地獄のブートキャンプ 留美生編
ザっと21名が揃ったプチ軍隊みたいな研修生。
「アンナから聞いて書類にサインした通り、死地獄の訓練を担当する留美生です。私直属の部下になるので、試験に受かればエリートコース一直線になる!!脱落=死あるのみだ!」
ビシっと隊列を崩さない彼等に
「マーライオ……失礼、アーラマンユの信者であろうと我ら神!太陽の化身である天照大御神様は慈悲深くお許しになる。万人を受け入れよ。良いか!神とは全てを視ていらっしゃる。しかし人間界への介入はされない!だが、奇跡は人の手で起こるのだ!それが私達に与えられた祝福である。我らの神、天照大御神よ、その慈悲深き心で我等を見守り下さい。」
天照大御神様に祈りを捧げる。
「さて、諸君。祈りの時間は終わりだ!今から地獄のブートキャンプの始まりだ!一応、回復薬とMP回復薬は、この三人が回るからな。一人三匹のワイバーン大を狩って貰う!目標はレベル200だ。では今からこのジープに7人ずつ乗ってくれ!」
サクっと七人ずつに分け、免許取得したジョン・ボブ・イスハパンの三人は買ったジープにそれぞれ乗り込んだ。勿論、ジープの後部座席はふかふかのマットがひかれていてお尻が痛くない仕様だ。
私はイスハパンの車の助手席に座り、出発の合図を出した。
ワイバーンの巣窟と言っても良いアラウラの渓谷にやって来た。ジープはメディションホールに仕舞っといた。
「これからワイバーンの巣窟であるアラウラの渓谷の中枢に向かうで!魔物を集める薬も特別に使用するから死なんように一人最低でもワイバーン大を3匹は狩るんやで!此処でリタイアしたい奴はおるか?」
私達は休憩を取りながら中枢まで辿り着き戦闘開始した。協力して倒す彼等の即席チームプレイは見事である。姉が仕込んだのだろう。
武器は一般の武器であるソードしか渡してないので姉の訓練を思い出して頑張って欲しいものだ。
私?私は勿論高見の見物である。
どんどんワイバーンの屍が積み上がっていく中で、エリアボス炎竜が登場した。
「後方へ全力で退避ぃ!!」
強力メガホンで全員に呼び掛け、私は肉球の斧を持って最前線へ躍り出た。
さぁ狩りの時間だ♡
私は目の前の炎龍目掛けて走り出す。久々の獲物♡良い材料を落としておくれ!最近、姉が材料チェックしてケチくさっているんだ!私が使える材料にするから全てを捧げてくれ!!
火炎を回避しながら私は炎竜の羽と四肢を切り落としていく。芋虫状態になった所で全員に
「神聖魔法のアイスレクイエムで留めを刺すで!頭部を目掛けて三秒後にハイ!さん、に、いちぃーアイスレクイエム!!!」
一斉に唱えられたアイスレクイエムは炎竜の頭をカチカチに凍らせたのであった。
肉球の斧を振るって炎竜の首を落とし、絶命したのを確認し私は炎竜を始めとしたモンスターの死体全部をメディションホールに仕舞った。
ワイバーン狩りは全員のレベルが200に上がるまで訓練し続ける。途中、祝詞や神楽舞なども叩き込んでおいた。アンナが素地を作ってくれたからこそ、此方は割と楽だったと記載しておこう。
死の特訓を終えた彼等は巫女と神薙というよりもどこか屈強な戦士に見えるが突っ込みを入れたら色々と終わるような気がしたので無視することにした。




