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88.ケーティー軍団

間に合った、平成最後の日にも更新したので、令和初日にも短いながらも記念に更新しました。自己満足。


グリーンノアの下層にある格納庫に貴子、極東マネージャーの李花琳、エバンジェリーナ、屋敷から呼び出された黒夢の4人が目の前に立ち並ぶカプセルを見上げる。

薄暗い格納庫でカンカンカンとスポットライトがカプセルに当てられた。


「祝え!! ケーティー29号、30号、31号生誕の瞬間である!」


「オー、パチパチパチパチ」


ビールケースの上に立った貴子が腕を広げ高らかに宣言し、それを黒夢が無表情で拍手するなか、カプセルの蓋がプシューと気の抜けた音をたててゆっくりと開いて行く。カプセルの中から溢れた冷気がドライアイスのように床を満たしてゆく、中から現れたのは右から白髪の29号、金髪の30号、赤髪の31号、容姿は黒夢と良く似ているが髪の色と服のカラーリングで区別されている。


「さあ、目覚めろケーティシリーズ!!」


貴子の声に反応してそれぞれの瞳がゆっくり開かれると、3体のケーティーシリーズが自ら床に降り立ちロールアウトを迎える。

このケーティーシリーズの三つ子達は黒夢の貴子と鉄郎のいいとこ取りの顔と違い、ほとんど貴子そっくりに作られていた、白髪の29号など貴子に瓜二つと言っても良い、ただ3体とも親 (貴子)に似て若干目つきが悪いのが玉に傷だ。だがそれが良いという者も1名ここにはいた、極東マーネージャーの李花琳その人だ。


「きゃーーーっ!! 貴子さんにそっくり、最高!! 貴子さん、白髪の子は是非私に譲ってくださいな」


「ん、29号は元々貴様に譲るつもりだったからいいぞ、貸してもらったロシア人 (エバンジェリーナ)のかわりに護衛に使え」


「ありがとうございます!! 大切に使います、それはもう肌身離さず♡」


「……変な事に使うなよ絶対」


貴子教信者である李花琳が目にハートマークを浮かべ、はぁ、はぁと息を荒くする、このお方も結構危ない雰囲気がだだ漏れである。


「さて、名前を付けねばいかんな、黒夢2号から4号でいいか?」


「ママ、黒夢はパパが付けてくれた特別な名前、軽々しく使うナ」


ネーミングセンス皆無の貴子が安易に名付けようとした所、黒夢が抗議する。



「「「お姉様はズルイ」」」


続けて三つ子達からも抗議の言葉が出て来る、黒夢は無表情に妹達をギロリと睨んだ。この辺りは姉としての貫禄が出て来ている。


「ナんだ妹達、文句が有るのカ」


「「「私達も、パパに名前を付けて欲しイデス!!」」」


えっ、私じゃ駄目なのと貴子が若干落ち込んだ、こんにゃろう昭和、平成、令和って名前にでもしてやろうかと思ったがそれだと自分が明治と呼ばれかねないのでやめる事にした、創造主のわりに立場が微妙だ。


「ちっ、わかったわかった、後で鉄郎君に相談してみよう、それでいいなお前達」


「「「当然デス」」」


「くっ、しかしお前らは鉄郎君の専属にはならんぞ、29号はナインの花琳に、30号はグリーンノア、31号はバベルの塔の担当だからな」


国防強化のために作ったのだからと、それぞれの役割を言い渡す貴子、しかし自我を持つケーティーシリーズからは当然ブーイングが起こる。


「ブー、ブー、ブー、女房と畳は新しい方が良いと昔から言われてル、パパ担当の黒夢姉様の代わりは私ガガガガガガァ」


金髪30号の言葉は最後まで言うことなく黒夢に遮られる、開いていた口に指を突っ込まれ奥歯ガタガタいわされた。


「……パパの担当は黒夢の役目、妹と言えど邪魔スルなら排除スル」


「「「ワ、ワカリマシタ、お姉様!!」」」


アンドロイドのくせに殺気を垂れ流す黒夢の迫力に、三つ子達がビクリと身体を震わせて返事をする、ここはスペックと言うより経験値の差が大きいようだ。




「ふはぁ〜、少しお馬鹿な所も貴子さんに似て可愛いわぁ、29号ちゃんには貴子さんとお揃いの白衣を着せちゃいましょう」


「あれはそんな可愛いシロモノではないですよ極東マネージャー、あれ1体で世界征服も可能なんですから、それが4体も有るなんて悪夢に近い」



李花琳が鼻息荒く呟くと隣にいたエバンジェリーナが苦言をこぼす、実際学習機能を搭載している黒夢は日に日に強くなっているのを感じている、先程の動きもエバンジェリーナを持ってしても反応出来たか怪しい程の速さであった。





「ところでママ、黒夢はこの子達の増産を提案スル、コレは急務」


「どうした黒夢、政府相手に戦争でもする気か? 別に今の体制でも簡単に勝てるぞ、やってみるか?」


「そうじゃナイ、パパの子供、黒夢の弟の護衛に必要にナル」


「はぁ?」


「本日その可能性が出来タ」





「はあぁああああああああああああああああああああああああああ!!」






黒夢1体だけでも世界を制服するだけのスペックを持つケーティーシリーズ、それをベビーシッター代わりに増産することを提案する黒夢。

そして鉄郎の初体験をあっさり貴子にバラしてしまう黒夢、この事が吉と出るか凶と出るか、世界の、いや鉄郎の明日はどっちだ。







後日3体には鉄郎から白雪しらゆき亜金あかね真紅しんくと名付けられた。あと1体で戦隊物が出来そうだなと鉄郎は密かに思ったとか。



お読みいただきありがとうございます。感想絶賛受付中!!

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