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「誰かのために傷付くことが出来る強い人」
とても懐かしい夢を見ていた。
ある男の子がイジメられる夢だ。
その男の子は何も悪くはない。
悪いのは全部私。
彼は私を守ろうとしてくれた。
私は彼を守らなかった。
ただそれだけの話。
ある時、彼に聞いてみた。
「ねぇ……なんで私なんかのために……」
「君のためというか……僕のため?」
「何それ……」
「心配してくれてありがとう。でも、僕は大丈夫だよ。何をされても、何を言われても平気だから」
彼は笑いながら言った。
辛いのはずなのに……。
苦しいはずなのに……。
彼は無理をして笑ってた。
私を傷つけないために。
あぁ、胸が痛い。
私はこの痛みが罪悪感だけのものではない事を知っていた。
『誰かのために傷付くことが出来る強い人』
私はそんな彼に恋をしていたのだ。




