成させた色々な機能を満載にした万能錫杖。名前の通り、魔法も放てて物理・防御・魔防が高い錫杖である。
「ふっふふふふ!あっははははははは!ついに出来たわ!私の最高傑作がっ!」
太陽を模した錫杖を掲げて笑う私にドン引きするイスハパン。
「皆、ありがとうなー」
ティムクインテットは各々自慢をしているがスルーした。
「妹よ、何やそのチートな武器は!!てか私の新しい防具は?」
クレと手を出す姉に私は
「あらへんで。」
キッパリと無いと言い切ると
「何でやねん!そこは私にも新しい防具を作るところやろ!?他の皆にはイスハパンと一緒に作ってるって聞いてるで!?何で私の武器は新調されへんのや!?」
ブーブーと文句を言い出した。
「何でって既存の防具で良えやん。そもそも材料提供してへんのに自分の分の防具を作って貰おうなんて甘いわっ!」
作らない姿勢を見せると姉は私の錫杖を奪おうとした。
しかし防犯機能の付いている錫杖が姉に天罰として雷を落とすのであった。
ビッシャーンと落とされた雷にプスプスと焦げた姉。頑張って作った防御服に守られた姉は気絶しただけだが、防御服はズタボロになってしまった。
「おお、結構な威力あんな。防御服が無かったら姉死んでたか?」
流石、紅唐白ちゃんの鱗やな。良え活躍をしてくれてる。
<これどうするんや?>
紅白の問いに
<そのままで良えんちゃうか?いつもの事やし。>
捨て置く発言をしたら
<それもそうやな。>
とティムクインテットは納得した。姉よ、人望?無いな。
私は新しい武器の錫杖を試す為にギルドの依頼を見に行くことにした。
ラドバルキンの素材回収クエストを受けて私はロッソ山に向かった。ロッソ山に地下迷路があるらしく、そこを根城にしているのが瘴気の地下迷宮らしい。
私はティムクインテットと共に瘴気の地下迷宮に住むラドバルキンを殲滅するために迷宮の奥に進むのであった。ティムクインテットは連携して確実にモンスターの息の根を止めつつ、散らばった戦利品を強奪する。
<こっち掃討したで!>
<綺麗サッパリ蹴散らしましたの~>
<あいつ等ノロマやさかい楽やったわぁ>
「シャッシャー」
「シュー」
思い思いに言葉を重ねる紅白、サクラ、赤白と上下に触手をカシャカシャと動かし、謎の踊りを見せる楽白に???している白朱。
色物クインテットやな、とポツリと私は零すのであった。
<お前等、気抜いてパクって食べられたらあかへんで!こっちも掃討終わったわ。>
錫杖の威力は思った以上に高かった。このクエストで魔力放出加減を学ぶべく頑張っている。
力加減を間違えると地下迷宮ごと埋まってしまうのだ。こっちも命がけである。
<さぁ、奥に進むで!>
私の合図に私達は地下迷宮を攻略していくのであった。
その間、姉が復活して私に復讐を誓って、姉はイスハパンに自分専用の高性能の防具を作らせていた。しかも、珍しい魔鉱石や魔石をふんだんと使っても良いと許可を出して…
討伐から帰って来た私が発狂したのは言うまでもない。




