留美生の図工
一班が卒業したので、私はアベルとアナスタシアの像の作成に入った。無論、王都と同じような機能を付けてある。
姉が王都で暴走している間に近隣からアベルの街に人手がやってきた。リオンが、移動してきた住民の登記簿を作って街の修繕を手伝わせている。
この街に来たことで病気の症状が治まったという人もいるのだ。噂が噂を呼ぶだろう。
私は巫女部隊に混ざって炊き出しの準備に追われている。
「留美生様、こっちは終わりました。次は何しましょう?」
「甘味作るから手伝ってや。」
「はい」
ほんま従順で良えわぁ。アンナもこれぐらいやったら良えのに!
私は収穫して来てもらった木苺を磨り潰ししていく。私の作業を見ながら一緒に巫女部隊が真似て木苺を磨り潰していくのであった。
「砂糖投入してー」
大量の砂糖を木苺を入れた鍋に砂糖を投入していく。
「ゼラチンと寒天どっちが良えかなぁ?」
「ゼラチンと寒天って何ですか?」
ジャスミンの質問に
「ゼラチンは動物、寒天は植物から出来る凝固剤やな。どっちも美容に良い。ゼラチンはプルン、寒天はツルンって感じの触感やな。どっちも美味しいから困るわ~」
真剣にどっちの材料を使うか検討した。
「どっちも食べたいです!」
目をキラキラさせる巫女部隊に私は引きつつも
「え~面倒やないかぁ?」
却下を出そうとしたら巫女部隊に止められた。
「私達がしますので!留美生様は特別に二種類食べれますよ!!!」
「やり方と材料提供して頂ければ私達で何とかしますから♡」
最早スイーツモンスターに成り果てた彼女たちが怖かったので材料と作り方を教えて私はそそくさと調理場を後にしたのであった。
姉がアベル問題を終結させている頃、私はイスハパンと一緒に車一台を潰して重機に改造した。瓦礫や重い荷物などを持ち運びするのに便利にするために!!
改良が終わればリオンが喜々として乗り回しているが…
「それにしても姉のことや、スピード解決するんやろうなぁ。」
ボソっと呟いた後ろでピシャーンと雷が落ちる。
そう、紅唐白ちゃんだ。姉に置き去りにされて拗ねた紅唐白ちゃんがバチ当たりな輩を見つけると天罰とばかりに雷を乱射しているのだ。
何故か私も魅惑のボディを触ろとして雷を落とされた。まぁ、耐雷属性の服で紅唐白ちゃんの魅惑ボディを超絶堪能したけどね!ツルッツルのボディに頬ずりしつつピシャーンピシャーンと落とされる雷。いい加減にしろとリオンから苦情が入ったので、今は放逐しているが!その時に何枚か鱗を落としたので私はチャッカリとクスねておいた。姉に毎回譲って貰うんもな…私がムカつくので丁度良かったわ。
着実に猛スピードで街が開発されていく様は高笑いが出そうである。
「そろそろ夜飯やなぁ。」
「留美生様、夕食が出来ました。」
私を呼びに来た巫女予備軍の一人に
「おおきに」
礼を言って紅唐白ちゃんを回収しに行った。紅唐白ちゃんは私に抱っこされながらピシャーン、ピシャーンと元気に雷を落としている。
あまりにも周囲が怖がるので私はご飯を装って離れた場所に移動した。
「あ、紅唐白ちゃんのご飯って姉ちゃんが持ってるんやなぁ…忘れてたわ。紅唐白ちゃん、姉が帰ってくるまでご飯抜きな。」
ごめーん、ね!をしたら紅唐白ちゃんが絶望的な顔をして特大の雷を落として感電した。そして私はブラックアウトしたのであった。




