研修生の卒業試験
会談の結果、姉の圧勝だった。公爵残念。
会談後、姉は生理を発症し、パンツ改革なるものをアンナと悪だくみしていた。とっても嫌な予感がする。
アベルが好き勝手に祟っている影響が出てきたのか、王都では倒れる者も出てきているらしい。
姉はお銭々(おぜぜ)の稼ぎ時とばかりに祟り除けのお守りを私に大量生産させて神社に降ろした。姉もポーションを作ったようでセットで売るようにと言いつけていた。
完全救済にはならないが、そこそこ回復は出来るだろう。
てか辞表出したい。絶対タイミングを見計らって、この地獄から抜け出してやる!!
姉は私を置いてアンナとアベルを連れて王都へ行ったのであった。
「リオンは姉に付いて行かんで良かったん?」
「アレと一緒に居たくない」
リオン、何気にアベルが怖かったんやな。
「ワウル使ってこの領地に働き手を集めるわ。男手は一日金貨1枚、女手は銀貨8枚、子供は銀貨5枚で三食宿付きで人を集めるで!!」
「高くないっすか?」
私が提示した値段に渋るワウルに
「危険手当込みやし、安いもんやろ。」
うちらが出している危険手当付きだともっと金が高くなる。
私の意図が伝わったのか
「それなら金庫番はん納得すると良いっスね。で、俺は公爵領を巡って人手を集める噂と街の調査ってことか?」
自分の仕事を確認してきた。成長したなワウル。最初はめっちゃ使えへんと思って御免な。
「轢き殺したドロップアイテムはちゃんと回収してな。アンナが五月蠅いし、あとこの地はの学問の神アベル様加護での祟りはないと触れ回って良えで。」
提示した金額で噂を流すように指示を出していた。アンナが居ないので退職届は出せないが、合流したら退職届出したるで!!
「本日は卒業試験するで!一人一つの物件を浄化出来たら合格や!手段は問わん。アベルよりも貧弱で脆弱な奴等ばっかりやから蹂躙せい。」
行くでと合図すれば全員が大型ワゴン車に乗り込んでいった。
残った者達には街の整備を任せてきてある。
発車させた大型ワゴン車に轢かれてはチマチマとドロップ品を回収していく研修生達。こんなにお銭々(おぜぜ)にガメツクなったのは、きっとアンナのせいや!
ずんどこ、ずんどこと進むこと一時間程で第一の物件が見えた。この周辺にあと三件あるらしい。公爵領の屈指の幽霊スポットだとか…
公爵領悪霊スポット多くないか?
まぁ、えげつないのは始末出来ただろうし、此処からは研修生に頑張って貰おう。
「あー、最初はマリアンヌからなぁ。」
一番手のマリアンヌを見送って数分後には浄化が完了した。浄化中に悲鳴と命乞い?が響き渡ってたが問答無用で浄化したらしい。
「鬼だな。この建物はどうするんだ?」
リオンの問いに
「決めてへんけど売るんとちゃう?」
呆気らかんと答えたら
「孤児院にしたらどうだ?」
孤児院を希望していた。
「う~ん、採算が取れへんのとちゃう?アンナや姉から却下されると思うで?」
「諜報員が少ない。ワウル一人に頼るよりも育てれば良い。あいつ等だってある程度なら諜報出来るぞ。」
孤児院のビックリな能力に私は一考した。諜報員は喉から手が出るほど欲しい。
「その件は姉とアンナに強く要望出しとくわ。」
私はリオンの案に没頭しつつ、残りの三件も回り終えたのだった。
翌日は移動して他の卒業生を誕生させつつ集合場所に戻るのであった。




