ジェリダン共和国
ハルモニア王国を出国して、現在ジェリダン共和国に入国したばかりやで。
リオンにちょっかい掛けてたおっさんの名前は、ゲルド・ロッドという侯爵らしい。リオンを傀儡にせんように様子見させて貰おう。
姉がリオンを冒険者登録するっていうので、私はイスハパンを連れてアトリエに籠る事にした。
リオンの武器と装備品を作るためである。
「天照大御神様を祭る神社の広告塔になって貰わんとな!」
「あの坊主を広告塔にするのか?」
「せやで、容姿端麗やしな。取り合えず先に武器を揃えたいと思うねん。ハルモニア王国は王宮剣術があってな、その剣術に合わせた剣を作ろうと思うんや。二刀流のスワッシュバックラーが基礎となっているみたい。」
実際、私は剣術を習ってるわけじゃないのでサッパリぽんではあるが、今までリオンが使用してきた剣には共通する物があったので、それを元に作ろうと思う。
「剣はどうする?二本あるなら一本は防御用にするか?」
イスハパンの問いに私は
「せやね、やっぱり利き手の右は攻撃、左は防御用に作りたいと思ってるわ。イスハパンはどっち作りたい?」
スパっと案を提示した。
「俺は防御の剣を作りたい。盛り込んでみたい性能もいくつかあるからな。アンタは攻撃の剣の方が作りやすいだろう。」
猪みたいだしとボソっと言われてムっとするも
「魔法も組み込んだ剣を作り上げてみせるわ!剣のデザインはこんな感じで宜しく!」
デザイン画をイスハパンに渡し、それぞれ剣の作成に入った。途中、それぞれ意見がぶつかり合い、白熱してリオンがどちらの剣が気に入るか勝負となった。
姉達が帰ってきたので、リオンを拉致して
「今、あんたの武器を作成しているさかいな。王宮剣術の型を見せて欲しい。模擬刀でも出来るやろ?」
模擬刀を渡して王宮剣術の型を見せろと迫った。
「なんだ、取って食われそうな気分は?」
私の鬼気迫るお願いに気おされたリオンは何故かビビッている。失礼な奴だ。
イスハパンも参戦して
「剣を作るにしてもリオンが使いやすいものでないと意味がない。是非、見せてくれ!!」
見せて!見せて!の合唱となった。
「剣を作った貰うんだ…仕方ない。」
模擬刀を手に私達は、ちょっとした裏庭に出る。
裏庭では一応人払いと目くらましの魔法を使っておく。王宮剣術の型でリオンの身元が割れると思わないが念には念を入れたいと思う。
「リオン準備できたから始めちゃって~」
私の合図にリオンが剣舞を舞う。上半身は複雑な動きなのに下半身は静かに円を描くようにゆったりと舞っていた。
正直に言おう、滅茶苦茶格好良いわ!中世的な美貌なら綺麗だろう。もうちょっと年齢が低かったら綺麗だったろうな。色々な衣装を着せて舞わせたいわ!まぁ、今のも格好良いから装備は力入れてリオンが栄える装備を作りたい。
剣舞も終わり私とイスハパンは
「創作意欲が沸き立つわぁ!!」
「そうだな、色々と盛り込みたい性能も明確化できた。」
きゃいきゃいと盛り上がった。
「「そうと決まれば、リオンを連れてアトリエに行くぞ!!」」
私とイスハパンはリオンを引っ張りアトリエに連れて行くのであった。リオンが解放されるのは、剣が完成した時である。ちなみに衣装と防具を作るときにリオンは、またアトリエに強制連行されるのであった。




