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琴陵姉妹の異世界日記if  作者: ガンバル。
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ワイバーンをティムろう



 姉がクエストを持って来やがった。しかも超面倒くさいのを!!

 ワイバーンをと地竜をティムするらしい。殲滅なら楽なのに!

 しかも遠足気分の仲間達は肉弁当を要求する始末。え?私は弁当係じゃないんだが!と主張したいが、主張したらサイエスのマズ飯は嫌やとブーイングの嵐になるのが目に見えて分かるので、空気を読んでお口チャックした。

 バーベキューが終わり、私は地球に戻って、明日の弁当を作る事にした。一人ひとり作るのは面倒臭いので、重箱にギッシリと野菜と肉料理アラカルトを突っ込んでおく。もう一つの重箱にはお握りを詰め込み、デザートにバケツプリンを作った。私の秘蔵である日本酒の樽もアイテムボックスに突っ込む。後にこのプリンと酒がワイバーンとの交渉に役に立つことになるとは、私は知る由もなかったのであった。



「リオン、剣はどうや?大丈夫か?」

 私とイスハパンが作った剣の調子を見て貰う。使い手が違和感を感じたら調整せんといかんしな!

「今のところ問題ない。」

 リオンの言葉に私は

「防具も今作ってるさかいな!リオンの男前度が上がるで!」

アッハッハと高笑いしながら着せ替え人形に出来る人材ゲットと内心ニマニマするのであった。

「そろそろワイバーンの住むところだ。気を引き締めろ。」

 イスハパンの言葉に私達は気を引き締める。

 奥に進むとワイバーンの群れが上空をグルグルと飛んでいた。

 姉はメガホンを出すと

『ワイバーンの諸君、君らは冒険者ギルドで討伐依頼が発布されてるで!このままやと討伐されて終わりになりたくないやろ!?だから私と契約せんか!?』

ワイバーンの言葉で語りかける姉。交渉のこの字もない勧誘文句にワイバーンが怒り出した。姉はワイバーンが怒ることが理解出来ないらしく、姉からメガホンを取り上げ

『姉が失礼しました。深くお詫び申し上げます。ですが、姉が告げた事には嘘偽りはありません。私達は貴方がたを討伐しに来たのではありません。どうか、私達にその高貴なお力をお借りしたいのです。』

謝罪し、相手の様子を伺った。

 ワイバーンの長らしき者が

『人の子にして我等の言葉が分かる異端者よ、力を借りたいとはどのような事だ?我等を図るつもりではなかろうな?』

ビッシィイっと威圧を仕掛けてきた。でも残念ながらアベルに比べたらこのぐらいの威圧は屁でもない。あの地獄を味わった後なら、このぐらいの威圧は可愛いでしゅねーと笑うぐらいになった私達である。

『我等の神、太陽神の天照大御神様に誓って貴方様を図る事はありません。我等が力を借りたいのは、我が仲間が危機に瀕しているからでございます。アトラマント帝国にて、今は内乱状態にあります。我が友であるリオン殿もこの内乱に巻き込まれ常に死と隣り合わせなりました。この内乱では制空権を握る必要があるのです。どうか、私達にお力をお貸し下さいませんか?』

 私が頭を垂れると皆、空気を読んで頭を垂れた。

『弱者に使役されるのも業腹だ。なら力を示せ。そして我等を納得させよ。』

 ワイバーンの長の言葉に

『では一騎打ちで宜しいでしょうか?』

私は問うた。

『一騎打ちか、構わんがお前が我の相手をするのか?』

『いいえ、私ではなく直接力を借りる事になるリオン殿の力を見て判断して頂きたいのです。どうでしょうか?』

『良かろう、ではリオンとやらと一騎打ちしてお前達が負ければ我等の餌になって貰う。其方が勝てば我等の力を貸そう。』

 言質取ったど!!私はガッツポーズしそうになるのを我慢して、リオンに

「リオン、ご指名やで。一騎打ちして勝ったら仲間になってくれるって!サクっと勝ってきて頂戴や!」

「おい、何で俺なんだ!?」

 リオンの文句に

「ワイバーンいるのはリオンの為に決まってるやん。これから軍主になるんやで!私が力を示してどうすんねん。力を借りるリオンが力を示さんとあかんやろう。不満が出て爆発して内部瓦礫して軍どころじゃないで!それに何のために、その双剣を打ったと思うや?攻撃と防御両方に特化してるんやで!この場で練習出来る事を幸いに思いーや!リオンの実力を見せつけてこい!」

正論で叩きのめし、リオンを送り出した。

 リオンが戦っている間、私達は各々お茶をしたり、リオンをビデオで撮影したりとまったりと過ごすのであった。

 数時間後、リオンが何とか勝ったのでワイバーン達は私達の仲間になった。姉が一匹ずつティムしている。

 私はワイバーンゲットを祝して飯の用意をするのであった。

「レジャーシートひいてやー」

 アイテムボックスから取り出したレジャーシートを近くにいたイーリンに渡した。

「お茶を淹れたさかい、人数分配っといて。」

 レナが座っていた奴らにお茶を配りだした。私は重箱二つとバケツプリンを数個取出しご飯にありつくのであった。

「右はおかずで左はおにぎりやからな。皆、合掌。」

「「「「いただきます」」」」

 ご飯は争奪戦である。皆、自分の分を確保する為に箸と箸が火花を散らすのであった。私はササっと自分用に作っておいた、おかずのタッパーと手に取ったおにぎりを食べるのだ。食事争奪戦している彼等は私が裏技を使っているとは露知らずガンガンとおかずの取り合いをするのだった。

『うむ、これは美味いな。』

 よきかなぁーと副音が聞こえてきそうなワイバーンの声に私はギギギと後ろを向いた。デザートのバケツプリンをワイバーンが食っていた。

「あぁーーーーーーーー私のデザートがっ!!」

 私の悲痛な叫びに姉を含め食意地の張った奴らが悲鳴を上げる。

 姉なんかはワイバーンに

『折角楽しみにしてたのに!バケツプリンは中々作ってくれへんねんで!!吐けぇ!!』

暴言吐きつつゲシゲシと蹴るのであった。

 こうしてワイバーン攻略は一応成功したのかな??

 次の地竜戦では、バケツプリンの恨みとばかりに姉を筆頭に皆が暴走したので速攻で地竜は倒されたのであった。その時にゲットした卵を私は持ち帰って出汁巻き卵にするつもりだったのが、持って帰る途中に孵化してしまい、私の出汁巻き卵が!!とショックを受ける事になるのであった。子地竜は自分の名前を出汁巻き卵と覚えてしまうのは言うまでもないのであった。

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