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余命1年から始めた恋物語  作者: 米屋 四季
〜人生の終わり〜
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「始まりの始まり」

 とある家の一室でアラーム音が鳴り響いている。

 僕は未だにぼやけている視界でアラームが鳴っている携帯電話の画面を見た。

 携帯の時刻は7時6分を表示している。

 これは7時6分にセットしたアラームではなく、7時にセットしたアラームだ。


 6分間も鳴らしぱなしだったのか……数週間前なら母親が怒鳴りこみながら部屋に入って来ただろうな。


 そんなことを考えながらアラームを切る。

 学校に行く準備を始めるため、重い体をとりあえず起こした。


 今日は4月8日。僕、銘雪(めいせつ) (りく)は今日から晴れて高校1年生となる。

 今日から高校生になるのかと思うと、希望半分と不安半分で複雑な気持ちに駆られる。

 一人暮らしを始める時も同じ気持ちになったものだ。


 つい3週間前までは両親と3人で暮らしていたが、父親の転勤が決まり、僕はここに残るか両親と転勤先に引っ越すかを選択させられた。

 そして残る事を選択し、現在の一人暮らしに至る。

 ここに残った理由は、15年間過ごしてきた環境を捨て、今さら新しい環境に変わるのも面倒だと思ったのと、一人暮らしをしてみたいという気持ちがあったからだ。

 しかし、いざ一人暮らしをしてみると親がどれだけ頑張ってくれていたのかがよく分かる。

 最近やっと一人暮らしに慣れてきたが、これに学校生活が加わる事を考えると、あの時両親と一緒に引っ越せば良かったと少し考えてしまう。

 しかし、ここに残ったのにはもう1つだけ理由があって、それが残った一番の理由であり、やっぱりそれを考えると残ったのも正解だったと思える。

 まぁ、後悔するにせよしないにせよ、もうどうすることもできない。


 朝食を食べ、一通りの片付けと準備を済ませ玄関に行く。

 不安だった一人暮らしも今ではどうにかなっている。

 高校生活もどうにかなるさ、そう自分に言い聞かせドアノブに手をかける。


「いってきます」


 つい今までの癖で、誰もいないリビングに向けて僕は大きな声で言った。

 無論、家の中に僕以外に誰かいるわけではないので返事など聞こえるはずがない。

 やっぱり一人暮らしって寂しいな……と勝手に精神的ダメージを受けながら僕は家を出た。







 登校の途中、僕は信号待ちにあっていた。

 別に急いでいるわけではないので、これといって何か思うところはないのだが。

 ぼうと信号待ちをしていると隣にランドセルを背負った小さな男の子がやってきた。

 あぁ、この子も今日から学校が始まるのか、と思っていると、その小学生の奥の方から来ている車に目がついた。

 ふらふらと左右に大きく揺れながら走っている。


 明らかに動きがおかしい……。

 

 そんなことを思っていると、その車は僕達の方に向かって――


「危ないっ!」


 気がつくと体が動いていた。

 僕は隣にいる小学生を突き飛ばす。

 車がこっちに突っ込んでくる。

 どこからか悲鳴が聞こえた。

 そして、大きな音と衝撃とともに僕の意識は途絶えた。

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